多くのキャンパーや登山者が持っているシェラカップ。食器として以外にも調理器具として使ったり、その活躍ぶりはアウトドアの必需品と言っても過言ではありません。中でもチタン製のシェラカップは携行性にも優れていて、幅広いスタイルのキャンパーや登山者から人気があります。
そこで今回は、おすすめのチタン製シェラカップを厳選して紹介!素材の特徴についても焦点を当てていきますので、「ステンレス製と何が違うの?」と疑問に感じている方もぜひ読み進めてくださいね。
チタンシェラカップの3つの使い方
チタンシェラカップをカップとして使うのはよくある使い方ですが、それ以外にも用途があるんです!ここでは3つの使い方
- 調理ツールとして使う
- クッカーとして使う
- 食器として使う
を、紹介します。使い方を知っているとキャンプ飯にチタンシェラカップが欠かせない存在になりますよ。
調理ツールとして
チタンシェラカップの内側に目盛りが付いているものを選べば計量カップとしても使えます。目盛りがあるとご飯を炊く際に水をはかったり、コーヒーを淹れる際の湯量をはかったりと大活躍しますね。
小さめのシェラカップであればお玉としても使えますよ。
クッカーとして
チタンシェラカップは熱効率が良く直火にも欠けられるのでクッカーとしても重宝します。
荷物を極力少なくしたいソロキャンプや登山キャンプでは、1つ2役こなしてくれるアイテムは積極的に取り入れたくなりますね。
食器として
チタンシェラカップが食器としても使いやすいです。深さのあるタイプを選べばスープ系も入れられますし、取っ手が付いていることで火傷の心配もありません。
さらに、熱効率の高いチタンシェラカップは洗った後に軽く火にかければすぐに水気が取れます。これなら撤収前のご飯の際にも使いやすいです。
チタンシェラカップのおすすめ商品8選!
ここからは魅力あふれるチタンシェラカップを厳選して紹介します!シェラカップはいくつあっても困らないので、ぜひ、購入の参考にしてくださいね。
snow peak(スノーピーク)チタンシェラカップ
サイズ | φ12 ×高さ4.5cm |
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容量 | 310ml |
重量 | 約37g |
持ち手の形状がスノーピークならではで、指に引っ掛けやすくしっかりと安定して持ちやすい形状になっています。内側には目盛りも付いていて計量カップとしての役割も担いますよ。シンプルながら洗練されたデザインに、スノーピークファンを中心に高い評価を得ています。
UNIFLAME(ユニフレーム)UFチタンシェラカップ
サイズ | φ12.9(底部)×φ19(上部)×高さ5cm |
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容量 | 420ml |
重量 | 約65g |
サイズ展開 | 300ml/420ml |
細かい目盛り付きで容量が420mlと多いので、飲み物を飲む時だけでなく調理中にも活躍します。柄が長めなのでしっかりと握りやすいのも特徴です。柄はステンレス製なので重さは多少あるものの、その分丈夫で長く愛用できますよ。
Belmont(ベルモント)チタンシェラカップ深型
サイズ | φ11.8×高さ5.8cm |
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容量 | 480ml |
重量 | 約68g |
サイズ展開 | 480ml/600ml |
480mlと大容量で深さも約6cmあるので、スープなどの汁物を作るときにも活躍します。持ち手は折りたためるので持ち運び時にはかさばりませんね。深さと形状で、アルコールバーナーなど他の調理ギアとスタッキングしやすいのも人気の理由です。
EPI(イーピーアイ)フォールディングチタンシェラカップ
サイズ | φ12.5 ×高さ4.5cm |
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容量 | 300ml |
重量 | 約49g |
持ち手は折りたたんで下に収納する構造になっていてスタッキングの邪魔をしません。メモリ表示がないので計量カップとしては使えないものの、フライパンのような形状をしているのでソロキャンプの時には軽い炒め物ができますよ。
村の鍛冶屋 チタンシェラカップ
サイズ | φ7.9(底部)×φ12(上部)×高さ4.5cm |
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容量 | 330ml |
重量 | 約56g |
