キャンプで使うコーヒー器具を選んでいると「パーコレーター」という抽出器具を見かけます。アウトドアコーヒー初心者の方からすると難しそうな名前がついていて、つい避けてしまいませんか?ですがこのパーコレーター、コツさえつかめば好みの味に調節できる優れもので、さらにドリップ用のケトルやフィルターが不要なんです!
今回は難しそうなパーコレーターの使い方をはじめ、気になる疑問を解説していきます。これを読めばキャンプでパーコレーターを使って美味しいコーヒーが淹れられますよ。
キャンプにおすすめの直火で使えるパーコレーター
それではさっそく、初心者でも扱いやすいキャンプにおすすめの直火で使えるパーコレーターを紹介します。手頃に購入できるものも多いので、パーコレーターデビューの参考にしてくださいね。
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ) コーヒー ポット パーコレーター
サイズ | 幅17 ×奥行き10.5 ×高さ14.5cm |
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重量 | 約390g |
容量 | 約900ml(適正容量:340~540ml) |
3カップ入れられる十分な容量がありながらサイズもコンパクトで重量も390gと軽量なので、キャンプにぴったりなパーコレーターです。強度の高い18-8ステンレスを使っているので耐久性も高く、耐食性にも優れているのでお手入れがしやすいです。
COLETTI(コレッティ)Bozeman コーヒーパーコレーター
サイズ | 幅20.3 ×奥行き12.2 ×高さ19.1cm |
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重量 | 約907g |
容量 | 9カップ分 |
9カップ対応のBozemanは本体の取っ手部分にローズウッドが使われているので、加熱時に取っ手が熱くなるのを防いでくれますよ。本体には5,7、9カップ分の目盛りがあるので水の量も分かりやすいです。さりげなく木があしらわれたぬくもり感じる、クラシカルな外観がおしゃれなパーコレーターです。
snow peak(スノーピーク) ステンレス パーコレーター
サイズ | φ11.5 ×高さ14.5cm |
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重量 | 約820g |
容量 | 約900ml |
キャンプでも使いやすいやすいよう耐久性、耐食性の高い素材を使っています。ハンドルは折り畳み式で収納がしやすくなっていますが、形は握りやすいよう設計されているのでコーヒーが注ぎやすいのも特徴です。6カップ入れられるのでグループキャンプでも活躍しますね。持ち運びに便利な収納袋も付属しています。
Coleman(コールマン) ステンレスパーコレーターIII
サイズ | φ12 ×幅23 ×高さ17cm |
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重量 | 約630g |
容量 | 約1,300ml |
本体と粉を入れるストレーナー部分にステンレスを採用し、丈夫でお手入れがしやすいのが魅力です。シンプルかつスタンダードなデザインとなっているので飽きがこず、どんなサイトカラーにもマッチしますよ。取っ手には天然木が使われているので加熱後に火傷の心配がいりません。
PETROMAX(ペトロマックス) パーコレーター
サイズ | 幅20.5 ×奥行き21 ×高さ15cm |
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重量 | 約930g |
容量 | 約2,100ml |
灯油ランタンが有名なペトロマックスのパーコレーターは素材に高品質なステンレスが使われていて、焚き火で使用するなどキャンプらしいワイルドな使い方をしても安心の耐久性があります。容量が2.1Lで14カップ分のコーヒーが淹れられるほどの大きさがあるので、大人数のキャンプにおすすめです。
南海通商 コーヒーパーコレーター
サイズ | 幅16 ×奥行き9.5 ×高さ14.5cm |
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重量 | 約395g |
容量 | 約500ml |
少量のコーヒーを入れたい時に便利な、容量500mlのパーコレーターです。サイズもコンパクトで持って行きやすく、取っ手には木が使われているので使いやすくなっていますよ。ソロキャンプでちょうどいい大きさのものを探している方におすすめです。
本間製作所 仔犬印 パーコレーター
サイズ | φ11.9×高さ18.6cm |
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重量 | 約870g |
容量 | 約1,310ml(適正容量:960ml) |
磨きあがったステンレスの美しい輝きが印象的な子犬印のパーコレーターは、アウトドアブランドではないものの燕市で作られた品質の高さが魅力です。耐久性は高く、取っ手の形状は持ちやすく注ぎやすいように設計されているので、使い心地の良さに驚きますよ。
Petromax(ペトロマックス)ニューパーコマックス
サイズ | 幅21.5×奥行き15 ×高さ15cm |
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重量 | 約1kg |
容量 | 約1,500ml |
見た目がカッコよく家で使ってもインテリアに溶け込むような、デザイン性の高いホーロー製のパーコレーターです。本体はホーローですが、内部のバスケットはステンレス製で耐久性が高くなっているので、傷もつきにくく衛生面も安心して使えますよ。
GSI コーヒーパーコレーター ホーロー
サイズ | φ14.8 ×高さ23cm |
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重量 | 約576g |
容量 | 約1,200ml |
GSIのパーコレーターはステンレス製とは違った美しい質感が魅力的です。素材に使われているホーローは耐久性も高いのでキャンプなどのアウトドアでも問題なく使えますよ。コーヒーや紅茶の茶葉による渋が付着しづらく、お手入れも簡単にできるので清潔な状態をキープできるのもポイントです。
STANLEY(スタンレー)クールグリップキャンプパーコレーター
サイズ | 幅20.6 ×奥行き11.7 ×高さ21.6cm |
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重量 | – |
容量 | 約1,000ml |
シンプルでスタイリッシュなデザインが特徴のスタンレーのパーコレーターは、縦長状でケトルやティーポットとしても活躍します。取っ手にはシリコン製のカバーが付いているので加熱による熱が伝わりにくく、火傷の心配もありません。焚き火などで使う場合には取り外しもでき、おしゃれで機能面も考えられたパーコレーターをお探しの方におすすめです。
パーコレーターとは?
