キャンプといえば焚き火。焚き火といえばキャンプ。そう言っても不思議ではないくらい、キャンプ場ではどこのグループも焚き火をしているのが普通の光景になってきた気がします。一方で、山火事やサイトの植生保護などの観点から多くのキャンプ場では直火禁止(地面で直接火を熾すことは禁止)になっています。そこで必要なのが焚き火台です。今回は、スノーピークの焚き火台Mサイズ(スターターセット)をレビューします。
スノーピークの焚き火台の特徴
焚き火台Mサイズをケースから出したところ。右側はチェアを参考に置いています。
1996年に発売された焚き火台の元祖ともいえるスノーピークの焚き火台。上部が正方形になった、つまり正四角錐をひっくり返したような非常に4本の足が付いた非常にシンプルな形です。サイズはS, M, Lの3種類です。スノーピークの焚き火台サイズ共通の特徴は次の3点になると思います。
とにかく頑丈
まず一番の特徴は、その頑丈さです。人が乗っても歪まないのではと思うくらいです。火を焚くものであるため、熱による変形は避けては通れないはずなのですが、スノーピークの焚き火台は1.5mm厚のステンレスを採用しているからか網も含めて全く変形しません。
豊富なオプションパーツ
次に嬉しいのが、豊富なオプションパーツです。せっかく火を焚くからには、ダッチオーブンや大鍋を使ったワイルドな料理を作って楽しみたいところ。そんなときにありがたいオプションパーツや、サイトにも優しいオプションパーツが豊富なのも特徴の一つだと思います。
組み立て・収納が簡単
構造がシンプルなのも嬉しい点です。どうしても灰まみれになってしまう焚き火台ですが、スノーピークの焚き火台はネジなど一切不要どころか、組み立て・収納も軍手をしたまま一瞬で完了します。
上部を広げるだけで組み立て完了です。チェアもこのぐらいの高さが一番ラクです。
スノーピークの焚き火台Mサイズ(スターターセット)をレビュー!
スノーピークの焚き火台には、初めて購入する方向けにスターターセットが存在します(Sサイズにはありません)。またその他にもたくさんのオプションパーツがあります。
スノーピークの焚き火台Mサイズ
大きさは設置サイズで、35cm四方、高さは25cmです。
10インチのダッチオーブンを角に沿って載せると、対角に他の小さめの鍋を載せる余裕ができます。ソロでもグループでも使える大きさだと思います。
22cmの鍋(縁まで含めると約24cmあります)を真ん中においたところです。
鍋を角に寄せました。対角に15cmくらいの鍋やパン、隣にも10cmくらいのパンなら載せられます。足が安定しているので、倒れてしまうようなことはありません。
次はMサイズのスターターセットに含まれるパーツです。バラ売りでも購入できますが、このセットは間違いなくおすすめです。
ベースプレート
焚き火台の下に敷く鉄板です。いくら直火ではなくても、地面への輻射熱は相当なものがあるため、それを緩和するためのものです。実は、私も過去にベースプレートなしに焚き火をしたところ、下の芝生を焦がしてしまったことがあります。
ベースプレートを敷いたところ。これだけで地面へのダメージがかなり減ります。
炭床Pro
炭の火力を活かせる高さに炭を置くための鋳鉄製のプレートです。焚き火台自体が四角錐をひっくり返した形をしているため、底に炭を置いて調理に使おうとすると炭との距離が離れすぎて火力が足りません。また底に灰が溜まってしまうため空気の流れも遮られてしまいます。
炭床Proは格子状のように穴が空いており下から新鮮な空気が流れやすくなっており、火力を維持しやすい作りになっています。また上に置く鍋等との距離も近く効率よく加熱できるため、焚き火台で調理もしようと思う方にはほぼ必須だと思います。
炭床Pro.を置きました。炭床の下側、また焚き火台の横にも穴が開けられており、新鮮な空気が供給されるようになっています。
コンプリート収納ケース
本体単体でもケースは付属しますが、ほぼ本体しか入りません。コンプリート収納ケースならオプションパーツも一緒に収納、持ち運びが可能です。また単体のケースとは比べ物にならないくらい丈夫な作りです。
オプションパーツを含めると10kg前後にもなりますが、この収納ケースだと安心して持ち運べます。
マチも広く、オプションパーツなども十分入ります。
その他に購入して良かったオプションパーツをご紹介します。
グリルブリッジ
焚き火台の縁に引っ掛けるようにして設置し、焚き火台の上に焼き網Proやグリルプレートなどを置けるようにするためのパーツです。引っ掛ける高さを変えて、火床からの距離を3段階に簡単に調節できるのも非常にありがたいです。(上に鍋などを載せたまま調節することは危険なのでいったん焚き火台から外して下さい)
