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伊吹山登山|冬の上野ルートは雪山初心者におすすめ!装備や注意点のまとめ。

冬の伊吹山の上野ルートは雪山初心者におすすめのコース。登山ルートの注意点や、登山装備についてレポートしますね。

伊吹山ってどんな山?

伊吹山は、滋賀県と岐阜県にまたがる山。標高は1377mです。近辺では高いほうになります。
夏場はドライブウェイが通じていますし、また、登山道が整備されているため、数多くのハイキング客と登山客で賑わう人気の山でもあります。
古くから知られる山でもあり、「伊吹大明神」と呼ばれ信仰されていました。古事記にも「牛のような大きな白猪」と記されています。役行者が山中の寺を建立したとの伝説もあります。
高速道路や東海道線などから見た山容は、晴れた日であれば本当にきれいに見えます。

冬の伊吹山は日本屈指の豪雪地帯

冬になるとほぼすべての施設が閉鎖するほか、伊吹山ドライブウェイも閉鎖するので、訪れる人はぐんと減ってしまいます。夏と冬で、まったく違う表情を見せるのです。
実は伊吹山のあるあたりは日本屈指の豪雪地帯。北海道でもなく、新潟など日本海側でもないここが、ギネス世界記録である11.8mの積雪記録を持つのです。

冬の伊吹山は大きなエビのシッポが見ることができる

伊吹山のまわりには、伊吹山より高い山がないのでとても見晴らしがいいです。鞍部から稜線を通って山頂に至る道は慎重さが必要ですが、ちょっと顔をあげるとものすごくきれいな景色を見ることができます。夏山では見れない大きなエビのシッポなども見る事ができるでしょう。

冬の伊吹山は日帰り登山向き

伊吹山は、雪の日でも登り3~4時間なので、日帰り登山向きです。ただ、駅からのバスが少ないので、電車で行く場合は1合目にテントを張って登る人もいます。私も、車がなかったころ一度テントを張ったことがあります。すごい雪の夜で、真夜中にテントが埋まりそうになったので、何度か外に出て周りの雪を撤去しないといけませんでした。

伊吹山登山 冬の服装や装備

今回は1月中旬の伊吹に登りました。日帰り登山です。

  • 上半身:ポリエステルの半そでシャツ、長そでシャツ、長そでフリース、冬山用ジャケット
  • 下半身:レギンス、登山用ズボン、分厚い靴下、薄い靴下、膝サポーター
  • 手袋 :プレスサーモの薄い手袋と、もこもこ手袋の二重重ね
  • 靴  :冬山に登れる登山靴、アイゼン
  • 頭部 :目出し帽、サングラス、口カバー、ネックウォーマー
  • 装備の注意点

    伊吹山は、標高のわりに積雪量がものすごい山です。なので、積雪後の登山においては、トレースが付いていない場合、かなり厳しくなる可能性があるともいえるでしょう。
    そういった意味、スノーシューやワカンなどを使うのが非常に効果的。
    また、スパッツ(ゲイター)の装着を忘れないようにしてください。他は、一般的な雪山装備で登ることができます。

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    伊吹山登山 冬の食糧のおすすめは?

    前述したように、伊吹山は基本的に日帰りで登る事が主となる山なので、お昼用の行動食と魔法瓶程度で大丈夫。おにぎりは凍りそうなので、パンやクッキー、カロリーメイトがいいでしょう(パンも硬くなりますが)。非常食用にチョコレートやあめを忘れないようにしたい所です。
    コンビニエンスストアが伊吹山の近くに一軒ありますので、そちらで食料を買っていくのもおすすめ。

    伊吹山登山口までのアクセス

    電車の場合……JR東海道線「近江長岡」駅下車。駅前からバスが出ています。バスに乗って伊吹登山口まで行けば、目の前から登山口が始まっています。本数は少なめです。駅からタクシーにも乗れます。

    車の場合……上のルートの登山口近くに私営の駐車場が幾つか存在します。車を止めるとどこからともなく管理人さんが登場。利用料金は500円程となっています。

    冬の伊吹山のトイレ・小屋などの施設情報


    夏場は登山客が多くてお店も開いているのですが、厳冬期及び冬期は、閉鎖している箇所が幾つかあります。

    まず、登山口。バリアフリー化されたきれいなトイレが存在するほか、商店も存在します。ただ、スーパーではないのでそこまで品ぞろえがよい訳ではありません。最低限度程度のものだと考えてください。自動販売機などの設備も備え付けられているのでここで水を購入することもできます。

