ガイロープはキャンプに欠かせないアイテムですが、扱い方に悩んだことはありませんか?
初めて使う方は張り方にも悩みますよね。
それ以外にも、買い替えや買い足しの際、何ミリの太さで何メートルを何本買うべきか意外と把握していないものです。
今回の記事では、このガイロープの張り方や使い方をはじめ、適切な長さなど細かいポイントまで解説します!これを読めば「付属していたガイロープをなんとなく使っている」という方も、今後は自分好みのロープを自由自在に扱うことができますよ。
ガイロープの太さは何ミリがよい?
ガイロープの太さには種類があり、お使いのテントやタープによって適切な太さが異なります。
太ければ太いほど強度は高くなりますが、太すぎると扱いづらくなり重量も重くなります。
強度と重量のバランスをお使いのテントやタープによって見極めるのが大切です。
小さなソロテントや軽量のテントやタープは3mm
山岳用の軽量なテントや、ソロ用の小さなテントには3mmの太さがおすすめです。
細いのでかさばらず、積載が重視されるツーリングキャンプや登山キャンプに最適です。
ファミリークラスのテントやタープは4mm~5mm
ファミリークラスのテントやタープには耐久性のある4~5mmの太さがおすすめです。
摩擦がかかりしっかりと固定されるので、大きなテントやタープが風に煽られても安心です。
ブッシュクラフトはパラコードを!
ガイロープとしては細く滑りやすいパラコードですが、ブッシュクラフトでは重宝します。
持ち運びしやすいだけでなく、ロープとして使う以外にも中に通っている芯を抜いて縫い糸や釣り糸になったりとさまざまな使い方ができます。
タープ設営でガイロープの必要な長さは?
ガイロープは長すぎると設営や収納の際に絡まって手間がかかってしまいますし、たとえタープが綺麗に張れても、ロープが無駄に余っていると見た目が締まりません。メインポールに張るガイロープの長さを中心に必要な長さを検討すると、タープに対しての最適なガイロープの長さが出せますよ。
メインポールのペグ打ちの場所でガイロープに必要な長さを計算すると
一般的なメインポールの張り方で200cmのポールを使った場合は、上記のようにメインポールに対して角度が45°の場所でペグを打ち立ち上げます。
ペグを打つ場所はポールから200cmと、メインポールと同じ長さをとってあげるとバランスよくタープを張ることができます。
このように立ち上げ、横から見ると上記のようにポールの元と先端とペグを結んだ箇所に三角形ができます。
ポールのもとからペグまでの距離はメインポールと同じ長さを取っているので、この三角形は直角2等辺三角形であることが分かりますね。
ですので、メインポールのガイロープの長さを計算する場合はメインポールの長さを基準に直角2等辺三角形の辺の長さ計算することで必要な長さが算出されます。
直角2等辺三角形の辺の比は「1:1:√2」です。
この比率に上記のaを当てはめると「a:a:√2a」なので、「b=a×√2」で求められるのが分かります。
タープを張る際には調整部分が必要になるので、この計算で算出された長さに折り返しや結び目の分を1/4程度、加えて必要な長さを計算しましょう。
ポールの長さによる必要なガイロープの長さ
ポールの長さ | 斜辺b | 折り返しの余裕分 | ガイロープ長さ |
---|---|---|---|
200cmの場合 | 280cm | 280×1/4=70cm | 350cm |
220cmの場合 | 308cm | 308×1/4=77cm | 385cm | 240cmの場合 | 336cm | 336×1/4=84cm | 420cm |
「√2=1.4」として計算するとこのようになります。
付属していたロープが長すぎる場合は、この長さを参考にカットしてみましょう。
見た目もすっきりしますよ。
もちろんこれは目安ですので、もう少し張り方に角度をつけたりなどアレンジを考えている場合は算出された長さよりも長く準備してくださいね。
また、タープに付属のロープの場合はメインポールで使われるロープは2股で使用するケースが良くあります。
その場合はは上記+結び目などを考慮して倍以上の長さにのロープを用意しましょう。
2股タイプのガイロープにすると持って行く本数を少なくできますし、一緒にまとめて収納できるので設営もスムーズに行えますね。
ガイロープは何本必要
ガイロープの本数は多い方が安心かもしれませんが、長さの異なるガイロープが必要な時には、本数が多いとどこにどれを使うのかが分からなくなってしまいます。
可能な限り少なく持って行くと分かりにくくなるのを防げますので、ここでは必要本数の目安をお伝えします。
- ヘキサタープ 8本
- スクエア/レクタタープ 8本
- ペンタタープ 6本
それぞれ天候や気分によってアレンジやを利かせたり、万が一に備えての予備を考慮すると10本以上はあると安心です。
おすすめのガイロープ
安価で購入できる4Mの6本セット売りのガイロープです。太さは4mmで自在金具も付いているのですぐに使うことができます。
長さ4Mで6本、8本、10本のセットから選べる5mmのガイロープです。太さはありますがごわつきが少なく使いやすいロープです。
カラーが5種類から選べます。
スノーピークのカット売りのガイロープです。素材はポリプロピレンで自在の食いつきが良くしなやかなロープです。
合わせて自在金具の購入が必要です。
ガイロープの使い方
ロープを購入したらキャンプでガイロープとして使うために準備が必要です。
