”アウトドアコーヒー”という言葉が広くキャンパーの間で広がるほど、キャンプとコーヒーは切っても切れない関係です。とはいえ、コーヒーグッズを一式揃えようとするとかさばりそうで、コンパクトで軽量なものを探し求めている人、そもそもキャンプでコーヒーを淹れることにハードルを感じている人も多いはず。
そこで今回は、コーヒーグッズの中でも豆を挽くのに絶対に欠かせないコーヒーミルを紹介します!選び方のポイントなども解説しますので、参考にしてくださいね。
コーヒーミルは手動式がキャンプにおすすめ
コーヒーミルというとどんな形を思い浮かべますか?家やお店で使うような立派な電動式ミルもありますが、キャンプで使うなら手動式がおすすめです。
その理由はいくつかありますが、まずは手動式は電動式よりもコンパクトで軽量なことが大きいです。ハンドル部分が分解できてコンパクトになるものが多いので、コンテナやバックパックの隙間に収納することができ、電源がいらずで、いつでも好きなところで使えるというのもキャンプにはぴったりです。
そもそも豆を挽いて持って行けばミルそのものが不要となりますが、コーヒー豆は焙煎直後から参加により風味は劣化していて、挽いてしまうとさらにその劣化は進みます。キャンプで美味しいコーヒーを飲むためには、コーヒー豆は現地で飲む直前に挽いてくださいね。
キャンプで使うコーヒーミルの選び方
最近はキャンプで使いやすいコーヒーミルがたくさん販売されていますが、ありすぎてデザイン以外にどのような違いがあって、自分にとって使いやすいコーヒーミルがどれなのか悩んでしまいます。そこで、ここではコーヒーミルの選び方を解説します。
軽量・コンパクト
コーヒーミルに限らず、キャンプで持って行くとしたら軽量でコンパクトなものがおすすめです。シンプルなデザイン、構造であればあるほどコンパクトで軽量になるものが多いです。
刃の素材
アウトドアで使用するコーヒーミルの刃の素材で多いのが、金属製とセラミック製の2種類です。それぞれにメリットとデメリットがあります。
金属製の刃の特徴
ミルの刃が金属製だとセラミック製に比べ刃が鋭利になるので、軽い力でも豆が挽きやすく粒の大きさも揃いやすいです。その反面、使い続けていると刃こぼれしたり保存状態によってはサビが発生する可能性があります。
また、静電気が発生しやすいため、豆をひいた後、細かい粉が刃に密着して取りづらくなります。
セラミック製の刃の特徴
セラミック製の刃は金属製と比べて切れ味が少し劣り、挽く際には力が必要なこともあります。
刃が鋭利ではないため豆を切るように粉砕するというよりも潰すように粉砕するため、粒が均一になりにくく、えぐみの原因となる微粉が出やすいです。
ですが、摩擦にも強く非常に硬度が高いので、消耗しにくい特徴があり、水洗いしてもサビの心配がいらないので、初心者の方にはセラミックの刃が扱いやすいですよ。
一度にひける豆の量
一度に挽ける豆の量も確認しましょう。1杯分の豆の量はおよそ10gなので、何杯分淹れたいのかで選ぶミルは変わります。豆の量の目安は
- 1杯分…約10g
- 2杯分…約18g
- 3杯分…約25g
- 4杯分…約30g
となります。濃い目が好きかどうかなど、好みで前後するとは思いますが目安として覚えておくのがおすすめです。一度に挽ける豆の量が多けば多い程、大きさも大きくなっていくので注意してくださいね。
ハンドルの回しやすさと軸の安定性
コーヒー豆を挽く際に大切なのは粒の大きさが均一になること。というのも、挽いた豆の粒度の均一さはコーヒーの味への影響が大きく、均一であればあるほど雑味の少ない美味しいコーヒーが楽しめます。
ハンドルを回した際に回しにくかったり、中心部の軸が不安定だと挽いた豆の粒度が均一にならずえぐみや雑味の原因にもなる微粉が発生してしまうので、この点もよく確認をしましょう。
試しに回すのが難しい場合には、軸を安定させ軽い力でハンドルを回しやすくする”ベアリング”と呼ばれるものがいくつ付いているか確認するのもおすすめです。ハンドルが回しやすいと手に過剰な負担もかかりませんよ。
手入れのしやすさ
分解して洗えたり掃除ができると清潔さをキープできますね。ほとんどの部品が外せるものもあればそうでないものもあり、ミルによって様々なので手入れのしやすさも確認しましょう。ちなみに、セラミック刃のミルは洗浄できますが、金属刃のミルは洗浄できないのでその点も注意が必要です。
アウトドアコーヒーミルの定番ポーレックス2ミニのレビュー
ここからは2020年に発売されたポーレックス社の「コーヒーミル2 ミニ」を実際に使って、その使い心地などをレビューしていきたいと思います。定番かつシンプルな形で人気の商品なので初めてキャンプでコーヒーを淹れる方でも使いやすいミルです。
軽量でコンパクト
ポーレックス2ミニのサイズはφ5.5×高さ15cmとコンパクトで、重さも約250gと軽量です。ハンドルが取り外しが可能で、付属のハンドルホルダーに収納することができるので、持ち運びにも便利です。
細かい粒度調節ができる
ポーレックス2ミニは調節ネジを回すことで、粒度を18段階で調節ができます。かなり細かく調節できるので、ハンドドリップ以外にも様々な淹れ方にも対応でき、使い続けていくことで自分好みの粒度などが見つかりそうですね。
