今回レビューするEBLのポータブル電源1000は、手頃な価格で大容量&高出力のポータブル電源をお探しの方にはぜひ検討してほしいアイテム。ファミリーキャンプはもちろん、災害時にも活躍する頼もしいスペックがありますよ。
手頃な価格だと「初めて聞いたブランドだけど大丈夫?」「安いのは裏がある?」と購入に躊躇する方も多いですが、今回はさまざまな電化製品を試したりと細かく使用感をお伝えしていくのでぜひ、参考にしてくださいね。
EBLポータブル電源1000の基本スペックや特徴
まず初めにEBLポータブル電源1000の基本スペックや6つの特徴をみていきましょう。
スペック
仕様
容量 | 270000mAh/1000Wh |
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定格出力 | 1000W(瞬間最大2000W) |
出力波形 | 純正弦波 |
サイズ | 約290×202×202mm |
重量 | 約8.5kg |
充電温度範囲 | 0 ~ 40°C |
放電温度範囲 | -10 ~45°C |
入力
AC充電入力 | 100-240V/150W |
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ソーラー充電入力 | 12V-26V (最大150W) |
シガーソケット入力 | 12V/10A |
出力
AC出力 | ×2 |
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DC出力 | ×2 |
USB-A出力 | ×3 |
USB-C出力 | ×1 |
シガーソケット出力 | ×1 |
ワイヤレス充電器 | ×1 |
付属品
MC4-7909連続ケーブル | ×1 |
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100-240VのACアダプター | ×1 |
12Vのカーチャージャーケーブル | ×1 |
取扱説明書 | ×1 |
特徴
EBL ポータブル電源1000の大きな特徴は6つ
- 手ごろな価格で基本性能がしっかりしている
- 軽量でコンパクト
- PD、QC3.0など様々な充電規格がある
- 安全性も高い
- MPPT制御方式採用で充電時間が短い
- 災害への備えとしても心強い
になります。聞き慣れない言葉もあるかもしれませんができるだけわかりやすく解説しますので、レビュー前にこの6つの特徴を押さえておきましょう。
基本性能はしっかりしていているのに安い
EBLは1998年に創業した比較的新しいブランドですが、ポータブル電源の他にもソーラーパネルや充電式電池を手掛けていて、このカテゴリーにおいては国内のネット販売でも売れ筋のブランドです。
そのため基本性能もしっかりしていて、容量は270,000mAh/999Wh、定格出力は1,000Wで最大瞬間出力はなんと2,000Wと非常に高性能なポータブル電源になります。
大容量で高出力なポータブル電源は10万円以上するものが多い中、EBLポータブル電源1000は8万円以下。セールともなると6万円ちょっとで購入できる手頃さもEBLポータブル電源の特徴です。これから紹介するその他の特徴を見るとより、コスパに優れていることが分かりますよ。
同程度容量のポータブル電源に比べて軽量コンパクト
EBLポータブル電源1000のような大容量かつ、高出力なポータブル電源のデメリットとしてサイズが大きく重量が重いことが挙げられますが、他の同程度のスペックを有するポータブル電源と比較しても軽量でコンパクトなのもEBLポータブル電源1000の特徴です。
サイズは290×202×202mm、重量は約8.5kgなのですが、例えば人気のJackery1000は332×233×243mmで約10.6kg、BLUETTIEB70Sは容量・出力共にEBLポータブル電源1000より小さいのに、サイズはひと回り大きく重さも約9.7kgと重いです。実際に手に取るとその軽さとコンパクトさに驚きますよ。
PD、QC3.0などの充電規格にも対応
EBLポータブル電源1000はPD(パワーバッテリー)やQC(クイックチャージ)に対応しているので幅広い機器を高速充電することが可能です。
特に、QCには4つの規格があるのですがその中でも3.0は日本で浸透しているQC規格の中でも最速規格とされていて、QC非対応の充電器と比較すると4倍近く早く充電することができますよ。
「1秒でも早く充電したい!」という方にはもってこいの充電規格になりますね。
安全性高いリチウムバッテリーを採用
