昨今のソロキャンプへの人気から、注目度の高いソロキャンプ向けの焚き火台。「焚き火台=かさばる、重い」という概念を覆し、軽量でコンパクトながら高機能な焚き火台が続々と登場しています。
その中でもBelmont (ベルモント)の焚き火台「TABI(タビ)」は本体がオールチタン製の高品質な焚き火台で、ソロキャンパーのみならず、ツーリングキャンプやバックパックキャンプなど“旅”を楽しむキャンパーに人気のコンパクトな焚き火台です。
今回はそんな「TABI(タビ)」について、気になる使い心地をレビューしていきます。後半ではピコグリルとも比較してますので参考になればうれしいです。
ベルモント焚き火台「TABI(タビ)」のサイズや外観
はじめに、TABIの基本情報についてご紹介します
商品名 | Belmont (ベルモント) 焚き火台 TABI |
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使用サイズ | 幅36 ×奥行き23.7 ×高さ17cm |
収納サイズ | 幅36 ×奥行き17.8 ×厚さ1.5cm |
総重量 | 約423g (本体:約298g) |
耐荷重 | 約15kg(火床) 約5kg(網) |
素材 | <本体>チタニウム、18-8ステンレス <収納袋>ナイロン |
TABIを販売しているベルモントは、新潟県三条市にあるアウトドア用品メーカーです。ソロキャンプ向けの焚き火台は海外製品も多いですが、TABIは日本製ならではの高品質で細かい工夫の施された焚き火台となっています。
セット内容
- 本体(火床)
- 側板
- 網
- 脚
- 収納ケース
- 取扱説明書
※サイズや重量の数値は全て実測です。
TABIの特徴は何といっても、本体が厚さわずか0.3mmの極薄チタンでできている点です。脚と網に使われている18-8ステンレスは「高級ステンレス鋼」とも称されるほど耐久性に優れた素材で、本体同様、細部にまで材質にこだわっている焚き火台となっています。
本体(火床)
本体の素材はチタニウムで、サイズは36×17cm、本体の重さはわずか136g。
板厚が薄いため少し鋭利になっており、初回組み立て時には、脚部分へのはめ込みに少し力がいる為、気になる方は手袋等の使用をした方が安全です。
火床となる部分には、片側に8本ずつのスリットが入っているので、燃焼効率も良さそうです。
本体上部には、脚を引っかける為の切込みが3か所ずつあります。
上部に溝がありますが、表と裏で凹凸があり凹んでる方が火床の内側になります。この溝は縦方向の歪み防止のためだそうです。
側板
側板の素材もチタニウムで、サイズは18.3cm×5.9cmで重さは29g。
側板も本体と同じく厚みが0.3mmしかなく薄いただの金属の板という印象ですが、多少の風防の役目と薪や炭が地面にこぼれないようにするための目的があります。側板にも歪み防止の溝があるので、表と裏を間違えないように使用しましょう。
網
網のサイズは24.6×17.8cmで重さは96g。
ステンレス素材の網なのでしっかりとしており、ズレ防止仕様の網なので調理の際は重宝しそうです。耐荷重も2021年より3kgから5kgにアップしてるので、小さめのダッチオーブンやスキレットも使え、キャンプ料理の幅も広がります。
脚
本体を支える脚は3本あり、1本のサイズは23.6×16.7cmで重さは3本で162g。
細めのステンレス素材の脚ですが、3本あることで耐荷重15kgを支えることが可能な安定感のある脚です。
収納ケース
収納ケースはナイロン素材でサイズは38.5×19cm。
開閉はベルクロになっており、間口も広いので本体の出し入れもスムーズです。
収納ケースの生地感は少し薄めな印象で、本体の板厚が薄く少し鋭利なので裂けてしまう心配もありますが、焚き火台自体が軽量で大きく負荷がかかることもないので、注意して収納すればそこまで気にすることではなさそうです。
収納サイズと重量
