テントやタープ設営時には必ず触ることになるガイロープですが、お使いのガイロープの太さや長さ、素材の種類などを把握していますか?
単にロープと言っても選ぶ種類や素材などで使い勝手の良さが変わってきます。さらには安全に使えるかどうかも左右されるので、ガイロープを「なんとなく」で選ぶことはおすすめできません!
今回はガイロープの選び方について種類をはじめ、強度についてもお伝えします。気になる商品比較レビューも紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
ガイロープの種類
ガイロープにはカラー以外にも、太さや材質など多くの種類が存在します。
用途や使う環境によってロープを使い分けることで、ロープの持ちがよくなるだけでなく、安全に使うことができますよ。
ここでは選び方のポイントを押さえていきましょう。
太さはどのくらい?
ガイロープは使っているテントやタープのサイズによって使い分けしましょう。
一般的に、扱いやすいガイロープの太さは4mm程度と言われていて、大体の太さの目安は
- 山岳用の軽量なテントやソロ用の小さなテントには3mm
- ファミリークラスのテントやタープなら4~5mm
とされています。
太ければその分強度も高まりますが、その分、結びにくくかさばって持ち運びしづらくなってしまうので、重量や強度のバランスと用途を考え選ぶのがおすすめです。
5mmm 4mm 3mmと太さが違うと同じ長さでも収納サイズがかなり変わります。(左から5mmm 4mm 3mm)
材質はなにがある?
ガイロープの素材はポリエステルやポリプロピレン・ナイロンが主流です。
- 耐水性に優れている
- 摩耗しにくい
- 紫外線に強い
- 伸縮しにくい
テント用ロープではコールマンのガイロープがポリエステル素材です。
- 耐水性に優れている
- 摩耗しにくい
- 軽量
- 手頃な価格
- 紫外線により劣化しやすい
スノーピークのポリプロロープproはポリエステル素材となります。
ポリエステルとポリプロピレンはどちらも耐水性に優れ摩耗しにくいという特徴があるので、雨の日のキャンプでも安心して使用できます。ポリエステルは紫外線にも強いので、天候問わず使えますね。
一方でポリプロピレンは紫外線により劣化はしやすいものの、手ごろな価格で購入できるので消耗品であるガイロープとして使用しやすいです。
軽量なので積載重量が気になる登山キャンプやツーリングキャンプでも活躍します。
- ポリエステル、ポリプロピレンより強度がある
- 水に弱い
- 伸縮性がある
- 表面が滑らか
高い強度で人気なのがナイロン素材です。伸縮性もあるのでテントをしっかり張りたいとき適しています。
耐久性や使い心地は良いのですが、雨天時に使用すると繊維が固くなりロープの結びがほどきにくくなるデメリットがあります。
ナイロン素材は強く軽量なのでパラコードの素材としても使われています。
ブッシュクラフトのようなキャンプをする場合には揃えておきたいロープです。
セット売りとネットでのカット売り(一本売り)・ボビン巻き(ロールタイプ)
ガイロープは売り方も様々です。
例えばアマゾンなどでは6本・8本・10本のセット売りがあり、自在金具も付いているや収納袋も付いているタイプのものもあるので初めてガイロープを購入する際にも使いやすいです。
10m~20mのカット売りもあり、自分で長さ調節できるメリットがあります。自在金具を購入する必要があるありますが、好きな色味の自在金具が選べますよ。他にも、メートル単価が安いボビン巻き(ロールタイプ)もあります。
登山用品店などに行けば1m単位でのカット売りもをしてくれる場所も多いので、自分の使いやすい状態で購入することができますよ。
テントやタープの張り綱(ガイロープ)を選ぶポイント
自在が滑りにくい方が良い
ガイロープの表面がツルツルしすぎていると、自在金具が上手くガイロープに食いつきません。
特にパラコードは表面に凹凸が少なく自在金具が滑りやすく感じます。
その反面、テントやタープ専用に作られたポリプロピレンのロープは自在の食いつきが良いのでおすすめです。
ロープの表面が滑りやすいと自在金具が食いつかないだけでなく、結び目がすぐに解けてしまったりと扱いづらくなりますので、購入前に実際に触って確認できると安心です。
また、自在金具の滑りやすさはロープの太さと自在金具の穴の大きさやロープの劣化などの原因も考えられますので一概にロープだけの原因でない場合もあります。

結びやすい方が良い
ガイロープを使用する際には先端をタープやテントに結び付ける必要があるので、ごわつきが少なく結びやすい方が使いやすいです。
何かと便利なロープワークを施す際にも重宝しますよ。
ごわつきだけでなく、太すぎても結びにくい要因になりますし、前述の通り表面がツルツルしていると結びやすくても簡単に結び目がほどけてしまうので気を付けましょう。
ある程度の強度がある方が良い
タープやテント設営時のロープは何でも良いわけではありません。
ガイロープのようにテントやタープ用に製造されているそれなりの強度があるものを選ぶことが、安全にキャンプを楽しむ秘訣にもなります。
蓄光・反射材入りなどなど目立つもの方が良い
キャンプでうっかりガイロープに足を引っ掛けたことのある人も多いのではないでしょうか。
特に周辺が暗くなるとロープが見えづらくなり、足を引っ掛けて転倒してしまう危険性が高まります。
蓄光素材が含まれていたり、反射素材が一緒に編み込まれていると夜間でも目立ちやすくなり転倒のリスクを減らすことができます。
ぜひ、素材に何が使われているかどんな加工が施されているかを確認してみましょう。
おしゃれな色のバリエーション豊富な張り綱を選ぶ
ガイロープには幅広いカラーとデザインのラインナップがあり、テントサイトを彩るのにも一役買ってくれます。
おしゃれさだけでなく、視認性の高いビビッドカラーも多くあり、自在金具が目立つようにロープと自在金具が反対色になっているものもあります。いつも使っているテントやタープでも、ガイロープの色を変えるだけでサイトの雰囲気も自分の気分も変わりますよ。
ガイロープを使い比べ!ガイロープ5本比較
実際に5本のガイロープの使いやすさをチェックしてみたいと思います。
比較するのはこちらの5種類
- snow peak 4mm
- GEERTOP 4mm
- MARISU 5mm
- SOOMRLOOM 4mm
- Youriad 3mm
それぞれの結びやすさ
それぞれ二重8の字結びをしてみたところスノーピークのポリプロロープproがしなやかで結びやすく感じます。
MARISUのロープも太くてごわつきがありますがやわらかくしなやかです。
GEERTOPは若干、硬さがあります。
Youriadも硬さがあるものの細いので結びにくさはありません。
SOOMRLOOMは非常に硬く結びにくく結び目も整いません。
しなやかさや柔らかさ
ロープを同じ長さに持ち立ててみましたがスノーピークのポリプロロープproとGEERTOPは柔らかいです。
もう少し長く持ち直すとMARISUも折れ曲がってきました。
5mmという太さを考慮するとスノーピークのポリプロロープproやGEERTOPと変わらないのではないかと思います。
YouriadとSOOMRLOOMは結構、硬いですね。
巻き癖
それぞれ巻き結びを解いてみるとかなりの巻き癖ができます。
中でもSOOMRLOOMは巻き癖を直す時にロープが固いせいかすんなりと巻き癖が直りません。
自在金具が滑らないか?
