冬キャンプに行く時、手軽に暖がとれるアイテムとして持って行く石油ストーブ。皆さんはどのように選んでいますか?
キャンプの石油ストーブはデザイン性も高く、どうせ買うならキャンプでも家でも使えるものを買いたいという方も多いかと思いますので、石油ファンヒーターやエアコン、ガスストーブとの料金の比較もしていきます。
暖かさはなんとなくインターネット上の口コミやブログ記事などで分かりますが、燃費のついて細かく紹介されていることは少なく、少しでも燃費の良い石油ストーブを選びたいときは困ってしまいますよね。
石油ストーブの商品性能部分には聞き慣れない、見慣れない単位や言葉も多く、そもそもどうやって燃費を計算していいのか分からなくなってしまいます。
そこで今回は、石油ストーブの燃費についてできるだけ細かくご紹介します!具体的な燃費の計算方法やキャンプ1時間当たりどれくらいの燃費になるのかなど、冬キャンプの準備に欠かせない情報をお届けしますね。最後にはキャンパーに人気の石油ストーブを8つご紹介しますので、ぜひ、参考にしてみてくださいね。
石油ストーブの燃費の計算方法は?
石油ストーブの燃費は
「灯油1L当たりの価格(円)」×「石油ストーブの燃料消費量(L/h)」×「使用時間(h)」
で算出することが出来ます。
最大火力で常に使用するかどうかなど使用状況によって変動はありますが、およその金額はこちらの計算式で算出できるので毎回キャンプでどれくらいの暖房費がかかっているかの目安にしてみましょう。
キャンプ1時間当たりの石油ストーブの燃費は?
具体的な例をあげて、キャンプで石油ストーブを1時間使った場合の燃費を計算してみましょう。必要な数字は先ほど紹介した計算式の通りです。
<灯油1L当たりの価格を設定する>
まずは灯油1L当たりの価格がどれくらいなのかを調べます。今回はこちらを参考に、エリアを東京にして調べました。
【例】91.1円/L (2020年10月19日時点)
<石油ストーブの燃料消費量を調べる>
次に石油ストーブの燃料消費量を調べます。こちらは商品によって異なりますが、商品説明に記載がありますので「燃料消費量」と書かれている数値を参考にしてくださいね。
【例】0.21L/h(コロナRX-22YAの場合)
数値を計算式に当てはめてみましょう。
「91.1円(灯油の価格)」×「0.21L(燃料消費量)」× 1 =19.13円
石油ストーブ1時間当たりの燃費は約19.13円ということが分かりました。
同様にしてキャンプで使用したい石油ストーブで計算してみると、燃費の比較が簡単にできますよ。
キャンプの石油ストーブは満タン時どれくらい動く?料金は?
石油ストーブのタンクを満タンにしたとき、実際にキャンプでは何時間使えるのか気になりますよね。そちらは
「タンクの容量(L)」÷「燃料消費量(L/h)」
で算出することが可能です。例えば先ほどの燃費消費量を調べる際に参考にしたコロナのRX-22YAという製品の場合はタンク容量が3.7Lなので
「3.7L(タンクの容量)」÷「0.21L(燃料消費量)」=17.6時間使用することが可能となります。
石油ストーブを満タンに給油するときの金額の目安は、
「タンクの容量(L)」×「1L当たりの灯油の価格(円)」
で算出できるので「3.7L(タンクの容量)」×「91.1円(1L当たりの灯油の価格)」=337.0円となります。
つまりキャンプ中、337.0円で17.6時間石油ストーブを稼働することが可能ということが分かりますね。
キャンプの石油ストーブは他の暖房器具より燃費が良い?悪い?比較してみた
実際にキャンプで石油ストーブを使用した場合の金額の目安などをお伝えしましたが、実際に燃費が良いのか悪いのか、比較しないと分かりませんよね。そこで、もっと具体的に他の暖房器具と比べた場合の燃費の良し悪しを見ていきましょう!キャンプ以外でも家で石油ストーブを使うか悩んでいる方は必見ですよ。
石油ファンヒーターと燃費比較
石油ファンヒーターは灯油代と電気代それぞれを足さなくてはいけません。灯油代の計算方法は石油ストーブと一緒です。
“「灯油の価格(円)」×「燃料消費量(L)」“となり、ここでは先ほど算出した19.13円とします。
電気代の計算方法は“「消費電力(W)」×「時間」×「1kWh単価(円)」÷1000(W)”です。
燃焼時のワット数が60Wの石油ファンヒーターを使用した場合「60W(燃焼時)」×「26円(1kWh単価)」÷1000=約1.56円 となります。
※今回「1kWh単価(円)」は2020年10月時点、東京電力の第二段階料金(120kWhをこえ300kWh)である「26円/kWh」としましました。