50㏄ごとに目盛りが付いていて計量カップとしてはもちろん、お米1合分の目盛りも付いているので調理中には特に重宝したくなる万能なシェラカップです。品質は非常に高く、直火にかけたりなどハードに使っても経年劣化が少なく、長く愛用できますよ。
VASTLAND(ヴァストランド)チタンシェラカップ
サイズ | φ12.4 ×高さ4.5cm |
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容量 | 300ml |
重量 | 約40g |
サイズ展開 | 300ml/450ml |
持ち手は底面にフィットするように折りたためるのでスタッキングの邪魔になりませんし、取り外すことも可能なのでコップとしても使えますよ。メッシュ収納袋付きで清潔に保管でき、持ち運びもしやすいです。目盛りは100mlと200mlについていて計量カップとしても活躍します。
EVERNEW(エバニュー)チタンシェラカップ
サイズ | φ11 ×高さ4.5cm |
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容量 | 約60g |
重量 | 310ml |
同容量のシェラカップと比較すると多少コンパクトで、持ち手も折りたためるので持ち運びを重視したい方におすすめ。チタンクッカーのパイオニアとして有名なエバニューなので品質も高く、ハードに使えるチタンシェラカップを探している方にはぴったりです。
Boundless Voyage チタンシェラカップ
サイズ | φ12 ×高さ7.5cm |
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重量 | 約44g |
容量 | 300ml |
サイズ展開 | 300ml/450ml |
聞き慣れないメーカーではありますが、チタン製キャンプ用品を多く扱っているメーカーなので安心の品質です。チタンシェラカップでは珍しく口付きなので水を注ぐ際にこぼれにくく、目盛りも付いているので湯沸かし時に特に活躍しますよ。
チタンシェラカップがおすすめな6つの理由
まずはチタンシェラカップの魅力について以下の6つの理由を掘り下げていきたいと思います。キャンプ用品で多く見かける「チタン製」というものがどういった特徴を持っているかも分かりますよ。
- 軽量で持ち運びにぴったり
- 使い込むごとに味の出る「チタンブルー」
- 金属類の中でもトップクラスの耐久性
- 熱しやすく冷めやすい
- 炒め物で使っても味に影響が出にくい
- 海水に落としても錆びない高い耐食性
軽量で持ち運びにぴったり
チタンシェラカップを持ってみるとその軽さに驚くかと思います。後に詳しくご説明しますが、チタンは強度が高い分、他素材のシェラカップより強度はそのままに厚みを薄くすることが可能な素材です。登山や徒歩キャンプなど少しでも荷物を軽くしたい場合にチタンシェラカップは欠かせません。
使い込むごとに味の出る「チタンブルー」
チタンシェラカップの多くが最初はマットな銀色をしていますが、直火などで使うと独特な青紫色、「チタンブルー」と呼ばれる自分にしか出せない色味に変色します。使い込めば使い込むほど生まれるこの風合いを「味」として楽しんでいるキャンパーも多いです。
金属類の中でもトップクラスの耐久性
日常で使われている金属の中でも最強クラスの強度を誇るので、耐久性も抜群です。表面に薄く張っている酸化皮膜のおかげで海水や淡水に濡れても錆びにくいという特徴があるので、釣りキャンプなど海沿いでのアウトドアでも安心して使えますね。
熱しやすく冷めやすい
チタンシェラカップは加熱するとすぐに熱くなるので、お湯などをすぐに沸かすことができます。使用後はすぐに冷めてくれるので撤収前に朝ご飯の調理に使ってもすぐに片づけられますよ。
炒め物で使っても味に影響が出にくい
シェラカップをそのまま火にかけて軽い炒め物をする方もいますが、その際、金属独特の味がしてしまうこともありますよね。チタンシェラカップは表面に張られている薄い皮膜によって金属の成分が出にくい性質があるので、素材の味に影響をだしにくく調理にも使いやすいです。
炊飯をする場合は焦げ付きやすいので、バーナーパットを使用するなど工夫が必要です。
海水に落としても錆びない高い耐食性
チタンシェラカップは直火によって青紫色に変化することから「錆びやすいのでは?」と勘違いしている方もいるかもしれませんが、実はそうではありません。純チタンの耐食性は高価な指輪でお馴染みの白金(プラチナ)並みとされ、海水に落としても錆びることはありませんよ。
これは純チタン製のシェラカップの場合の話なので、チタン加工といった他の金属が使われている場合には錆びる可能性があるので注意してくださいね。
シェラカップのチタンとステンレスの違いは?
