テントマットとは、その名の通りテントの床部分に敷くマットの事をいいます。今回は、このテントマットの必要性や選び方を解説するとともに、おすすめ登山用テントマットをご紹介します!
登山用テントマットの必要性とは?
「シュラフがあればなんとかなる!」「荷物を増やしたくないし…」なんて言っている場合ではないくらい、テントマットは必要という理由を解説します。
必要性①寝心地の良さ
自宅で硬い床に直接寝たとしたら、しっかり睡眠や休憩がとれますか?背中や腰が痛くてとても寝ていられません。寝具を買い替える時、ベッドや掛け布団よりもマットを重視する方も多いです。それと同じで、立派なシュラフがあってもマットがなければゆっくり休むことができません。ごつごつした地面を直に感じてとても寝づらいです。
必要性②断熱効果
地面から伝わってくる冷気はかなり体にこたえます。登山でのテント泊であればなおさら、夏でも寒さを感じることが多いです。底冷えは体を芯から冷やしますから、寒さで一睡もできず翌日の登山に支障がでてしまったなんてことにもなりかねません。体調が悪いままだと事故にもつながりますから、睡眠や休憩はしっかりとることが大切です。
テントマットの選び方のポイント
テントマットはとにかく種類が豊富ですし、季節や用途によって選び方も変わってくるので、いざ購入しようと思ってもどのように選んだらいいか悩みますよね。そこで、テントマットの選び方のポイントをまとめてみました。
テントマットの種類
テントマットの種類はおおまかに3種類に分かれます。それぞれどのようなタイプなのか簡単に説明します。
クローズドセルタイプ
ウレタンマットや銀マットと呼ばれるタイプで、広げるだけで使うことができます。手軽に準備できるため、防災用に常備している方も多いと思います。冬の寒い時期以外の季節であれば断熱効果も十分です。
エアーマットタイプ
空気を入れて使うタイプで、クッション性に優れているため寝心地が良いのが特徴です。もちろん断熱効果もあります。収納時はコンパクトに折りたためるため、持ち運びにはとても便利ですが、使う時に空気を入れる手間があります。寝心地と暖かさを優先させたい方に向いているマットです。難点としては、一か所でも破れて穴があいている箇所があると使えなくなるという点です。
インフレータータイプ
こちらは、バルブを開けると半自動的に空気が入るタイプです。エアーマットのようなクッション性と、ウレタンマットなどの断熱効果の両方をバランスよく兼ね備えているタイプのマットで、年間通しての使用が可能です。ただ、空気を抜く時が意外と大変なことと、エアータイプ同様に、穴があくと使えなくなる点に注意が必要です。
サイズ選び
目安のマット幅は50~60cmが一般的です。自分の体にあったサイズを選ぶようにしましょう。寝返りが多い人は幅を少し広めなサイズにすると寝心地の良さがアップすると思います。
自分の好みに合ったテントマットを選ぶ
マットのタイプによって優れている機能が違います。自分はどれが好みなのか、どの機能を優先させるのかを決めてからのほうが選びやすいかと思います。
クローズドセルタイプ向けの方
とにかく手軽に使える物が良い、なるべく出費を抑えたい
エアーマット向けの方
価格は高めでもいいからとにかく寝心地の良さを優先させたい
インフレータータイプ向けの方
寝心地の良さも断熱性も両方欲しい、自分で空気を入れるのは面倒
断熱性はR値、寝心地の良さは厚さ
R値とは熱の伝わりにくさを表すもので、数値が大きいほど断熱性が高いことを表します。断熱性を確認するときは、R値をみるとわかりやすいです。
マットが厚い方が地面からの冷気は伝わりにくくなりますが、厚いからといって必ずしも断熱性が高いというわけではないので気をつけましょう。マットが厚いほど寝心地が良くなりますが、自分で空気を吹き込むエアータイプの場合は、その分空気を入れるのも大変になるので、携帯用ポンプなどがあると便利です。
登山用テントマットおすすめのクローズドセルタイプ
クローズドセル、エアーマット、インフレーターとそれぞれタイプ別におすすめのテントマットをご紹介します。
THERMAREST(サーマレスト)Zライトソル
Zライトソルの特徴は表面(銀色の部分)にアルミニウムが施されているため、断熱性が高いのが特徴です。410gと軽くアコーディオン式で使い勝手がとても良いです。レギュラーサイズとスモールサイズがあるので、好みや用途によって選んでください。R値2.6で厚さが2cmなので、春から秋にかけての使用をおすすめしますが、その手軽さから定番テントマットとして人気があります。