    山頂の山小屋は屋根まで雪で覆われるため、冬期営業はしていません。よって山頂の補給などは不可能です。避難小屋は利用できます。6合目辺りに存在する伊吹避難小屋(木でできた小屋)も利用する事が可能ですが、トイレやその他ライトなどの設備はありません。ほんとにただの小屋があるだけなので、こちらを利用するのは休憩だけと考えた方が無難ですね。

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    上野ルートの解説

    ・登山口~3合目

    登山口から3合目までに関しては夏道とほぼ変わらないコースを進むことになります。登山口~1合目までは樹木帯を歩きます。積雪が少なかったり無い事も多々あるので、ここではアイゼンをはかないほうが歩きやすいと思います。
    今回も、ふもとではあまり積もっていなかったので、3合目からアイゼンを装着しました。

    ・3合目~5合目

    3合目以降は積雪が増え、雪の状態によって行動時間も変わると言えます。早朝に登るなら、基本的にはトレースがついていません。が、雪が降った数日後の週末なら、トレースがあることもあります。
    今回はありがたいことについてました。

    • 初心者向けの注意点
    冬山登山で全般的に言える事ですが、地図のコースタイムは夏山のことを想定しているので、倍近くかかる事も多くあります。また伊吹山自体が日本屈指の豪雪地帯に存在するため、トレースがついていない場合コースタイムがなかなか読めないんですよね。帰りの時間次第では、撤退も頭に入れておく必要があります。

    ・5合目~頂上

    5合目からは、夏道のジグザグと登って山頂に至るルートが、完全に雪で埋まっていました。冬はこの一般的なルートが無いので、山頂稜線の鞍部を目指して、そこを正面にしつつ、右寄りに直登していきました。豪雪が降った翌日はそもそも5合目まで到達するのに2時間ほどかかる道。焦らず登っていきます。

    8合目付近までは柔らかい雪質が続いていて、比較的登りやすかったです。それ以降の鞍部までの道は、凍り付いている場所もところどころあり、また斜度がいきなり急になるため、慎重に登ります。基本的なアイゼン及びピッケルの技術が必要になります。

    ・登頂

    山頂付近まで来ると、傾斜が緩やかになります。屋根まで埋もれている小屋の風景を楽しみながら進みました。
    そして、山頂に到着。ゆっくり進んだので、登山口から4時間かかりました。慣れている人だと3時間くらいで突くそうです。
    小さなお堂があるので、中に入って少し一休みできます。

    ・伊吹山の下山
    帰り道はガスが晴れました。見下ろすとかなりの高度感があります。特に鞍部から下降をする際には、雪を雪崩させたり滑らないように気を付けつつ、アイゼンとピッケルをしっかり効かせて降りることになりました。
    5合目まで下りてしまえば緩やかになります。少し一息ついてから最後まで下りました。

    冬の伊吹山の注意点

    実は私、伊吹の8合目あたりで、足を滑らせてしまって30mくらい背中で滑ってしまいました。このまま止まらないとどこかで気にぶつかるか崖から落ちるかと焦ったのですが、大の字になっていると何とか止まってくれました。

    • 初心者向けの注意点
    伊吹山における注意すべき点は、基本的には8合目より上の鞍部付近にあると考えています。また、悪天候や雪崩が起きそうな天候の場合などには、無理して突き進まないことも懸命な判断ではあるでしょう。

    伊吹山付近のおすすめの温泉

    伊吹山は昔、薬草栽培の場所として知られていました。
    その名残もあり、伊吹山を下りた場所に「伊吹薬草の里」と言う温泉があります。大人が600円。露天風呂もあります。
    登山客以外にも愛されるスーパー銭湯のような温泉なので、お風呂道具を買うこともできますよ。
    伊吹薬草の里HP

    まとめ

    伊吹山は、関西中部からも車でならアクセスが良く、冬山ならではの技術を使うこともできます。
    冬期アルプス縦走に向けてのトレーニングにも使われる山。
    けれど、しっかりとした装備があれば危なくありません。冬山初心者さんにもお勧めできる山なので、挑戦してみてくださいね。