シングルバーナーはキャンプや登山での食事や水分補給時に大活躍するアウトドアアイテムの中でも必携品のうちの1つです。その種類は豊富にあり、どんなものを買ったらいいのか悩んでいる方もいるかもしれません。
そんなシングルバーナーだからこそ、長く使っていくにもしっかりとした知識を持って購入を検討したいものです。使い方はとてもシンプルなアイテムですが、間違った使い方で大きな事故につながることもあります。初心者の方はもちろん、熟練者の方でも思わぬ事故を起こすケースもあるのです。
今回はシングルバーナーの正しい使い方や種類の選び方等、これから購入を検討している初心者の方や、持ってはいるけど自己流の使い方で、もしかしたら間違った使い方をしているかもしれないといった皆さんに情報をまとめてお伝えをしていきます!
シングルバーナーの正しい使い方と注意点
シングルバーナーはアウトドアギアの中では火を使うという点で、最も危険性が高いアイテムだと言えます。まずは購入したアイテムの説明書を熟読して適切な使用方法をマスターしましょう。
使い方と注意点①燃料の付着による火傷に注意!
自己流の使い方では爆発させてしまう危険を高める上に、液漏れした燃料が手について火傷することもあります。もし登山やキャンプで大火傷を負ってしまったら、山中での治療は難しく、注意しなければなりません。
また、登山では燃料は可能な限り、少なめの燃料を持っていくと荷物が軽くなり、かさばらないので適量の燃料を把握しておきます。
使い方と注意点②しっかりとした安定性を重視!
実際に使用する際、シングルバーナーの安定性は欠かせません。ガスカートリッジに直結するタイプの一体型は重心が上になってクッカーがひっくり返ってしまう原因になります。
まず地面を平らにならしたり、ガスカートリッジの下につける安定性を高めるホルダー、トレーなどのアイテムを持っていくと安心です。
使い方と注意点③点火装置は必須?!
ガスカートリッジ式の多くには点火装置が付属しています。ボタンを押すだけで電気の火花が発生して、点火できるので、便利ですね。しかしこの装置。気圧が低かったり、低温時は点火しにくいという弱点があります。
点火装置はあくまでも予備として認識し、ライターを持っていかなければなりません。その際電子式のライターでは同じく着火しないという不備もあるので、マッチや発火石で着火するタイプのライターならば安心できます。
使い方と注意点④風防を用意する!
バーナーに直接ついている風防に加えて、別にスクリーンタイプの風防を使うとバーナーの燃焼率が大きく高まり、燃料の節約になります。風下を広げて、バーナーと接触しないようにしっかりと固定し、大きく周りを囲むようにしましょう。
シングルバーナーの中には、大きな風防がついているものもありますが、かさばるのが難点。そして軽量化を重視しているものについては風防を省略しているものも多く、強風下で使用すると燃費が一気に落ちます。アイテムを上手く取り入れて、効率よく使用していきましょう。
使い方と注意点⑤ガスカートリッジの冷却現象
ガスカートリッジは使用時間が長くなるほどガスが気化する際に熱を奪う「気化熱」の効果でカートリッジ自身が冷却します。それによってガスの気化の効率が落ちてしまい、火力が下がってしまいます。その為、冷却防止にカートリッジを覆うジャケットを使用することをおすすめします。特に3000m級などの高山の登山や冬キャンプでは、周囲の温度も低く、顕著にその効果が現れてきます。
使い方と注意点⑥輻射熱による爆発事故に注意!
<輻射熱による爆発事故>
まず主に登山やキャンプで使用するシングルバーナーで思い浮かぶのが、バーナー本体をOD缶やCB缶に直接セットして使用する一体型と呼ばれるタイプ。このタイプは上に置いたクッカーからの輻射熱と呼ばれる高温の固体から直接低温の固体に熱が伝わる現象が起きて、直接ガスカートリッジに熱が当たります。
その為、一体型だとガスカートリッジが輻射熱で熱せられ、爆発する恐れがあります。以下の注意点を必ず守り、爆発事故の起きないよう注意してください。
- 炭火や焚き火などの火起こしに使用しない
- 焼き網等、底の幅が広いものを上に乗せて使用しない
- 鉄板等の幅の広いものの下に2台以上のバーナーを並べて使用しない
- バーナー全体を覆うように風防を使用しない
<調理以外でも高温になる場所は厳禁!>
アウトドアシーズンの真只中の夏に特に注意しなければならないのが、高温になる車内や砂浜等、太陽の光が直接当たる場所に長時間ガスカートリッジを放置することです。
同じようにカートリッジが高温になり、爆発の危険があるので、そのような場所には決して置きっぱなしにしないよう、注意してください。
シングルバーナーの分離型と一体型の選び方と特徴
シングルバーナーには前述したガスカートリッジの上に直接設置して使用する一体型とガスカートリッジとバーナーヘッドが離れている分離型があります。それぞれにメリット・デメリット、適した使用場所や選び方があるので、ご説明していきます。
一体型シングルバーナーのメリット
- コンパクトに設計されているものが多く、軽量で使い勝手がとても良い
- クッカーの内部にスタッキングしやすい
- 設計がシンプルで壊れにくい
- 比較的燃費がいい
一体型シングルバーナーのデメリット
- 輻射熱が直接カートリッジに当たってしまい、事故の危険性がある
- OD缶の場合、重心が高い位置になってしまうため、安定性にかける
一体型シングルバーナーのメリット
- 燃料とバーナー本体が分けられている為、ゴトク部分が低い位置におけるので安定性が高い
- 傾斜があるところでも、石などを使って調整し、使用することができる
- 上にクッカー等も重く、大きな物を使うことができる
- 燃焼部とガスカートリッジを近づけなくて済むので、輻射熱を気にせず、火力を大きくできる
- 調理時間を短縮できる
分離型シングルバーナーのデメリット
- 一体型と比べてバーナー部分が大きくかさばる
- 重量がある
- 火力を大きく出せる分、燃費が悪い
メリット・デメリットを踏まえて、自分がどんな場所に登山、キャンプに行くのか加味した上で、シングルバーナーを選ぶことをお勧めします。
シングルバーで使うOD缶とCB缶の違いって何?
アウトドアで使用するガス缶には2種類あり、「OD缶」と「CB缶」があります。アウトドアでの使用を目的としていて、屋外での使用でも出力が安定しやすいことが特徴の「OD缶」、そしてアウトドアレジャーをしないという人にも馴染みの深いカセットコンロで使用するタイプの「CB缶」の2種類です。
それぞれにメリット・デメリットがあるので、しっかり調べた上でどちらのタイプを使用するシングルバーナーを選ぶか検討してください。詳しくOD缶とCB缶の違いをまとめた記事はこちら
シングルバーナーの正しい使い方と注意点のまとめ
以上、シングルバーナーの正しい使い方と注意点まとめ!と題して情報をまとめてみました。
以下におさらいすると、
- シングルバーナーはそれぞれの説明書をよく読み、使用方法をしっかり把握して使用する
- 輻射熱に注意
- 分離型と一体型がある。それぞれのメリット・デメリットを十分把握して使用を検討する
- 燃料には「OD缶」と「CB缶」がある。それぞれのメリット・デメリットの把握をする
となります。
アウトドアレジャーの心強い味方である、シングルバーナー。適切に使用することで、登山やキャンプのシーンで大活躍してくれて、楽しい食事や、お茶の一服のひと時を与えてくれます。安全にくれぐれも事故のないように、キャンプや登山初心者の皆さんのアウトドアライフが充実したものになることを願っています。
ご拝読ありがとうございました。