「VARGO」「Esbit」「SoloStove」「Trangia」「EVERNEW」のアルコールバーナー5種類は大人気なものの、どの商品を選択するか迷いがち。
当記事では5社の大人気アルコールバーナーの火力・燃焼効率・重さ比較や、それぞれの特徴を紹介していきましょう。
そもそもアルコールストーブとは?
アルコールストーブは、燃料用アルコールを主な燃料として使用するストーブの総称。ガスタイプのストーブと違い、故障しにくく肌寒い季節でも安定して使用が可能な万能器具となっています。
機材も壊れにくく、ポケットに収まるような荷物として気にならないくらいの大きさはアルコールストーブの変え難いメリット。特にコーヒーやインスタント食品の作成を目的とした、最低限の荷物でお湯を沸かしたいときに最適なバーナーです。
燃料は薬局で入手できる
燃料用アルコールは薬局などで安価に購入可能なので、使用時のランニングコストも安価な点も魅力的。
五徳や風防が必要
弱点としてはガスストーブに比べると出力が弱い製品が多いため、ゴトクや風防の追加購入が必須な点が挙げられます。
火力調整はできない?
火力調節ができる火消し蓋がついていても、ほぼ火力の調整はできませんが、火消し蓋で酸素の調節を行うことで、無駄な燃料の消費を抑えることができ、火力調節できます。
アルコールストーブの選び方
アルコールストーブ選びの主な目安として重視したいのが、「火力・燃焼効率・重さ」の3項目。火力や燃焼効率は販売されている製品によって大きく異なるため、購入前にリサーチ不足だと購入後に後悔することも。
特に重さはアルコールストーブを構成している素材によって大きく変化するだけではなく、耐久度などにも直結します。
五徳や火消し蓋の有無
その他では「ゴトク」や「火消し蓋」が備わっているかにより、追加パーツの購入が必要なアイテムも存在。
アルコールストーブはゴトクが無ければ使用できないアイテムも多く、火力調整ができないため火消し蓋の有無は使用感を大きく左右します。
アルコールストーブ「真鍮」「チタン」の素材による違いは?
アルコールストーブの主な構成素材は「真鍮」と「チタン」の2種類に分かれます。
真鍮の特徴
「真鍮」は銅と亜鉛を混ぜ合わせた合金で、黄銅とも呼ばれており日本では古くから使用されている金属の一つ。
五円玉の構成素材として使用されており、主な特徴は炎により使い込むほど味わい深くなる素材感と安価な点が挙げられます。
ただし錆に弱い点や、チタンに比べると重量が重くなりがちといったデメリットも備わっている素材です。
チタンの特徴
一方「チタン」は非常に強度が高く、金属の中でも軽量で錆に強いといった優秀な構成素材となります。
ですが強度の高さ故に加工を行うためには高い技術が必要なり、非常に難易度の高い素材のため値段が高額になるデメリットも。
特にアルコールストーブでチタン素材を採用されているものは、一生物とも呼べる高い耐久度を誇るので長い目で見るとトクなアイテムでもあります。
アルコールストーブの選び方や素材事による特徴について解説したところで、大人気のアルコールストーブ5種について詳細を解説していきます。アルコールストーブの購入を検討している方は、是非購入前の検討材料として参考にしてみてください。
VARGO(バーゴ)トライアドマルチフューエルストーブ T-305
- 500ccの水を5分で沸騰させることが可能
- アルコール、固形燃料、燃料ジェルにそれぞれ対応
サビによる腐食は最上級の耐性を誇るチタン性のアイテムを専門とした、アメリカのアウトドアギアブランド「VARGO(バーゴ)」。
軽量で五徳と一体型
軽くて丈夫なチタンの材質を活かしたアイテムで、ゴトクの脚を折り畳むことができるので登山にも利用できる軽量さが自慢です。
また製品自体がゴトクとして機能しているため、本体とは別にゴトクの追加購入が必要ないのも大きなメリット。
固形燃料も使える
また上下を反対にすることで燃料の使い分けを行うことができ、「アルコール」「固形燃料」「燃料ジェル」など多数の燃料に対応しています。
数あるアルコールストーブの中でも、特に丈夫で軽い製品をお求めの方にピッタリの商品となっています。
Esbit(エスビット)アルコールバーナー
- 70mlで連続燃焼時間25分間
- 8分で500mlの水を沸騰させることが可能
- 火力調節が出来る火消し蓋が付属
元々ドイツ軍の軍事用として取り扱われていたポケットストーブが、世界中のキャンパーに支持されるアイテムとして人気を誇る「Esbit(エスビット) 」。
最も定番で人気の製品はポケットストーブとなりますが、アルコールストーブも高い人気を誇るキャンプギアです。
低価格でコスパが抜群