ここではキャンプでスムーズに使うための事前準備の方法と、実際のテントやタープへの結び方を解説します。
使うための準備
長さの調節・先端の処理
まずは必要な長さを計算しカットします。
ロープを好みの長さに切ると中から繊維が出てくるので、切った端はライターなどであぶって処理をするようにしましょう。
最初は炙りすぎて焦げてしまい不格好になることもありますが、慣れてくると収まりよくすることができますよ。
炙った箇所は繊維が溶け非常に高温になるので、直接触れることは絶対にしないでくださいね。
自在金具をセット
次に、自在金具をセットします。
自在金具はロープとの相性が重要です。
試しにロープに通してみて、引っ張った時に滑らずしっかりとテンションがかかるかどうかチェックしましょう。
自在金具の具体的な使い方はこちらの記事に記載しています。
テント・タープへ結ぶ
もやい結び
ポール先端にもやい結びを施します。
もやい結びは「キング・オブ・ノット(結びの中の王様)」と呼ばれるほど有名な結び方です。
この結び方はもともと船を係留する際に使われているので、力が加わっても輪の大きさが変わらず、キャンプでは様々なシーンで活躍するので覚えておくと便利ですよ。
メインポールを2股のガイロープで結ぶ
メインポールに2本のガイロープを使う場合にはもやい結びで良いですが2股のガイロープを使う場合にはロープの真ん中に中間者結び等でループを作りポールにかけます。
カラビナを結んで使う
タープにループがある場合はガイロープにカラビナを付けておくと、撤収時に簡単にガイロープを取り外せるので便利です。
長さが足らない場合は繋いで延長する
タープのアレンジやガイロープで物干しなどをする際にガイロープの長さが足らない場合にはロープ同士をつないで使用します。
本結びで延長する
本結びは2本のロープをつなぎ合わせる時の結び方です。
結び方は比較的簡単で、1度結ぶと固く締まるので強く引っ張られるテントやタープのガイロープにも安心して使えます。
本結びの結び方
2本を重ねて一回巻き付けます。
端をクロスさせます。
元ロープ側が上に重ねっている方を先端側でも上に重ねてクロスさせてください。
Bの先端をロープAの下から巻き付けます。
両端を左右に引いて完成です。
ガイロープ使用時の注意点
ガイロープは、キャンプをするには必ず必要となるアイテムです。
ガイロープの耐久性が悪い場合、ロープが切れてタープが倒れてしまうことがあります。
テントにロープをつけることでフライシートが、ピンと張れてきれいに見えます。
見た目だけの問題ではなく、たるみやしわがあるとインナーとフライシートの間に隙間ができず、結露しやすくなったり、雨漏りしやすくなるなど不具合が発生します。
ガイロープのつまずきや引っ掛かり防止
夜になると、ロープが見えづらくなり足を引っ掛けてしまった経験がある方も多いと思います。
ガイロープのつますきは色や蓄光・アイテムで防止することができますよ。
夜間でも見えやすい蛍光色を選ぶのも良いですが、反射素材が一緒に編み込まれていたり、蓄光素材が含まれているとより目立ちやすくなります。
素材に何が使われているかを確認してみましょう。
キャンプ場での転倒は重大事故につながることもありますので、ガイロープは見た目のかっこよさだけでなく、安全性も重視して選ぶのがおすすめです。
ガイロープが緩む・滑る原因
ロープに合わない自在金具を使ったり、滑りやすい素材のものを使うと、ガイロープが緩む原因となります。
自在金具の穴の大きさに対しロープが細すぎればテンションがかかりませんし、ロープが太すぎれば調整がしづらく、変な箇所でテンションがかかってしまい非常に扱いづらくなります。自在金具の穴の大きさが使用するロープの太さに合っているか確認しましょう。
また、ガイロープを触った時に表面がツルツルしすぎていると、ロープ同士がうまく絡まず、結び目もすぐに解けてしまいます。特にパラコードは表面が滑りやすいものが多いです。購入前に実際に触って確認できればより安心ですね。
ガイロープの交換時期
ガイロープは使用頻度や状況によって劣化のスピードが変わるので「○回使ったら交換」といった目安がつけづらいですが、常に紫外線や雨風にさらされ、テンションもかかっていているので比較的早く交換時期を迎えることが考えられます。
劣化したロープをそのまま使っていると使用中にちぎれてテントやタープが倒れたりと非常に危険なので、キャンプに行く前には必ず目で確認するようにしましょう。
できるだけロープを長持ちさせる工夫も必要です。
例えば、ペグに引っ掛けている箇所は使用しているペグの素材によっては傷つきやすく、傷のついた部分からロープがほつれてきます。毎回同じ箇所にペグを引っ掛けている場合は、自在金具を使って引っ掛ける箇所の調整をしてみましょう。
また、素材によっても劣化のスピードは異なります。安価ではあるものの、紫外線で劣化しやすいポリプロピレン製と、少し高価ではありますが雨水にも紫外線にも強いポリエステル製を天候などで使い分けると、劣化のスピードを抑えられますよ。
まとめ
付属しているロープを使っていると気にしないような長さや素材などが、実はテントやタープを設営するときには重要になってきます。
使っているガイロープの特徴などを把握しておくと、買い替え時や加工するときにも役立ちますよ。
これからは自分のキャンプサイトや使っているテント・タープに合う、好みのロープを使いこなすのもキャンプの楽しみの1つになりそうですね。