様々なキャンプ道具を見比べてみると、チタンについて「高い」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。シェラカップもその1つかと思います。
加熱を前提に作られているシェラカップはステンレス製とチタン製が多く、同じメーカーから出ていてもチタン製のシェラカップはステンレス製よりも金額が高い傾向にあります。そこで、ステンレスとチタンの違いは何なのか、分かりやすく表にまとめてみました。
チタン | ステンレス | |
---|---|---|
携行性 | ◎ | △ |
比強度 | ◎ | ○ |
耐食性 | ◎ | ○ |
保温性 | × | ◎ |
価格 | △ | ○ |
それぞれについてもう少し詳しく解説しますね。
携行性
ステンレスと比較してチタンの重さはステンレスの約60%の重さとなり、携行性に優れているのがよく分かります。特に登山や徒歩キャンプなどでは重視したいポイントです。
比強度
強度に関してですが、加工のしやすいチタンはステンレスよりも硬くはありません。ですが比重に対する強度「比強度」はステンレスよりも高く、ステンレスと同じ強度をステンレスよりも少ない質量で可能にします。
結果的に質量の軽さに繋がるということになり、チタンの携行性の高さはここに由来するものとなっています。
ちなみに、チタンの中でも「チタン合金」と呼ばれるものは「純チタン」よりも強度の高い種類となるので、気になる方はチタンの種類までチェックしてみましょう。
耐食性
「錆びない」わけではありませんが、耐食性の高いステンレスと比較してもチタンは非常に錆びにくいです。高温多湿、雨の多い日本でキャンプをする上で錆びにくさは重要なポイントとなります。
保温性
保温性は低いですが熱しやすく冷めやすい分、直火で使用した際でもすぐに冷めるのですぐに収納することが可能になりますね。
チタンシェラカップの5つの選び方
ここまでチタンシェラカップの魅力についてお伝えしてきましたが、実際買うとなると種類も多いので悩んでしまいますね。選ぶ際には以下の5つのポイントを押さえておくのがおすすめです。
- サイズの目安
- 目盛り付き
- 持ち手の折りたたみ
- 持ち手の形状や長さ
- チタン素材の確認
サイズの目安
チタンシェラカップのサイズ、容量は用途やスタイルに応じて選ぶのがおすすめです。
多くは容量が300ml前後となっていますが、容量の目安としては
- コップとして使いたいのであれば200~300ml前後
- カップラーメン用のお湯を沸かしたり、汁物の取り皿として使いたいなら400ml前後
- 鍋物や炒め物など、調理器具として使いたいなら600ml前後
となります。もちろん目安なので、使いやすいサイズを選んでいいですが、一般的には300~400ml前後のシェラカップが使いやすく汎用性があるので、迷ったら300~400ml前後のサイズがおすすめです。
またシェラカップを複数個用意するなら、同じぐらいのサイズで揃えるとスタッキングができので、収納もしやすくなりますよ。
目盛り付きが使いやすい
計量カップや調理器具として使いたい場合は目盛りが付いていると使いやすいです。目盛りの印字も100㏄単位や50㏄単位などものによって異なるので、使い勝手の良さで選びましょう。1合分など、炊飯時に役立つ目盛りがあるものもありますよ。
持ち手は折りたたみできるか
チタンシェラカップには持ち手が折りたためるタイプと固定されたタイプがあります。
クッカーとのスタッキングのしやすさなど、持ち運びを重視したい方は持ち手が折りためるタイプを選ぶのがおすすめです。シェラカップ同士をスタッキングする場合は固定タイプの方がすっきり収納できます。
容量が大きいシェラカップを選ぶ場合には、持ち手が固定タイプだと中身を入れても安定感がありますよ。
持ち手の形状や長さも確認
持ち手の形状や長さでも使い勝手が変わってきます。持ちやすさも変わるので、熱いものを入れる可能性もがある場合は持ち手が持ちやすくなっているかも確認しましょう。
食器やコップとして使う場合には持ち手が緩やかにカーブしていると使いやすいです。メーカー独自の形状をしていて指でしっかり持てるようになっているチタンシェラカップもありますよ。
調理器具として直火にかける場合は持ち手が熱くならないよう、ある程度の長さがあるものを選ぶのがおすすめです。
チタンシェラカップの素材を確認する
「チタンシェラカップ」として販売していても、チタン素材には純チタンとチタン合金の2種類あるので確認しておきましょう。