ポケットストーブと違い中国製ですが、アルコールバーナーの中でもコストパフォーマンスに優れる価格帯が魅力。
火力調節ができる火消し蓋つき
火消し蓋が付属されているため、火力調整が苦手なアルコールストーブでも自在に火力を操ることができます。
使い込むほど味わいがでる真鍮製
五円玉の素材と同じ真鍮を素材として作成されているため、使い込むほど味わい深くなる風貌も使用する楽しみの一つ。
EVERNEW(エバニュー)チタンアルコールストーブ EBY254
- 5分間で500mlのお湯を沸騰させることが可能
- 30mlで連続燃焼時間5分
元々は日本のスポーツ器具メーカーで、世界初のチタン製コッヘルを発明したことから高い人気を誇るアウトドアブランド「EVERNEW(エバニュー) 」。
アウトドアアイテムはチタン製の製品を中心に展開しており、アフターパーツとしてウッドストーブやゴトクと合体して使用可能です。
特に別売りのゴトクを使用しなければ、本体だけでは使える範囲が狭いためアウトドアで使用するには必需品。
高火力が魅力
火力は数あるアルコールストーブの中でも指折りの高出力で、風防を併用することにより効果を最大限発揮することができます。
軽量で耐久性があるチタン製
また頑丈な造りから一生物として使用できる耐久度も魅力で、チタン素材ならではの軽さと耐久性が最大限に発揮されるアイテム。
火力調整しやすい目盛り付き
燃料調整に最適な内部の30ml、60mlのメモリで使用時間の調整も楽々行えるのもEVERNEW(エバニュー) チタンアルコールストーブの魅力でしょう。
SoloStove(ソロストーブ)Solo Alcohol burner
- 6分間で600mlのお湯を沸騰させることが可能
- 火力調節が出来る火消し蓋が付属
二次燃焼を利用したウッドストーブが人気のアメリカ発端のアウトドアブランド「SoloStove(ソロストーブ)」が販売するアルコールストーブ。
経年劣化を楽しめる真鍮製
真鍮で作成されているため、炎による味わい深い経年劣化で使い込んでいくこともできるアイテムとなっています。他の真鍮製のアルコールストーブより光沢がある真鍮です。
ウッドストーブと相性抜群
ソロストーブの代表的アイテムであるウッドストーブを風防+ゴトクとして使用することも可能です。
すっぽりと収まるサイズ感からも収納性も抜群で、ウッドストーブの燃料が見つからない時の非常用としての常備にも最適。
火力調節ができる火消し蓋つき
火消し蓋も付属されているので、燃焼を止めることができない製品が多いアルコールストーブでも気軽に火を消せるのも嬉しいポイントでしょう。
trangia(トランギア)アルコールバーナー TRB25
- 連続燃焼時間25分(燃料タンク3/2)
- 10分間で400mlのお湯を沸騰させることが可能
- 火力調節が出来る火消し蓋が付属
スウェーデン初のアウトドアギアブランド「trangia(トランギア) 」が販売する、収納性と熱効率を最適化されたアルコールストーブ。
販売されて50年以上の歴史を誇るロングセラー商品で、スウェーデン製品特有の合理的で無駄のない設計が魅力となっています。
重量感がある真鍮製
また紹介した5種類のアルコールストーブの中では110gと最も重い重量ですが、それでも気にならない程度の重量感がある真鍮製。
料理や炊飯がしやすい火力
他社製のアルコールストーブに比べると火力が強すぎないため、炊事や炊飯も焦げずに利用できるのも嬉しいポイントです。
アルコールストーブ5種の比較【重さ】
アルコールストーブを登山やソロキャンプで使用する際に気になるのは重さ、コンパクトで持ち運びにも便利な人気のアルコールストーブ5種の重さを比較します。
VARGO(バーゴ)アルコールストーブ
31gで5種の中で最も軽いです。
使用時は五徳が付属してるので、風防だけで使用できます。
EVERNEW(エバニュー)チタンアルコールストーブ
35gで、高火力でこの軽さ、さすがチタン製です。
SoloStove(ソロストーブ)アルコールストーブ
89gで、比較した真鍮製の中では最も軽いです。
Esbit(エスビット)アルコールストーブ
108gで、しっかりとした作りの真鍮製。
trangia(トランギア)アルコールストーブ
114gで、比較した中で最も重いですが、しっかりとした作りで、耐久性にも定評があります。
アルコールストーブの重さ比較表
重さ | |
VARGO | 31g |
EVERNEW | 53g |
SoloStove | 88g |
Esbit | 108g |
trangia | 114g |
アルコールストーブ5種の火力比較!燃焼効率が良いのは?