1時間当たりの灯油代と電気代を合わせると、19.13円+1.56円=20.69円 となりますので、石油ストーブの方がお得ですね。
エアコンの電気代と燃費比較
石油ファンヒーターの電気代を計算した時と同様、“「消費電力(W)」×「時間」×「1kWh単価(円)」”で算出することが出来ます。
10畳対応のエアコンを暖房モードで1時間使用場合の計算式、算出される電気代は
「870W(消費電力)」×「1時間」×「26円(1kWh単価)」÷1000=22.62円 となります。
石油ストーブは1時間当たり19.13円だったので、エアコンを使うほうが費用がかかることが分かります。
ガスストーブのガス代
ガスストーブの1時間使用時のガス代算出方法は少し複雑な計算式になります。
“「出力(kW)」×「3.6MJ/h」×「1時間」÷「ガス発熱量(MJ/㎥)」×「ガス料金(円/㎥)」×「使用時間(h)」”が計算式です。
ガスストーブで有名なリンナイの製品を都市ガスで使用した場合、木造11畳対応の製品で1時間当たり約42.47円、木造15畳対応の製品で約60.63円かかるとされています。
使用環境で多少前後することを考えても、石油ストーブ1時間当たりの金額19.13円より高いのが分かりますね。
カセットガスストーブのガス代と燃費比較
ここまで、石油ファンヒーター、エアコン、ガスストーブの1時間当たりの金額を算出してきましたが、「キャンプで使う暖房器具」として考えるとどれも電源やガスを使用しますので比較するのに悩んでしまいますよね。
ですので、最後はキャンプでも人気の暖房器具の1つでもあるカセットガスストーブについて考えていきましょう。こちらはキャンパーの間で有名なカセットガスストーブについて一覧表でご説明します。
商品名 | 1時間当たりの燃費※ |
---|---|
カリフォルニアパティオ カセットガスヒーター | 約33円 |
アラジン ポータブルガスストーブ | 約57円~約24円 |
イワタニ カセットガス アウトドアヒーター | 約30円 |
イワタニ カセットガスストーブ デカ暖 | 約40円 |
イワタニ カセットガス ストーブ 風暖 | 約57円 |
※1時間当たりの燃費はCB缶1本100円として算出
もちろん、カセットガスストーブはコンパクトで軽量であったりと、キャンプ時に良い点もたくさんあるのですが、燃費という面ではどうしても石油ストーブよりも高くなってしまうのが分かります。寒い時期のキャンプで1日中暖を取ろうとすると、替えのCB缶がたくさん必要になってしまいます。
1時間当たりの燃費比較
ここでこれまで紹介した暖房器具の1時間当たりのコストをまとめてみましょう。
暖房器具 | 1時間当たりのコスト |
---|---|
石油ストーブ | 約19.13円 |
石油ファンヒーター | 約20.69円 |
エアコン | 約22.62円 |
ガスストーブ | 約42.47円 |
カセットガスストーブ | 約24円~57円 |
もちろん製品や使用環境によってかかるコストは変わってきますが、今回こちらの記事で取り上げた例に関していえば、1時間当たりのコストは石油ストーブが一番安いということが分かりました。ぜひ、1つの目安として捉えてもらえればと思います。
燃費の算出について少しイメージが湧いたでしょうか。ここからは、キャンプで使えるおすすめの石油ストーブをご紹介します。キャンパーに人気のトヨトミ・コロナ・アラジンからピックアップしていきます!1時間当たりの燃費については、1L当たりの灯油価格を91.1円として算出しています。
トヨトミのおすすめの石油ストーブ【1時間当たりの燃費も紹介】
株式会社トヨトミは1952年に初めて世に石油コンロを送り出した、名古屋に本社を置く石油燃焼機器・家庭電器メーカーです。キャンパーの間ではレインボーストーブが特に人気を集めています。他にも男前なデザインの石油ストーブがあったり、他ブランドとコラボしたりと進化を続けるメーカーです。
トヨトミ「レインボー」RB-250
サイズ | 幅38.8 × 奥行38.8 × 高さ47.4cm |
---|---|
タンク容量 | 4.9L |
重量 | 6.2kg |
暖房出力 | 2.50kW~1.25kW |
燃料消費量 | 0.243~0.122L/h(平均) |
燃焼継続時間 | 20.2~40.2時間 |
推奨領域 | コンクリート9畳、木造7畳まで |
1時間当たりの燃費 | 約11.1~22.13円 |