パーコレーターとはフランス発祥の水と挽いた豆を入れて直接火にかけて使う循環式のコーヒー抽出器具です。パーコレーターで淹れたコーヒーは高温で抽出されるので、比較的濃い目の味わいが楽しめるのも特徴になります。
通常、コーヒーを淹れるとなるとドリッパーにフィルターをセットして、さらにドリップ用ケトルで円を描くように抽出しますが、パーコレーターはこの1つでコーヒーを淹れることができ、器具を1つ1つ揃える必要がありません。荷物の削減にもなりますし、「バスケット」と呼ばれるろ過器を外せば普通のケトルとしても使える汎用性の高さで、キャンパーに人気のコーヒー器具となります。
仕組みは?
パーコレーターの仕組みは一見複雑そうですが実は非常にシンプルで、火にかけたことで発生した蒸気が中心部のパイプを通り上部に噴射され、挽いた豆にこの蒸気がかかることでコーヒーが抽出されます。沸騰したお湯が循環することで時間が経つほどに味の濃いコーヒーが抽出されていく仕組みとなっていますよ。
常に高温のお湯が循環される仕組みにより、熱々のコーヒーを一度にたくさん淹れることが可能となっています。
紅茶や緑茶でも使える
パーコレーターはコーヒーを淹れる以外にも、バスケット部分に紅茶や緑茶の茶葉を入れて使うことができます。ティーパックや急須のようにお湯にずっと茶葉が浸かっているわけではないの、濃く抽出されすぎず、飲みやすい紅茶や緑茶が淹れられますよ。極端に細かくなければ茶葉が下に落ちる心配もありません。
バスケット部分を外してティーパックを入れれば、ティーポットのように使えるのも便利なポイントです。
キャンプには直火のパーコレーターがおすすめ
パーコレーターには電気式と直火式がありますが、キャンプには直火可能なものがおすすめです。電源の有無に左右されず好きな場所、ロケーションで淹れられますし、火にかけて自分の好みで濃さの調整する感覚は直火ならではです。無骨で頑丈な見た目もキャンプサイトにマッチしますよ。
慣れるまでは難しいかもしれませんが、火力などを確認しながら好みの濃さやタイミングを探ったりするのもまた、キャンプでコーヒーを飲む楽しみにつながりますね。
パーコレーターの使い方
- 本体に水をセットしてお湯を沸かす
- バスケットにコーヒー粉をセットする
- 火にかけ、抽出されるコーヒーが好みの色になったら火を止める
- 粉が沈むのを待って完成
ここからはパーコレーターを使ってのコーヒーの淹れ方を紹介します。難しいことはありませんので、コツと一緒に紹介しますね。
本体に水をセットしてお湯を沸かす
まずは本体に内蔵されているコーヒー粉をセットするバスケットを取り出し、本体には水を入れて火にかけます。
バスケットにコーヒー粉をセットする
お湯を沸かしている間にコーヒー豆の準備をして、バスケットに粉を入れおきます。前述しましたがコーヒー豆はバスケットの穴からコーヒー粉が落ちて、口当たりが粉っぽくなってしまうのを防ぐため、粗挽きがおすすめです。また、通常は1杯分のコーヒーを淹れるのにコーヒー豆は10g程がおすすめですが、パーコレーターで淹れたコーヒーは薄くなりがちなので少し多めの16g程度を挽いて入れるのがおすすめです。
火にかけ、抽出されるコーヒーが好みの色になったら火を止める
水が沸騰したら一度火を止め、粉を入れたバスケットを本体にセットして蓋をします。
再度弱火にかけて2~4分程すると、本体の透明なつまみを見ると沸々とあがってくるコーヒーを確認できます。時間が経つごとにどんどんコーヒーの色が濃くなってくるので、好みの色の濃さになったら火を止めましょう。少し目を離すとあっという間に濃くなってしまい苦みや渋みが出てしまうので、この間は目を離さないようにしてくださいね。
粉が沈むのを待って完成
淹れたてのコーヒーをすぐに味わいたいところですが、火を止めてすぐはコーヒーの粉が中で舞っているので少し待ちます。中を見て、コーヒーの粉が舞っていなければゆっくりカップに注いで完成です。
パーコレーターで淹れたコーヒーはドリップと比べてまずい?