手頃な価格のポータブル電源は安全性が心配になりますが、EBLポータブル電源1000は安全性の高いリチウムバッテリーを採用しています。そのため、自己放電が少なくバッテリーの寿命も長いのでキャンプなどのアウトドアでも安心して使うことができますよ。
バッテリー以外においてもAC出力ポートには純正弦波を採用し、製品の安全性基準をクリアした電化製品に付けられるPSEマークも取得しています。
MPPT制御方式採用で充電時間短縮
EBLポータブル電源1000にはMPPT制御方式採用が採用されているため、ソーラーからの充電時に効率よくエネルギーを電気変換することができ、充電時間を短縮することができます。
手頃な価格のポータブル電源には価格を抑えるためにもう1つのPWM方式というものが採用されることが多いですが、EBLポータブル電源1000は低価格でありながらこの点においても一切妥協していません。
災害対策として
ここまでの特徴をとっても、EBLポータブル電源1000は災害時にも頼もしいポータブル電源であることが分かりますが、もう1点、災害対策としておすすめのポイントとして高輝度LEDライトが付いている点が挙げられます。
非常に強い灯りで周りを照らせる他、2回スイッチを押すとSOSモードになるのでキャンプでの万が一の時にも安心ですね。
停電時にも十分な電力と灯りによって安全を確保でき、使わない時には場所を取ることなく収納して置けるので災害対策として1台あると安心できますよ。
EBLポータブル電源1000のレビュー
外観
EBLポータブル電源1000の操作パネルは全て前面に集結しているので、ボタンや入出力の差込みがしやすくなっています。
ハンドルには凹凸加工が施されているので、重量があっても滑りにくく持ちやすいです。
ハンドルは本体上部がフラットになるよう収納できるので、ちょっとしたミニテーブルようにポータブル扇風機やランタンなどの置き場所としての使い方もできます。
本体上部には10wのワイヤレス充電ポートが設置してあるので、対応しているスマートホンなどは載せるだけでケーブル不要で充電することができます。
重量やサイズ感
サイズは290×202×202mmと、一般的な同容量のポータブル電源に比べて一回りコンパクトなサイズ感です。
重量は約8.5kgありますが、駐車場からテントサイトまでよほど距離がなければ、女性でも十分片手で持ち運べる重量です。
液晶
EBLポータブル電源1000の液晶は視認性が高く、バッテリー残量や入力値・出力値が表示されるので、数値を確認しながら使用することができ、夜間でも見やすいよう点灯機能も搭載されています。
ライト
キャンプではライトやランタンがあるので、使う頻度は少なくなるかもしれませんが、操作パネル上部にはライトが備わっているので、災害時などにも役立ちそうです。
横向きに明るいので手元を照らすというより周りをしっかりと照らしたい時に便利な機能です。
充電時間
EBLポータブル電源1000のバッテリー残量が18%の状態で、家庭用のACコンセントで充電したところ、入力電力は150w前後で4時間10分で満充電となりました。
バッテリー残量が0%からでも約7時間程度で充電できるので、キャンプやアウトドアで使用する時でも前日の晩から充電しても十分間に合いそうです。
ワイヤレス充電
バッテリー残量が44%のiPhoneをワイヤレス充電したところ、1時間15分で充電完了となりました。入力電力が10wではEBLポータブル電源1000のバッテリー残量も1%も使用せずに高速で充電できるので、外出時にも役立ちそうです。
パススルー対応
EBLポータブル電源1000は、充電しながら給電もできるパススルーにも対応してますが、パススルーはバッテリーを劣化させる原因にもなるので、緊急時以外は極力利用を控える方がよさそうです。
ファンの音
出力が大きい家電を使用するとファンが稼働しますが、テント内であれば静かなキャンプ場であっても迷惑にはならないレベルの音の大きさです。
EBLポータブル電源1000で電気毛布を使用
EBLポータブル電源1000で定格電力40w電気毛布1枚(KOIZUMI)と定格電力55Wの電気毛布2枚(Sugiyama)がどれくらいの時間使えるか?冬の環境下で使用してみました。検証時はアウトドアでの使用環境に近づける為、電気毛布の上にブランケットを被せています。
電気毛布は温度調節機能によってon/offを切り替えるので、環境次第で電力消費量が変動します。
定格40wの電気毛布1枚
検証条件
平均気温:10℃
使用時間:8時間
温度設定:強
定格電力40w電気毛布1枚(KOIZUMI)を使用した8時間後のEBLポータブル電源1000のバッテリー残量は63%でした。電力計測器で使用電力の計測を合わせてしたところ、8時間で370w消費していたので、ほぼ40wの電気毛布が稼働している状態でした。