粒度設定の目安ですが
クリック数 | 1~4 | 4~8 | 8~12 | 12~16 | 16~18 |
---|---|---|---|---|---|
粒度 | 細挽き | 中細挽き | 中挽き | 中粗挽き | 粗挽き |
粒の大きさ 目安 |
上白糖とグラニュー糖 の中間 |
グラニュー糖ほど | グラニュー糖より 少し大きい |
ザラメ糖より 少し小さい |
ザラメ糖ほど |
向いている 淹れ方 |
エスプレッソ マシーン |
ペーパードリッパー コーヒーメーカー |
フレンチプレス エアロプレス |
フレンチプレス 水出し |
水出し パーコレーターなどの 金属フィルター使用時 |
となります。調節ネジはクリック感がしっかりあるので何段階目かが分かりやすいようになっていますよ。市販されているコーヒー粉は中細挽きが多く、ペーパードリップする際には段階は「5・6」にしておくのがおすすめです。
豆のグラムで何ccのコーヒーができる?
前述しましたが1杯分のコーヒーを淹れるのに必要な豆の量は約10gとなります。ここでいう1杯分というのは120ccで、1度に淹れる量が多いとコーヒー豆は少なくて済みますよ。
分量 | 豆の量 | 出来上がりの量 |
---|---|---|
1杯分 | 約10g | 120㏄ |
2杯分 | 約18g | 240㏄ |
3杯分 | 約25g | 360㏄ |
4杯分 | 約30g | 480㏄ |
ポーレックス2ミニは約20gのコーヒー豆が挽けるので2杯程度入れることができます。
使い方のコツ
コーヒーミルの使い方はコーヒー豆を入れてハンドルを回すだけなのですが、簡単な作業に見えて少しコツがあります。
ゆっくり均等な力加減で回す
「早くコーヒーを飲みたい!」と焦って力いっぱい素早くハンドルを回すのは禁物です!ゆっくり均等な力をかけてハンドルを回した方が粒度が均一になり、微粉を極力減らすことができますよ。
ポーレックス2ミルの挽き心地はとてもスムーズでなので、特に引っ掛かりを感じることなく最後まで豆を挽くことができます。豆をすりつぶすときの振動も程よく、手に負担がかかることも少ないです。
挽きにくさを感じた場合は、地面に対して90度の状態でハンドルを回すのではなく、少し斜めに傾けると刃の中に入るコーヒー豆の量を減らすことができるので手にかかる負担が少なくなります。
手入れの仕方
- 調節ネジを外す
- 内刃を取り外す
- 本体から外刃を取り外す
- 分解完了
ポーレックス2ミルは、とても単純な構造になっているので、楽に分解することができます。パーツは全部で4つで、刃はセラミック製なので水洗いもできますよ。分解した後も説明書なしで簡単に組み立てられます。
アウトドアにおすすめの手動コーヒーミル
お待たせしました!手動式ミルについて細かく解説していきましたが、ここからはキャンプにおすすめのコーヒーミルを紹介します。持ち運びに便利なサイズが揃っていますよ。
Porlex(ポーレックス) コーヒーミル2 ミニ
本体サイズ | φ5.5×高さ15cm |
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重量 | 約250g |
豆容量 | 約20g |
刃の素材 | セラミック |
シンプルで単純な構造ながら挽き目を18段階まで調節できるので、アウトドアコーヒー初心者の方からプロの方まで幅広い層に使われています。簡単に分解して掃除することもできるので、前回挽いたコーヒーの粉や風味などが混ざってしまう心配も少ないです。
CAPTAIN STAG(キャプテンスタッグ)コーヒーミル S
本体サイズ | φ4.6×高さ13.5cm |
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重量 | 約219g |
豆容量 | 約17g |
刃の素材 | セラミック |
ステンレスの輝きにさりげない鹿マークがおしゃれなキャプテンスタッグのミルは、セラミック刃でお手入れも簡単にできます。粒度は右に回すと細挽き、左に回すと粗挽きになり簡単に調節ができるので初心者でも扱いやすいです。
HARIO(ハリオ) コーヒーミルMSS-1TB
本体サイズ | 幅15 ×奥行き7.2 ×高さ22cm |
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重量 | 400g |
豆容量 | 約24g |
刃の素材 | セラミック |
粉を受ける部分が透明になっているので挽いた豆の量が一目で分かります。1杯分と2杯分の目盛り付きなので豆の量を多く入れてしまっても挽きながら調節できますね。ハンドルは容器の蓋部分に引っ掛けることができるので省スペースに収納しやすいです。
YAEI Enthusiast コーヒーミル
本体サイズ | φ5.5×高さ15cm |
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重量 | 約459g |
豆容量 | 約20g |
刃の素材 | ステンレス |
刃の素材にはステンレスの中でも高強度で耐腐食性に優れるSUS420が使われているので、一般的なセラミック刃と比較してスピーディーでストレスフルな粉砕を実現しています。挽き目は6段階まで調節可能で、キャンプでも本格的なコーヒーを楽しみたい方におすすめのミルです。