サイズ:幅51cm×長さ183cm×厚さ2cm(収納サイズ:51×15×13cm)
重さ:410g
素材:軽量EVAフォーム
R値:2.6
NEMO(ニーモ・イクイップメント) スイッチバック
硬さの違う素材を組み合わせた二層構造が特徴で、寝心地の良さを追求したマットになっています。また、裏面にはサーマルフィルムを使っており、地面からの冷えや熱を遮断し断熱性にも優れています。レギュラーサイズとスモールサイズがあります。
サイズ:幅51cm×長さ183cm×厚さ2.3cm(収納サイズ:13×14×51cm)
重さ:415g
素材:ポリエチレン
その他:二層構造
SPECIALIST ポリエチレン発泡マット 折りたたみ式 シングル
アコーディオン式のため巻き癖がつきにくいのが特徴です。257gと軽く広げるだけで使用できる手軽さで人気があります。厚さがないため暖かい時期での使用をおすすめします。
重さ:257g(収納袋49g)
素材:発泡ポリエチレン
登山用テントマットおすすめのエアーマットタイプ
THERMAREST(サーマレスト) ファスト&ライトシリーズ ネオエアー
かなり高価なマットですが、寝心地の良さと断熱性は抜群のテントマットです。自分で膨らます必要があるため、使用時は多少手間がかかりますが、それすら苦にならないほど快適な寝心地と評判です。4枚の熱反射板を使用し地面からの冷気を遮断しつつ、体の熱を反射し保温性を保つ作りになっています。R値5.7は真冬の登山でも使用可能です。
サイズ:幅51cm×長さ183cm×厚さ6.3cm(収納サイズ:23×10cm)
重さ:430g
素材:30D高強度ナイロン、70Dナイロン
R値:5.7
エア-マット KOOLSEN
自分で空気を入れるエアータイプですが、空気を吹き込むのは15~20回ほどで大丈夫だそうです。防水使用で汚れてもふき取れるため、お手入れが楽です。春から秋の暖かい時期だと1枚でも大丈夫ですが、寒い時期には下にウレタンマットを敷くなどした方が良さそうです。厚さは約5cmあるため、価格の割に寝心地が良いと評判です。登山以外にも様々な場面で活用できるので1枚あると便利なマットです。
重さ:500g
素材:TPU(75Dポリエステル)
その他:補修用シールと接着剤附属
登山用テントマットおすすめのインフレ―タータイプ
THERMAREST(サーマレスト)プロライトプラス
ダイアゴナリーダイカットフォーム(フォームを斜めにカット)採用で保温性に優れているのが特徴です。インフレータータイプのマットの中では断熱性が高く暖かいこと、コンパクトに収納できて軽く持ち運びにも便利です。少し価格が高め設定ですが人気があります。
重さ:570g
R値:3.4
コールマン(Coleman) キャンパーインフレーターマット ダブルセットII
こちらは、コールマンのインフレーターマット2枚組になります。空気入れになるスタッフバッグが付いているので、空気注入が少し楽です。2人で使うほか、1人でも広々と使いたい人にもおすすめです。2枚は別々にすることもできますので、シングルとしてももちろん使用可能です。厚さが5cmあるので寝心地良く快適に休むことができます。
重さ:約3.5kg
素材:ポリエステル、ポリウレタンフォーム
ロゴス マット (超厚) セルフインフレートマット
ウレタンフォーム+厚さ5cmで断熱性に優れたテントマットです。別売りでインフレーターまくらの販売もされています。テントの大きさに合わせて作られたテントフィットシリーズで人気があります。SOLOサイズとDUOサイズがあるので、好みや用途によって選んぶと良いかと思います。5cmと厚さがあるので、ごつごつした場所でも気にならず寝心地が良いと評判です。
サイズ:幅65cm×長さ190cm×厚さ5cm(収納サイズ:61×16cm)
重さ:約1.8kg
素材:ポリエステル、ウレタンフォーム
THERMAREST(サーマレスト)トレイルスカウト
とてもシンプルですが、寝心地・保温性・使いやすさ・コストパフォーマンスとどれも適度に良く、バランスのとれたテントマットです。ウレタン素材でR値も3.4ありますから、断熱性にも優れています。初めてインフレータータイプのマットを使うという方におすすめです。
重さ:630g
素材:ウレタン
R値:3.4
まとめ
登山用テントマットおすすめをご紹介しました。テントマットは種類が様々なため、選ぶのが大変ですね。今回ご紹介したテントマットの選び方やおすすめを参考に、自分の好みや用途にあったテントマットを選んで、楽しい登山の思い出を作ってくださいね!