アルコールストーブ5種の火力比較です。公式で記載されてる情報では、燃料や水の量に違いがあるので、条件を統一して、炎が安定する本燃焼までにかかる時間も一緒に比較して、燃焼効率を検証してみました。
燃料の量と検証条件
燃料の量は、バーゴのアルコールストーブは他社のものと構造に違いがあり、アルコールをたっぷり入れた状態でないと、本燃焼しにくいので、公正をきたす為タンク容量MAXに近い燃料の量にしてます。
<検証条件>
- 五徳はセリアのクッカースタンドで統一
- 燃料の量は40ml
- 外気温26度で無風
比較ポイントは300mlの水を95度まで沸かす時間を検証しました。
EVERNEW(エバニュー)チタンアルコールストーブ
300mlを沸かす時間は5分24秒で、本燃焼にかかった時間は50秒。
比較した中でも、沸騰までにかかる時間や本燃焼にかかった時間が、圧倒的に早かったです。
Esbit(エスビット)アルコールストーブ
300mlを沸かす時間は7分13秒で、本燃焼にかかった時間は1分45秒。
炎が安定するまでの時間が、他と比較して気になる所ですが、沸騰までの時間は早かったです。
SoloStove(ソロストーブ)アルコールストーブ
300mlを沸かす時間は7分35秒で、本燃焼にかかった時間は1分20秒。
trangia(トランギア)アルコールストーブ
300mlを沸かす時間は7分38秒で、本燃焼にかかった時間は50秒。
沸騰させるまで時間は4位ですが、本燃焼までの時間が早く、安定した火力でした。
VARGO(バーゴ)アルコールストーブ
300mlを沸かす時間は8分5秒で、本燃焼にかかった時間は2分30秒。
構造上、本燃焼まで時間がかかりますが、沸騰までの時間はそこまで大きくない結果となりました。
火力比較でのアルコールストーブの燃焼効率
沸騰までの時間 | 本燃焼までの時間 | |
EVERNEW | 5分24秒 | 50秒 |
Esbit | 7分13秒 | 1分45秒 |
SoloStove | 7分35秒 | 1分20秒 |
trangia | 7分38秒 | 50秒 |
VARGO | 8分5秒 | 2分30秒 |
アルコールストーブ5種の燃焼時間比較!燃焼効率が良いのは?
アルコールストーブ5種の燃焼時間の比較です。こちらも燃料の量は40mlで、燃焼効率を検証してみました。
<検証条件>
- 燃料の量は40ml
- 外気温26度で無風
※炎が揺れてることもありますが、室内で検証した為、無風状態としてます。また、真鍮製のアルコールストーブの特徴として、燃料の量が少なくなると、火力が一気に落ちてしまうので、その時点で検証時間の終了としています。
VARGO(バーゴ)アルコールストーブ
最も長く燃焼し続けたのはVARGO(バーゴ)アルコールストーブで、燃焼時間は20分25秒。
青の炎でアルコールと酸素のバランスがいいので、燃焼効率がよく、燃料終了とともにボッと消えるのが特徴です。
Esbit(エスビット)アルコールストーブ
燃焼時間は16分10秒で、真鍮製のアルコールストーブの中では、最も長く燃焼しました。
若干赤の炎が気になりますが、燃料の量が少なくなると、火力が弱くなりゆらゆらした炎が徐々に消えていくのが特徴です。
SoloStove(ソロストーブ)アルコールストーブ
燃焼時間は14分50秒で、火力比較と共に平均的な順位で、安定した火力と燃焼時間という結果でした。
trangia(トランギア)アルコールストーブ
燃焼時間は13分30秒ですが、一番炎の美しさを感じました。
終始安定した火力が特徴的です。
EVERNEW(エバニュー)チタンアルコールストーブ
燃焼時間は10分33秒。
他のアルコールストーブに比べると、圧倒的に燃焼時間は短い結果となりましたが、その分火力が強く、燃焼効率で考えると難しい判定です。
燃焼時間でのアルコールストーブの燃焼効率
燃焼時間 | |
VARGO | 20分25秒 |
Esbit | 16分10秒 |
SoloStove | 14分50秒 |
trangia | 13分30秒 |
EVERNEW | 10分33秒 |
真鍮製3種のタンクの内蓋を比較
今回比較して気づいた点ですが、内蓋の開け閉めのしやすさが、trangia(トランギア) アルコールストーブが他の2種と比較して断然使いやすいです。
trangia(トランギア)はスムーズに回せるのに対し、SoloStove(ソロストーブ)とEsbit(エスビット) の内蓋は、多少引っ掛かりを感じます。細かいところですが、使い勝手に関して影響するポイントなので、参考までに別枠の比較ポイントです。
大人気アルコールバーナー5種比較のまとめ
最後に大人気アルコールストーブの比較について、まとめていきましょう。
- アルコールストーブ購入の比較材料は、主に値段やゴトクや火消し蓋の付属を参考すると良い
- アルコールストーブを構成する素材は主に安価な「真鍮」と、軽量さと耐久度が魅力の「チタン」
- 火力が強いのはEVERNEW、燃焼時間が長いのはVARGO
アルコールストーブの購入を検討している方は、参考としてお役立て頂けたでしょうか。
ガスストーブよりも燃料が経済的で、気温が低い時にも安定して使用可能に加え本体が軽量なアルコールストーブ。キャンプツーリングや登山など積載量が限られる場面で、お湯を沸かすのみなどの使用用途に最適なアイテムとなっています。
そんなアルコールストーブの導入を検討している方は、是非大人気メーカー5種類から選択を行ってみては如何でしょうか?