冬のキャンプ場で必ずと言っていいほど使っている人を見かけるトヨトミのレインボーは、燃焼中に7色の炎の輪が美しく輝くことで人気の石油ストーブです。グットデザイン賞を受賞したり、他のアウトドアメーカーとコラボしたりとデザインにこだわっています。
デザインだけでなく、火力調整によって最大で40時間ほど運転が可能と、燃費もとても良いです。キャンプ場で何度も給油をする手間がなく、燃費重視におすすめの石油ストーブですよ。
トヨトミ「フェイバークラス」RL-F2500
サイズ | 幅38.8 × 奥行38.8 × 高さ48.5cm |
---|---|
タンク容量 | 4.9L |
重量 | 6.2kg |
暖房出力 | 2.50kW~1.25kW |
燃料消費量 | 0.243~0.122L/h(平均) |
燃焼継続時間 | 20.2~40.2時間 |
推奨領域 | コンクリート9畳、木造7畳まで |
1時間当たりの燃費 | 約11.1~22.13円 |
レインボーストーブと同様、とても燃費のいい石油ストーブです。こちらのシリーズのコンセプトは「心と体を温めるストーブ」。そのコンセプト通り、ランタンのような可愛らしく温もりのあるデザインに加え、スモークガラスに浮かび上がる炎がどこかほっとさせてくれるような石油ストーブです。
フェイバーグラスの炎の揺らぎは焚火や薪ストーブ、暖炉の炎を彷彿とさせるので大人だけの特別な時間にそっと寄り添ってくれますよ。シックで落ち着いたキャンプサイトの方にはグレーがおすすめです。
トヨトミ「GEAR MISSION」KS-GE67
サイズ | 幅48.2 × 奥行48.8 × 高さ58.3cm |
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タンク容量 | 6.3L |
重量 | 11kg |
暖房出力 | 6.66kW |
燃料消費量 | 0.647L/h(平均) |
燃焼継続時間 | 9.7時間 |
推奨領域 | コンクリート24畳、木造17畳まで |
1時間当たりの燃費 | 約58.94円 |
無骨でミリタリーチックなデザインが人気の石油ストーブで、その人気は品切れが続出するほどです。これまでオリーブ1色だったのですが、2020年の今年から新しくコヨーテブラウンも発売されました。
男らしいデザインはもちろん、通常の石油ストーブの2~3倍の暖房出力が冬キャンプの力強い相方になってくれることも人気の理由です。推奨領域はなんとコンクリート住宅なら24畳までと、キャンプでは十分すぎる広さをカバーしてくれます。キャンプで冷えた体を芯から温めてくれる石油ストーブをお探しの方におすすめですよ。
コロナのおすすめの石油ストーブ【1時間当たりの燃費も紹介】
ものづくりの町、新潟県三条市にある石油燃焼機器・家庭電器メーカーです。コロナの由来は太陽の周囲に現れる青い発光色(コロナ)とコンロの青い炎をかけてつけられました。創業は1937年で、長年のノウハウが詰め込まれた使い勝手の良いストーブが比較的低価格で手に入ると、キャンプ場でも使っている人を多く見かけます。
コロナ SL-6619
サイズ | 幅46 × 奥行46 × 高さ59.8cm |
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タンク容量 | 7.0L |
重量 | 11.2kg |
暖房出力 | 6.59kW |
燃料消費量 | 0.640L/h(平均) |
燃焼継続時間 | 10.9時間 |
推奨領域 | コンクリート23畳、木造17畳まで |
1時間当たりの燃費 | 約58.30円 |
自宅での使用でもインテリアに溶け込むレトロで可愛いデザインが特徴の石油ストーブです。
シンプルデザインとカラーなので、どのテントにも合いますが、特にノルディスクを始めコットンテントなどのナチュラルな雰囲気を持つテントを使用している方におすすめですよ。暖房出力が高く360度どの角度からでも暖がとれますので、1つテントの真ん中に置いておくだけで冬キャンプも暖かく過ごせます。
デザインも石油ストーブとしての性能も高いのですが、重量が11㎏に高さも60㎝ほどありますので、積載スペースが十分とれるか購入前に確認してくださいね。
コロナ RX-22YA
サイズ | 幅45.2 × 奥行32.4 × 高さ47.5cm |
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タンク容量 | 3.7L |
重量 | 7.4kg |
暖房出力 | 2.24kW |
燃料消費量 | 0.218L/h(平均) |
燃焼継続時間 | 17時間 |
推奨領域 | コンクリート8畳、木造6畳まで |