GEERTOPとMARISUについては自在金具がセットでついています。
使ってみても問題なく滑ることはありません。
snow peak・SOOMRLOOM・Youriadのガイロープには自在金具が付属しませんので安価なスノーピークの自在金具を付けてみましたがこちらも滑る感じはなくどれも問題なく使えました。
比較結果
5本のガイロープを使ってみて使いやすいと感じたのはスノーピークのポリプロロープproでした。
ただ、MARISUやGEERTOPも特に欠点もなく使えました。
SOOMRLOOMは正直おすすめできません。
ガイロープのスペック&コスト比較
ブランド | snow peak | GEERTOP | MARISU | SOOMRLOOM | Youriad |
---|---|---|---|---|---|
太さ | 4mm | 4mm | 5mm | 4mm | 3mm |
長さ | 10M×1 | 4M×6 | 4M×6 | 50m×1 | 30m×1 |
材質 | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ナイロン | ポリエステル | ポリプロピレン |
価格 | 990円 | 1439円 | 1480円 | 1190円 | 998円 |
1Mあたり | 99円 | 59円 | 61円 | 23円 | 33円 |
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おすすめ商品紹介
GEERTOP
ロープには2本の反射材入りワイヤーが編み込まれているので、落ち着いたグレー色を選んでもわずかな光にも反応し視認性を高めてくれます。
自在金具付きの扱いやすい4mmロープが6本+収納袋付きとコスパに優れたガイロープです。
MARITSU
太さが5mmと太いので、とても頑丈です。
耐荷重は250kgで強風にも耐える強度と耐久性があり、さらには1.5mm幅の反射材が入っていることで夜間の視認性も高くなります。
本数もカラーも種類豊富なのでキャンプサイトの雰囲気と使い方に合わせて購入できますね。
snow peak
amazon.co.jp/dp/B00R6J82NU/
スノーピークのPro.モデルに使用されているロープです。
太さは扱いやすい4mmで、軽量で自在金具の食いつきも優れていてとても使い勝手の良いガイロープです。
10mカットなので自分の好みの長さに加工して使用することができますよ。
自在金具が付属しないので合わせて自在金具の購入が必要です。
おすすめはスノーピークの自在金具でも安価なコチラ
ガイロープの強度について
ガイロープの強度は安全にキャンプを楽しむ上で重要なポイントとなります。
「強度があれば、強風が吹いてもタープやテントが飛ばされにくい」「強度は高ければ高いほどいい」と思いがちですが、必ずしもそうではありません。
強風が吹いた時、ガイロープの強度があまりに高いとテントやタープ側がその引っ張る力に耐えられず裂けてしまう可能性があります。
もっと危険なのは、ペグが抜けてしまうことです。
先端のとがったペグが抜けて風に乗って勢いよく飛んでくるほど危険なことはありません。
鋳鉄製など岩をも砕く頑丈さがあるペグが飛んでくると想像しただけでゾッとしますよね。
テントやタープの破損、ペグが飛んできたことによるケガなどを事前に防ぐためにも、ガイロープの強度は高すぎず、場合によっては切れるようになっているのが安心です。
ですが、「タープとテントはしっかり張れて、悪天候時には切れる」といった程よい強度は、生地自体の強度やペグの長さや太さ、地面の状況やロープの劣化具合などがあり一概には言えません。
大事なのは「ガイロープは荒天時には重大事故の引き金になりかねない」ということを念頭に置いておくことです。
選び方に迷うような言い方になりましたが、商品によっては強度が計算されているものもあります。
例えばスノーピークのガイロープはテントやタープに合ったものを使っていた場合、風速5m程度では切れませんが、荒天時には重大事故につながらないよう強度が計算されているようです。

まとめ
いかがでしたか。
ガイロープは「たかがロープ」ではなく、テントやタープによってはもちろん、天候や環境などによって合うものが変わってくる奥が深いキャンプアイテムです。
付属のガイロープも良いですが、今後は素材の特徴や強度について知った上で自分のキャンプスタイルに合うガイロープを見つけるのも1つの楽しみになりそうですね。

