アルコールストーブ

アルコールストーブの仕組みや構造は?燃焼の原理や素材による違いを解説!

その使いやすさから登山やキャンプなど、アウトドア全般で使われることの多いアルコールストーブ。大自然の中で静かに青い炎を立てて燃える姿はなんとも幻想的ですよね。

そんなアルコールストーブの仕組みや構造は、実はとってもシンプルなのです。そのためアルミ缶などを使って自作する人もいるくらいです。ここでは、そんなアルコールストーブの仕組みと構造、さらに燃焼の原理についてお話致します。

ガスバーナーとアルコールストーブで迷っている人もこれを知ることでアルコールストーブの新たな魅力に気付くかもしれませんね。

アルコールストーブとは

アルコールストーブとは、アルコールを燃料とした携帯用コンロのことで、アルコールバーナーとも呼ばれています。軽くコンパクトで壊れづらく、燃料のアルコールは薬局でも買えるという手軽さからアウトドア全般で愛用している人も多いようです。

アルコールストーブと同じ目的で使用するものとして、ガスバーナーなどもありますが、どちらもアウトドアに適した優れものです。当然どちらにもメリットとデメリットはありますが、アルコールストーブは軽量でコンパクト、そして自然の中で雰囲気を壊さない静かな炎が魅力と言えるでしょう。

またシンプルな仕組みのおかげで壊れづらく、簡単に点火できるという事から、災害時にも活躍してくれます。

アルコールストーブの構造の種類

アルコールストーブの魅力が分かったところで、仕組みや構造、燃焼の原理についてお話します。まず、アルコールストーブには2種類あることを覚えておきましょう。それは、「非加圧式」と「加圧式」です。

アルコールストーブの構造はとてもシンプルです。予熱で燃料を気化させることで燃焼するという基本的な仕組みは、どちらの種類でも変わりません。しかし、種類によって構造も燃焼の仕組みも若干違ってくるので覚えておきましょう。

アルコールストーブ非加圧式の構造

非加圧式の構造は、燃料であるアルコールを大きく開いた上部から直接注ぎます。そして、このタイプの一番大きな特徴は壁が2重構造になっていることです。

内側の筒内はアルコールを安定的に燃焼させるための言わば「余熱室」です。一般的には開口部の周りに火が出るための穴がいくつも開いていて、気化したアルコールが燃焼し、ストーブ中央からも火が発生する構造となっています。

このタイプのアルコールストーブは風の影響を受けやすいので、燃料消費を考えると、非効率的と言われています。

アルコールストーブ非加圧式の燃焼の仕組み

次に非加圧式の燃焼の仕組みですが、これは4ステップに分かれます。

① アルコールを中央の主室に注ぎ点火する。するとまずは中央部で燃焼が始まります。

② 火が徐々に強くなっていくとアルコールとストーブの内部が加熱されていきます。そして加熱されたアルコールが順々に気化していきます。

③ 十分に加熱されると、今度は蒸気圧によってストーブ内部の圧力が高まります。すると気化したアルコールは逃げ場所を求めてストーブの本体に開いている穴から噴出し始めます。

④ こうしてストーブ本体の穴から噴出したアルコールの気体に火がついて、炎がより大きくなります。
非加圧式のアルコールストーブは①~④の仕組みで燃焼させます。よく知るととてもシンプルで原始的な仕組みであることが分かりますね。

アルコールストーブ加圧式の構造

加圧式が非加圧式と最も分かりやすく違うのは、壁が2重構造でないという事です。まず加圧式は上部が密閉されています。そこに、燃料を注入するための小さな穴が開いていて、そこに燃料となるアルコールを注射器やスポイトのようなものを使い注いでいきます。注ぎ終わったら、その穴をネジや硬貨などで塞いで密閉します。

ちなみに加圧式アルコールストーブは受け皿のようなものに乗せて使います。加圧式には単室構造で上部が開いているタイプもあります。このタイプの場合はコッフェルなどを上に乗せ、直接ストーブの上部を塞ぎ、サイドにある穴から炎が噴出する構造になっていますが、受け皿に乗せて使用するという構造自体は同じです。

アルコールストーブ加圧式の燃焼の仕組み

では、加圧式の燃焼はどのような仕組みになっているのでしょうか。こちらも非加圧式と同じように4ステップで説明します。

① まずは燃料のアルコールを注ぎます。注ぐ場所はストーブの内部と受け皿の2ヶ所。受け皿のアルコールにだけ火をつけ、その熱でストーブと内部のアルコールに予め余熱を送ります。

② ストーブ本体と内部のアルコールに余熱を送ると次第に内部のアルコールが気化していきます。

③ 気化したアルコールが内部に溜まると徐々に内圧が高まり、ストーブに開けられている穴から気化したアルコールが噴出していきます。

④ 受け皿のアルコールにつけた火がストーブの穴から噴出された気化アルコールに燃え移ると、継続的に燃焼します。

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アルコールストーブの素材による違い

アルコールストーブの仕組みや構造、燃焼の原理はお分かり頂けたと思います。しかし、実際にアルコールストーブを選ぼうとすると、基本的な構造はどれも同じにも関わらず、値段にはけっこうばらつきがあるのがわかると思います。これはアルコールストーブに使われている素材による違いが大きいです。

素材によって強度や加工性など特徴が違ってくるので、当然値段にもばらつきが出てきます。アルコールストーブの素材で、よく使われているのは3つ。それが真鍮、チタン、アルミです。

構造や燃焼の原理と一緒に、素材による特徴も知ることで、実際に選ぶ際の目安となるのでせっかくなら覚えておきましょう。

真鍮の特徴

真鍮の特徴はなんと言っても強度です。他の素材より若干重いですが、その分強度では負けません。そして真鍮は、サビやすい事も特徴の1つです。真鍮のアルコールストーブを好んで使う人の多くは、新品の光沢のある金色から、使い込むうちにサビてきて、渋さが出てくるのが真鍮の良い点だといいます。ちなみに身近なものだと五円玉に使われているのが真鍮です。

チタンの特徴

チタンの特徴は他と比べて高価です。これは原料が希少な事と、加工が難しくそれなりに技術が必要とされるのが理由です。

しかしその性能は抜群で、軽量性、堅牢性、耐腐食性では他の素材に負けることはありません。「値段は気にしないから、とにかく軽くて強いものを」、と考えるのならチタン製のアルコールストーブはおすすめです。

アルミの特徴

アルミの特徴は万能といったところでしょうか。軽量金属の代表とも言えるアルミは、加工もしやすく、しかも安価です。
アルコールストーブを自作する人もいますが、そういった人のほとんどは、加工のしやすさと素材が手に入りやすいという事から、アルミ缶を使ってアルコールストーブを作っています。

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アルコールストーブの仕組みや構造と燃焼の原理のまとめ

しずかで軽く、コンパクトなアルコールストーブは壊れにくいこともあり、アウトドアのアイテムとして重宝されています。

「非加圧式」と「加圧式」で若干の構造的違いや、燃焼の原理は違いますが、大まかなシンプルで原始的な仕組みは変わりありません。

大自然の中で、青い炎を静かに立てるアルコールストーブの火は、都会の喧騒を離れ、たまにはゆっくりとした時間を過ごすのにピッタリです。また構造や仕組みを知っておくと簡単に自作できることもあって災害時にはとても重宝します。
そんなアルコールストーブの構造や燃焼の原理を知っておくことは、いざという時にも役に立つことでしょう。

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