グリルブリッジを設置しました。引っ掛ける高さで3段階の火力調節が可能です。写真では一番高く(火力が弱く)なるように設置しています。
焼き網Pro
グリルブリッジにはめ込める非常に頑丈な網です。そのまま焼き網としてBBQをしてもよし、ダッチオーブンを載せて煮込み料理をするのもよし、料理の幅がぐんと広がります。
焼き網Pro です。一般的なBBQコンロについてくる網の倍くらいの太さなので、ダッチオーブンも問題なく載せられます。
グリルブリッジの高さが一番高いときと低いときではこんなに高さが違います。
この2製品は料理をする場合には非常にありがたく、焚き火台を有効活用するにはこれだけ揃えれば十分だと思います。なお、Sサイズには、グリルブリッジと焼き網Pro が一体化したグリルネットSという製品になります。
100均の網
また、炭火を使わず焚き火のみを楽しむ場合におすすめなのが、100均などで売っている10cm四方程度の金網です。焚き火台自体が四角錐をひっくり返したような形をしているため、底の尖った部分に灰が溜まっていき、空気の流れが悪くなります。そこでこの金網で薪を底上げし、燃焼効率を高めることができます。
100均の網ですが、意外と重宝します。
スノーピークの焚き火台Mサイズ(スターターセット)の評価
スノーピークの焚き火台Mサイズ(スターターセット)を手に入れてからというもの、キャンプへの持参率は8割以上だと思います。それくらいに重宝しています。
スノーピークの焚き火台Mサイズ(スターターセット)を買って良かった点
スノーピークの製品あるあるですが、焚き火台も一度買ってしまえば一生使えるのではと思うクオリティを持っています。もちろんこの焚き火台もそうで、少なくとも50回以上は使っているはずですが、全く歪みもなくどころか・・・「歪むのこれ?」と思っているくらいです。
そしてその丈夫さ故、扱いに気を遣わなくていいのもうれしいポイントです。料理をするときでも大鍋やダッチオーブンを乗せて、隙間スペースに他の鍋も並べてもびくともしません。
この焚き火台のおかげで焚き火の楽しさに完全にハマりました。これが一番良かった点かもしれません。
スノーピークの焚き火台Mサイズ(スターターセット)の残念な点
頑丈さの裏返しですが、重いです。Mサイズの焚き火台単体でも3kg以上、スターターセットにオプションパーツを加えると10kgほどの重さになります。それでも、私はバイクのキャンプでもほとんど持っていくくらい気に入っていますが。
またグリルブリッジの高さが調節できるのは非常に重宝するのですが、一番下げた状態だとブリッジと焚き火台の隙間が狭く、火ばさみ等で炭を追加したり動かしたりするのが困難です。もっとも上に載っているものをよけて網を外せば上から調節ができるので致命的ではありませんし、前もって炭を多めに投入しておくなど工夫でもカバーできると思います。
他にあるとすれば、グループキャンプだと誰かと絶対に被ります(笑)。
スノーピークの焚き火台Mサイズ以外のサイズ
冒頭でも記しましたが、サイズはS, M, Lの3種類です。大きさだけが異なり、素材などは同じです。ただ、Sサイズはオプションパーツのラインアップが若干少なくなります。
スノーピークの焚き火台S
Sサイズの大きさは設置サイズで、27cm四方、高さ21cmです。スターターセットの設定はありませんが、同じ内容のオプションパーツが存在します。スターターセットと同内容のオプションパーツ(ベースプレート、炭床Pro、収納ケース)を合わせればMサイズのスターターセットより3000円程度の差になります。
一般的なサイズである10インチ(約25cm)のダッチオーブンを載せるとほぼいっぱいになると思います。ソロや2人で使うのであれば十分な大きさだと思います。
スノーピークの焚き火台L
Sサイズの大きさは設置サイズで、45cm四方、高さは30cmです。
10インチのダッチオーブンが対角に載せられる大きさです。グループキャンプで料理を一手に引き受けたり、料理に凝ったりで、たくさんの鍋を使われるならLサイズがおすすめだと思います。また豪快に焚き火を楽しみたい人もLサイズが合うでしょうね。
スノーピークの焚き火台Mサイズ(スターターセット)レビューのまとめ
夜が更けるとともに寒くなるのがキャンプの常。晩ごはんを食べたあとも焚き火さえあれば寒さを感じることなく、焚き火を囲んで暖を取りながら団らんできるのがスノーピークの焚き火台の一番のメリットだと思います。そしてもちろん晩ごはんの火種にも使えるので、一石二鳥のアイテムですね。
最近は消灯時間が決まっているキャンプ場も多いですが、晩ごはんを食べ終わってから寝るまでの数時間、火を囲んで非日常な雰囲気が楽しめるのはとても大きいと思います。
ぜひスノーピークの焚き火台Mサイズ(スターターセット)で、楽しい焚き火ライフを!