純チタンの場合、”チタンシェラカップがおすすめな6つの理由”で紹介した通り、海水に落としても錆びない耐食性の高さがありますよ。一方でチタン合金は、強度向上のためにニッケルやアルミニウムなどの素材を混ぜて作られたチタンになるので、「絶対に錆びない」とは言い切れません。
サビが心配な場合は純チタン製のシェラカップを探してみてくださいね。
チタンシェラカップを直火にかける際の3つの注意点
直火にかけられるチタンシェラカップですが、その際には注意が必要です。気を付けるべきポイントは
- 食材を入れる量
- 食材の種類
- チタンシェラカップの構造
この3つです。無理な使い方をすると怪我や事故の恐れがあるので、購入を検討している方は必ず知っておきましょう。
食材を入れすぎない
熱伝導率の高いシェラカップを直火にかけると短時間で中身が沸騰します。食材を入れすぎると吹きこぼれて火傷してしまう恐れがあるので、中身はほどほどの量を入れましょう。
特にチタンシェラカップでご飯を炊くときは余裕のある大きさのものを選んでくださいね。
焦げやすい食材を入れない
熱伝導率が良い分、食材が焦げやすいというのも知っておきましょう。砂糖や牛乳といった甘みのあるものは特に焦げ付きやすいので直火で温めるのは避けた方が良いです。
もし調理中に焦げ付きが心配になったら火元から少し離すのがおすすめです。その際は必ず手袋をしてくださいね。
シングルウォ―ルであることを確認する
直火にかけて使うためにチタンシェラカップを購入する際は、必ず購入前にシングルウォールかどうか確認しましょう。
シングルウォールの場合は側面や底面が金属1枚でてきているので直火できますが、ダブルウォールの場合は内側と外側で金属2枚を使っていて、さらに間には空気の層があるので直火にかけると破裂する恐れがあります。
ダブルウォールの保温性の高さは魅力ですが、直火にかけたい場合は安全に使うためにも必ずシングルウォールを選んでくださいね。
チタンシェラカップはIH対応?
キャンプでIHクッキングヒーターを使用する場合は、チタンシェラカップはIHでは使えないので注意しましょう。
IHは磁気を利用した調理機なので非磁性体のチタンは基本的には使えません。もしも使えるかどうか迷った場合は磁石を近付けてみて、くっつかなければ非磁性体ということになるのでIHでの使用は控えてくださいね。
スノーピークのシェラカップ「チタン」「ステンレス」比較してみた
キャンパーに絶大な人気を誇るsnow peakシェラカップ。室温10℃の環境でチタンとステンレスで素材の違いを比較してみました。
※数値は環境によって変わります。
重量
チタン | ステンレス | |
---|---|---|
重量 | 35g(実測) | 105g(実測) |
同じ310mlサイズのシェラカップの重量は、ステンレスがチタンより約3倍違いがあるので、複数持つとかなりの重量差になります。
200mlのお湯を沸かす時間
チタン | ステンレス | |
---|---|---|
時間 | 2分16秒 | 2分32秒 |
同条件の火力で200mlのお湯を沸かしてみました。
全体に熱を伝える効率が悪いチタンですが、比重が軽く薄いため、炎が直接当たる部分はステンレスより熱が伝わりやすいので、お湯を早く沸かすことが可能になります。
熱したシェラカップを持てるようになる時間
チタン | ステンレス | |
---|---|---|
取っ手 | 30秒 | 1分8秒 |
本体 | 1分10秒 | 3分16秒 |
チタンはステンレスより取っ手や飲み口が早く冷めるので、飲み口で唇が火傷する心配も少なく、アツアツの飲み物を飲むことができます。
素材がチタンでもステンレスでも取っ手は炎の量を調節すれば、燃焼中にも持つことができます。取っ手は長い方がより安心ですね。
保温力
チタン | ステンレス | |
---|---|---|
5分後 | 66.4℃ | 68.6℃ |
10分後 | 55.2℃ | 56.0℃ |
アツアツでもすぐに持てても、保温力が低く飲み物が冷めてしまっては意味がありません。チタンに比べステンレスの方が保温力がある素材ですが、温度変化に大きな違いはなさそうです。
まとめ
同じ金属製でパッと見た目は同じシェラカップでも、チタンでできたシェラカップは値段の差以上の使い勝手の良さがあります。今まで「シェラカップはどれも一緒でしょ?」と思っていた方にこそ使っていただきたいアイテムです。
調理や食事そのものだけでなく経年劣化も楽しめる使い勝手の良いチタンシェラカップは、これまでのキャンプの楽しみ方をさりげなく広げてくれますよ。