TABIはチタン製なので総重量は約423g、焼き網や側板を外した本体重量は298gの超軽量な焚き火台となっています。収納サイズの厚みも1.5cmと折りたたむと非常にコンパクトになるので、バックパックやバイクや自転車の荷台の隙間に入れることができます。
ベルモントの焚き火台TABIの組み立て方
TABIを組み立てる時に感じるのは日本製ならではの精巧な作りです。本体のくぼみ部分を組み合わせたり、凸凹部分に脚をはめる際、その精密に設計されたぴったり具合にベルモントの技術力の高さと感じます。
組み立て手順
火床の凹凸を嚙合わせる様に組み合わせます。
火床をスライドさせて固定します。
真ん中の脚から組み立てると組み立てやすく、Bの部分に火床を引っかけたまま、脚のRに添わせるイメージで火床をスライドさせてAの部分にパチンとはめ込みます。
側板を差し込みます。
網を脚上部の4か所に重なる位置に置いたら完成です。
脚の組み立てに少し慣れが必要ですが、一度焚き火台を使えば火床に曲がり癖がつくので、組み立てやすくなります。
ベルモントの焚き火台TABIの網(ゴトク)サイズ感と注意点
TABIの網に調理器具を置いたサイズ感や安定感、注意点などを見ていきましょう。
調理器具を置いたサイズ感
メスティンやホットサンドメーカーで調理できるのはもちろんのこと、鉄板料理や重量がある6インチのスキレットでも調理可能なサイズ感の網です。
サイズ次第では同時調理も可能なので、メスティンで炊飯しながら一品料理を作るなんて時短調理も可能です。
網の注意点
9インチのスキレットでは蓋と合わせて3.3kgあります。あまりこのサイズのスキレットを使用することはないですが、網に乗せて調理することを考えると、これ以上重くなると少し不安があります。
網のズレ防止のためにある曲げ加工が邪魔になり、大きめの調理器具を置けない場合があるので、特に鉄板のサイズには注意が必要です。
ベルモントの焚き火台TABIの高さ
TABIの火床の高さによる使いやすさや地面への影響などを見ていきましょう。
炉までの高さ
tabiは炉までの高さが16.7cmと低く、地べたスタイルで使用するのに適した高さです。少し前かがみになるシーンもありますが、ローチェアに座って使用するのにも問題ない高さです。
地面までの高さ
tabiの場合には地面から火床までの距離が6.8cmとなっていて、焚き火中は800℃以上にもなるといわれる火床部分の温度は地面へかなり伝わってしまいそうです。
ベルモントの焚き火台TABIで使用できる薪の長さ(太さ)
TABIで使用できる薪の長さや太さと安定感をみていきましょう。
焚き火台の安定感
スリムでスタイリッシュな見た目のTABIですが、火床の耐荷重は約15kgなので、キャンプ場に売っている立派な広葉樹でも乗せることができます。
独立した3本の脚と火床がしっかりとハマっているので、多少の衝撃でも外れないほど、本体にしっかりと固定されています。
使用できる薪の長さ
側板から側板までの距離が32cmなので、そのままでは一般的な薪の長さ(38cm程度)を入れることはできません。
側板を取り外して使用すると長い薪でも使用することができます。
重量がある薪を側板に立てかける様に入れると、側板が変形してしまうので、重量がある薪は側板を外してから使用することをおすすめします。
使用できる薪の太さ
TABIを鑑賞用に焚き火を楽しむときは気にすることではないですが、調理で使用する際に太い薪を使用すると網に干渉してしまうので、薪の太さにも注意が必要です。
ベルモントの焚き火台TABIを購入して良かった点
ココからはTABIを使ってみて購入して良かった点を紹介していきます。
側板があるので薪が組みやすく着火しやすい
TABIは細い焚き付け用の薪なら、側板を使い薪が組めるので隙間ができ、焚き付けの薪にしっかりと空気を送り込むことができるので、大きく燃え広がり安定して着火することができます。
薪の大きさによっては側板が曲がる可能性があるので、着火時のみ細い焚き付け用の薪で、側板を使用するほうが良さそうです。