1時間当たりの燃費 | 約19.85円 |
キャンプの石油ストーブは高額なものが多く、もう少し手軽に手に入って、コンパクトな石油ストーブを探している方にはこちらの石油ストーブがおすすめです。
安いからと言って性能が低いわけでは決してありません。燃費消費量が低く燃焼継続時間が17時間と長いですし、独自の「よごれま栓」という仕組みで、給油の際には栓の置き場に困らず手に灯油の臭いも付きづらくなっていて使い勝手も良いですよ。
8,500円程度で購入できるので、まずはお試しでキャンプに使える石油ストーブを買いたいという方は購入候補に入れてみてくださいね。
コロナ SX-E3720Y
サイズ | 幅45.2 × 奥行32.4 × 高さ51.0cm |
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タンク容量 | 4L |
重量 | 8.4kg |
暖房出力 | 2.92kW |
燃料消費量 | 0.32L/h(平均) |
燃焼継続時間 | 11~14時間 |
推奨領域 | コンクリート13畳、木造10畳まで |
1時間当たりの燃費 | 約29.15円 |
燃焼時間は比較的短めではありますが、木造10畳、コンクリート13畳対応サイズと石油ストーブの中では珍しい種類なので、なかなかちょうどいい石油ストーブのサイズに出会えないという方におすすめです。見た目は昔ながらの懐かしい横長のデザインで、石油ストーブの上にケトルやお鍋などちょっと温めておきたいものが2つくらい乗せておけそうですよね。
アラジンのおすすめの石油ストーブ【1時間当たりの燃費も紹介】
1919年にイギリスからスタートした老舗ストーブメーカーです。「ブルーフレーム」と呼ばれる青い炎にこだわり続け、そしてその美しい炎に魅了されたファンはキャンパーの中にもたくさんいます。イギリスならではの素敵なデザインの商品が多く取り揃えられています。
アラジン ブルーフレームヒーター BF3911
サイズ | 幅38.8 × 奥行40.5 × 高さ55.1cm |
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タンク容量 | 4.1L |
重量 | 8.5kg |
暖房出力 | 2.68kW |
燃料消費量 | 0.26L/h(平均) |
燃焼継続時間 | 15時間 |
推奨領域 | コンクリート10畳、木造7畳まで |
1時間当たりの燃費 | 約23.68円 |
長い歴史の中で少しずつ改良されながらも、基本的なモデルチェンジのない定番石油ストーブです。実際に手元にあると、無駄がそぎ落とされた美しいデザインに思わずうっとりしてしまうほどです。
通常の石油ストーブですと赤い炎ですが、こちらの石油ストーブは「ブルーフレーム」という名前の通り、青い炎の輪が特徴的な燃焼を見ることが出来ます。力強くテント内を暖めるというよりも、とても静かで柔らかな暖かさがテント内に広がりますよ。
カラーは海外のヴィンテージ感のある優しいグリーン、ホワイトがありますが、不思議と和室にも洋室にもあう日本的なレトロさもあり、キャンプではどんなキャンプサイトにも合うので、デザインを特に重視したい方におすすめの石油ストーブです。
アラジン ブルーフレームヒーター BF3912-K
サイズ | 幅38.8 × 奥行40.5 × 高さ55.1cm |
---|---|
タンク容量 | 4.1L |
重量 | 8.8kg |
暖房出力 | 2.68kW |
燃料消費量 | 0.26L/h(平均) |
燃焼継続時間 | 15時間 |
推奨領域 | コンクリート10畳、木造7畳まで |
1時間当たりの燃費 | 約23.68円 |
こちらも同じ「ブルーフレーム」ですが、美しい癒しの青い炎が360度どこからでも眺められるデザインとなっています。カラーはブラックとシンプルな1色ですが、男前な感じも、ナチュラルテイストな感じもある石油ストーブです。「ブルーフレーム」をどこからでも眺めて癒されたい方はこちらがおすすめですよ。
キャンプの石油ストーブ燃費比較まとめ
「燃費の計算」というととても難しく思えてしまいますが、ちょっと計算式を知っていると石油ストーブに限らず日々の生活でも役に立ちそうですよね。キャンプでは大体の必要な灯油量や金額を把握したいときに便利です。
もちろんキャンプの石油ストーブの選び方は燃費の良し悪しだけでなく、デザイン性であったり、携行性であったり、譲れないポイントがあると思いますが、石油ストーブを選ぶ1つのヒントとして、こちらの記事が快適な冬キャンプの役に立てれば嬉しいです。