川崎合成樹脂 手挽きコーヒーミル MI-018
本体サイズ | φ4.7×高さ13.5cm |
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重量 | 約220g |
豆容量 | 容器容量:120ml |
刃の素材 | セラミック |
燕三条にある工業部品などを製造する会社で1つ1つ丁寧に作られているため、ステンレスの輝きが美しいコーヒーミルに仕上がっています。豆を容器いっぱいに入れて2杯分程度挽くことが可能です。
握る部分には樹脂が付いているので手で持ったときに滑りにくく、軸をぶらさず豆を挽くことができますよ。
カリタ コーヒーミル KH-10 BR
本体サイズ | 幅7×奥行き17 ×高さ17.5cm |
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重量 | 約520g |
豆容量 | 約20g |
刃の素材 | 硬質鋳鉄 |
ミル刃は丈夫で強固な鋳鉄でできているので切れ味抜群な上に刃こぼれなどがしにくく、長く愛用できますよ。豆を入れる部分には蓋が付いているのでほこりなどが入る心配もありません。ステンレス製のミルと比較すると重さはありますが、それには替えられない木独特の味わい深さがあるのも特徴です。
TIMEMORE(タイムモア) コーヒーミル C2
本体サイズ | φ5.2 ×高さ14.7cm |
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重量 | 約430g |
豆容量 | 約20g |
刃の素材 | ステンレス |
高級感漂うこちらのミルは見た目だけでなく、刃は55~58HRC相当の高硬度ステンレスが採用されているので耐久性に優れていて、粒度は36段階で調節が可能と、機能面もハイクオリティとなっています。表面がダイヤモンドパターンになっているのでしっかり握れますし、軽い挽き心地が病みつきになりますよ。
Kalita(カリタ) コーヒーミル コーヒーピクニック
本体サイズ | 幅15.7 ×奥行き5.3 ×高さ17cm |
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重量 | 約245g |
豆容量 | 約15g |
刃の素材 | セラミック |
粗さ調節は右回りが細挽き、左回りが粗挽きととってもシンプルな構造です。モノ作りの町、燕三条の燕商工会議所にて認められた「Made in TSUBAME」は確かな品質を象徴していますよ。少しマットな質感のステンレスに落ち着いた色味がマッチしていて、落ち着きたいコーヒータイムにぴったりのミルです。
OUTDOOR MAN(アウトドアマン) コーヒーミル KOGR-002V
本体サイズ | φ5 ×高さ18cm |
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重量 | 約290g |
豆容量 | 約23g |
刃の素材 | セラミック |
雑誌に紹介された話題のコーヒーミルです。挽き具合を自分の好きなように無段階で調節でき、セラミック製の刃が使われているので金属集もなく、コーヒー本来の風味が楽しめますよ。分解して掃除できますが持ち運びに便利な収納袋も付いているので、持ち帰って掃除するまでに粉が舞っても他のギアを汚す心配が少ないです。
HIGHMOUNT(ハイマウント) コーヒーミル
本体サイズ | φ4.8 ×幅14 ×高さ13.5cm |
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重量 | 約220g |
豆容量 | – |
刃の素材 | セラミック |
よりお手頃な価格でキャンプでコーヒを楽しみたい方にはこちらのハイマウントのコーヒーミルがおすすめです。お値段は2,000円ちょっとと他と比較してもお安いですが、摩耗しにくいセラミックの刃、取り外しのできるハンドル、粉受けには量を確認できる小窓付きと機能面は充実していますよ。もちろん、粗挽きから細挽きまで粒度の調節も可能です。
snow peak(スノーピーク) フィールドバリスタ ミル CS-116
本体サイズ | 幅16 ×奥行き4.8 ×高さ16cm |
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重量 | 約225g |
豆容量 | – |
刃の素材 | セラミック |
スノーピークのコーヒーミルは一見とてもシンプルですが、ハンドルを回して実際に豆を挽いた時のスムーズさ、ハンドルを収納したときの美しい佇まいなど、細かなところにこだわりと技術力を感じます。ハンドルと蓋が一体型なので管理しやすく、コンパクトに収納できるのもポイントです。
アウトドアにおすすめのコーヒーミルセット
持ち運びに便利なコーヒーミルを紹介してきましたが、コーヒーを淹れるとなるとドリッパーやフィルターなど他にも必要なものがたくさんあります。そこで、ここからは必要なものが一式揃っているコーヒーミルセットを紹介します!