テント内の温度や環境によって多少の前後はありますが、電気毛布1枚だとアウトドアで2晩は十分使用できる容量があります。
ソロキャンプでポータブル電源で電気毛布を使用するなら、EBLから500whのポータブル電源も販売されています。
定格55Wの電気毛布2枚
EBLポータブル電源1000で定格55Wの電気毛布2枚(Sugiyama)使用した時の、検証環境とバッテリー残量のデータです。
検証環境
平均気温:9.8℃
使用時間:8時間
温度設定:中
経過時間 | バッテリー 残量 |
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1時間後 | 90% |
2時間後 | 79% |
3時間後 | 68% |
4時間後 | 57% |
5時間後 | 46% |
6時間後 | 34% |
7時間後 | 24% |
8時間後 | 13% |
消費電力の表示は140~48wで変化してましたが、テント内温度が10℃前後の時、温度設定(中)だとほとんど稼働してる状態だったので、定格電力55Wの電気毛布2枚では8時間までの使用を目安にしておいた方がよさそうです。
EBLポータブル電源1000でいろんな家電を使用
EBLポータブル電源1000で使用した下記の4種類の家電の使用感や消費電力をまとめました。
- マキタの充電式ファン
- KOIZUMIの1200wドライヤー
- SALONIAのヘアアイロン
- 直流炊飯器タケルくん
ポータブル扇風機
EBLポータブル電源1000でマキタの充電式ファンCF102DZを使用するとどれぐらいの電力が消費するのか?検証してみました。
マキタの充電式ファンの最大風力時の消費電力は6wで、1時間使用してもEBLポータブル電源1000のバッテリー残量は1%も消費しなかったので、キャンプで常に稼働した状態でも消費電力はほとんど影響ありません。
ドライヤー
1200wのドライヤーKOIZUMI KHD9320では安全機構が働き、温風は使えませんでしたが、冷風は使うことが可能です。
冷風時の消費電力(220w)では10分間で90%から2%消費する程度なので、出力が少ないドライヤーならEBLポータブル電源1000でも使用できます。
ヘアアイロン
SALONIAのヘアアイロン(30W)で10分間使用しましたが、EBLポータブル電源1000のバッテリー残量に変化はなかったので、長時間使用することが可能です。
タケルくん
約35分で炊飯できる直流炊飯器タケルくんで1合のお米を炊飯しましたが、EBLポータブル電源1000のバッテリー残量は88%→85%の3%の消費でした。慣れないガスや焚き火で炊飯すると焦げ付きやすいですが、電気だと焦げる心配もないので車中泊やキャンプでも活躍しそうです。
EBLポータブル電源1000をEBLソーラーパネル100Wで充電
EBLポータブル電源1000をEBLソーラーパネル100Wでどれぐらい発電できて充電できるか?2月の晴れた日に検証してみました。まず初めにEBLソーラーパネル100Wのスペックから見ていきましょう。
EBLソーラーパネル100Wのスペック
サイズ | 64 x 53.6 x 6.5 cm |
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重量 | 4.6kg |
材質 | 単結晶シリコン |
ソーラーパネル充電
冬でも晴天時には50w程度の発電ができるので、夏場の強い日差しではもう少し期待が持てそうです。太陽に雲がかかる事もありましたが、4時間でバッテリー残量が約11%増えたので、単純計算で1000whの10%で100w程度の充電ができたことになります。
ソーラーパネルは、雲がかかって日陰になると発電量が15wとガクッと下がってしまいますので、陰になりやすい渓谷や林間での発電はあまり向いてないです。ソーラーパネルは設置するだけで使用した電力を回復してくれるので、オープンエリアでのキャンプを頻繁にされる方はポータブル電源とソーラーパネルを一緒に持つと安心ですね。
まとめ
EBLポータブル電源1000は昨年4月に発売されたばかりのまだ登場して間もないポータブル電源ですが、そのスペックの高さと価格の安さで注目されていて、じわじわと人気が出てきています。
メインのポータブル電源としてももちろん優秀で十分なスペックですが、災害時用・サブ用としてもあって損のないポータブル電源になります。この記事を読んで気になった方は昨今の値上げラッシュで価格が上がる前に、ぜひ手に入れてくださいね。