初めてパーコレーターでコーヒーを淹れてみると「まずい」と感じる方もいるかもしれません。美味しい、まずいの感覚は人それぞれになりますが、原因として2つ考えられます。
コーヒーの味が薄い
パーコレーターは上部にセットしたコーヒー粉に熱された蒸気がかかり抽出される仕組みですが、コーヒー粉にかかった蒸気が下に落ちてくるまでの時間(蒸気がコーヒーと接している時間)が短いため、コーヒーの味が薄く出やすくなります。
アメリカンコーヒーなど薄味のコーヒーが好みの方は良いのですが、濃い目のコーヒーが好きな方にとっては薄味なのが気になってしまうかもしれません。
コーヒー粉が混ざりやすい
バスケットには抽出のための穴が空いていますが、コーヒー粉が細かいとこの穴から粉が落ちてしまい、抽出されたコーヒーに混ざってしまいます。そのまま飲むと粉っぽさが口に残るため、結果「まずい」という感想につながる可能性が高いです。
淹れたコーヒーはすぐに飲むのではなく、少し待ってコーヒー粉が下に沈んでからゆっくりカップに注ぐと粉っぽさが軽減しますよ。また、粗挽きで挽いたはずなのに粉落ちが酷い場合には、挽いた際の微粉が原因となるので挽き方の工夫が必要です。
あくまで個人の意見になってしまいますが、筆者もドリップとパーコレーター両方でコーヒーを入れますが、「まずい」と感じたことはありません。淹れ方が違う分、当然味も変わってきますし、それもコーヒーの奥深さ・楽しさかと思っています。
ミルを使っての上手なコーヒー豆の挽き方は別記事で紹介しているので、ぜひそちらの記事も参考にしてくださいね。
パーコレーターの容量の目安は?
パーコレーターのメリットとして一度にたくさんのコーヒーが淹れられることが挙げられますが、コーヒー粉に対して水の量が多すぎると火にかけた時に循環が上手くいかなかったり、パーコレーターは容量の大きいもので少ないコーヒーを淹れることが構造上難しいので、入れたいカップ数に合った容量を選ぶのがおすすめです。
多くのパーコレーターは1杯分のコーヒーを淹れる時に必要な水の量を160ml前後としていますが、濃さの好みや使うカップの容量によって調整して選ぶようにしましょう。心配な方はパーコレーターの本体に目盛りや杯数が記載されているものを選ぶと安心です。
また、パーコレーターの容量に関して商品情報に記載されている容量は、中のバスケットを外しケトルとして満水入れた状態での容量となっているものがほとんどです。ですので、淹れたいコーヒーの容量ギリギリのものを選ばないようにしてくださいね。
今回紹介したおすすめのパーコレーター比較表
ブランド | CAPTAIN STAG |
COLETTI | snow peak | Coleman | PETROMAX | 南海通商 | 本間製作所 | PETROMAX | GSI | Stanley | 商品 |
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サイズ | 17×10.5×14.5cm | 20.3×12.2×19.1cm | φ11.5 ×14.5cm | φ12×23×17cm | 20.5×21×15cm | 16×9.5×14.5cm | φ11.9×18.6cm | 21.5×15×15cm | φ14.8×23cm | 20.6×11.7×21.6cm |
重量 | 約390g | 約907g | 約820g | 約630g | 約930g | 約395g | 約870g | 約1000g | 約576g | – |
容量 | 約900ml | 9カップ分 | 約900ml | 約1,300ml | 約2,100ml | 約500ml | 約1,310ml | 約1,500ml | 約1,200ml | 約1,000ml |
amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | |
参考価格 | ¥3,400 | ¥4,700 | ¥8,272 | ¥7,480 | ¥13,016 | ¥3,740 | ¥5,600 | ¥11,912 | ¥5,280 | ¥9,237 |
※価格は2022年4月現在
まとめ
いかがでしたか。ハンドドリップ以外のコーヒーの淹れ方は難しく感じてしまいますが、パーコレーターはとてもシンプルな構造、仕組みをしているので使ったことがない方はぜひ、チャレンジしてみてください!
「美味しくない」などの意見もありますが、淹れ方が変われば味に違いが出るのは当たり前のこと。それもまたキャンプでコーヒーを淹れる醍醐味でもあり、奥深さでもありますよ。この記事がアウトドアコーヒーの世界を広げるきっかけになれば嬉しいです。