ポケトル×東洋スチール コーヒー キット コーヒードリッパーセット
ミル本体サイズ | φ4.6 ×高さ10.8cm |
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ミル重量 | 約20g |
豆容量 | 約20g |
刃の素材 | セラミック |
金属製ツールボックスを50年以上作り続けている「東洋スチール」と、ミニボトルブームの火付け役である「ポケトル」とのコラボレーションにより生まれたコーヒーキットで、このキットを持って行けばキャンプでも本格的なコーヒーが楽しめます。非常にコンパクトなミルはこのキット限定で、1~2人分の豆を挽くのに便利ですよ。
TIMEMORE(タイムモア) NANO carry bag コーヒーセット
ミル本体サイズ | 幅15.2×奥行き4.5 ×高さ12.5cm |
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ミル重量 | 約360g |
豆容量 | 約15g |
刃の素材 | ステンレス |
NANOコーヒーミル、Fish03ケトル360ml、PCドリッパー00番、豆缶3個、ペーパーフィルター10枚、ブラシがアウトドア用携帯バッグに入ったお得なセットです。ミル自体は刃にステンレスを採用しているので粒度の均一性が高く、えぐみの少ないコーヒーが楽しめます。
キャンプの準備はバタつきがち。ミルやドリッパーなど一通りセットになっていると忘れものもないですし管理も楽にできますよ。
軽量・コンパクトな手動コーヒーミル比較表
ブランド | Porlex | CAPTAIN STAG |
HARIO | YAEI Enthusiast |
川崎合成樹脂 | Kalita | TIMEMORE | Kalita | OUTDOOR MAN |
HIGHMOUNT | snow peak |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
商品 | |||||||||||
サイズ | φ5.5×高さ15cm | φ4.6×高さ13.5cm | φ7.2×高さ22cm | φ5.5×高さ15cm | φ4.7×高さ13.5cm | φ7×高さ17.5cm | φ5.2×高さ14.7cm | φ5.3×高さ17cm | φ5×高さ18cm | φ4.8×高さ13.5cm | φ4.8×高さ16cm | 重量 | 約250g | 約219g | 約400g | 約459g | 約220g | 約520g | 約430g | 約245g | 約290g | 約220g | 約225g |
豆容量 | 約20g | 約17g | 約24g | 約20g | 容器容量120ml | 約20g | 約20g | 約15g | 約23g | – | – |
刃の種類 | セラミック | セラミック | セラミック | ステンレス | セラミック | 硬質鋳鉄 | ステンレス | セラミック | セラミック | セラミック | セラミック |
商品リンク | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon | amazon |
参考価格 | ¥6,930 | ¥3,336 | ¥2,020 | ¥5,860 | ¥3,036 | ¥3,907 | ¥7,200 | ¥4,980 | ¥3,300 | ¥2,017 | ¥8,850 |
※価格はamazonの参考価格です。
まとめ
キャンプにおすすめの手動式コーヒーミルを厳選して紹介しました。どれも持ち運びに便利で、デザインも様々なものがありますね。
初めてキャンプでコーヒーに挑戦するという方にとっては少し難しい話もありましたが、まずは試してみるのが1番!自分好みの挽き具合や抽出の濃さなど、色々試してみるとコーヒーの奥深さや楽しみ方が少しずつ見えてきますよ。
豆を挽く感触が手に伝わる手動式ミルは動きの多いキャンプの中でも無心になれ、どこかホッとする時間にもなります。ぜひ体感してみてくださいね。