大きな焚き火ができて長い薪も使える
TABIの火床は耐荷重もありしっかりとした作りなので、薪を沢山くべて大きな焚き火もできます。
側板が外せて長い薪をそのまま使えるので、頻繁に薪を入れる必要ないですし、薪割りの手間も減るので、じっくりと大きな炎を眺めることができます。
燃焼効率がいい
TABIは本体火床にスリット、側板の下部分には空気孔が設けられていて燃焼効率が高くなるよう設計されています。
燃焼効率がいいので、熾火の状態でも常に赤く燃焼しており、薪だけじゃなく炭を使ってのBBQでも活躍しそうです。
調理がしやすい
TABIは火床から網(ゴトク)までの距離が近いので、熾火になっても高火力を得ることができるので調理がしやすいです。また、網がズレないのも調理がしやすい大きなポイントの一つです。
チタンブルーがかっこいい
TABIのように軽量性と耐久性に優れたチタンが使われている焚き火台は、使い込むごとに綺麗な焼き色が付くのも、チタン製ならではの特徴となります。
片付けが簡単
TABIは軽量なので、側板を外すと本体ごと持ち上げて、灰を捨てることが簡単にできます。しっかりと組み立てられてるので、片付けも安心して行えます。
ベルモントの焚き火台TABIのデメリットや注意点
焚き火台として軽量で調理もしやすいTABIですが、使ってみて気づいたデメリットや注意点を紹介します。
焚き火シートが必要
TABIの火床に空気孔として設けられたスリットから灰や燃えカスなどが落ちやすく、かなりの熱も伝わるので、地面が芝の場合には受けるダメージは大きいです。
たとえ直火OKなキャンプ場での使用だとしても、tabiを使用する際には本体下に焚き火シートなどを広めに敷いて、ダメージを与えないよう工夫が必要です。
網(ゴトク)の距離が近すぎる
TABIは網(ゴトク)までの距離が近すぎるので、焚き火の炎が強い時は高火力になりすぎて、食材が焦げてしまう事もあります。
熾火の状態の方が火力も安定して調理がしやすいので、最初に大きく焚き火を楽しんで、熾火をしっかりと作ってから調理するようにしましょう。
側板を外すと炭や灰が地面に落ちやすい
長い薪を使うために側板を外すと、燃えカスが地面に落ちやすくなります。側板には炭や薪が落ちない役割もあるので、火災の原因にならないように火バサミ等で工夫する必要があります。
火床が歪む
TABIは板厚が薄いので1回使用するだけで歪みます。多少の歪みや変形であれば組み立てがしやすくなるというメリットにもなりますが、あまりに酷くなると脚が上手く固定できなくなってしまうので、組み立て時には各部分がしっかりとはまっているかチェックが必要です。
歪みがひどい場合は、テーブルなどの平らな場所に押し当てて、湾曲の反対方向に徐々に曲げることで修正されます。軽量さのメリットを考えると、歪みや変形は仕方がないと割り切る方が無難です。
ベルモントの焚き火台TABIとピコグリルを比較してみた
最後に軽量コンパクトな焚き火台として人気のピコグリルとTABIを比較してみました。
火床のサイズや重量
火床のサイズや重量はさほど変わりはありません。
火床から網やゴトクの距離
火床から網やゴトクまでの距離はTABIの方が近いので、調理はしやすいと感じました。
網やゴトク
ピコグリルはスピット(ゴトク)が小さく固定されてないので、気を付けて使う必要がありますが、TABIはズレ防止の網なので、火床に落ちてしまう心配もありません。
風対策
TABIには側板があるので、多少ですが暴風効果があり、薪や炭が地面に落ちにくい構造はTABIの良い点でもあります。
どちらにもメリット・デメリットとありますが、工夫をすればどちらも優れた焚き火台と言えます。
まとめ
超軽量で高品質な素材で作られたベルモントのTABIは、これまで積載の観点から焚き火台を謙遜していた方にはぜひ使ってほしいソロキャンプ向けのコンパクトな焚き火台です。
その最適なサイズ感と使い勝手の良さ、そして使い込むごとに味の出てくる見た目で、きっと手放せなくなる”旅”の相棒になりますよ。