ハリケーンランタンは夜の雰囲気を演出してくれるアイテムとして、キャンプのみならずインテリアとしても根強い人気があります。
今回はハリケーンランタンの魅力と選び方を紹介するほか、明るさを比較した上でのおすすめアイテムをピックアップしています。
記事の後半には、ハリケーンランタンの燃料である灯油とパラフィンそれぞれのメリットとデメリットも記載していますので、そちらの方もどうぞご覧ください。
ハリケーンランタンとは
ハリケーンランタンは灯油を使用するランタンのひとつで、諸説ありますが名前に「ハリケーン(暴風雨)」とついている通りどんなに荒れた天候でも使用できるのが最大の特徴です。
100年を超える長い歴史を持ち、海外の電気が通っていない地域では現在も日常的に使用されています。
ハリケーンランタンの構造(仕組み)
ハリケーンランタンの燃焼の仕組みは、燃料を入れるタンクがついている金属製のボディに、ガラス製のホヤが取り付けられており、その中に灯油を染み込ませて火を付ける芯が入っているという構造になっています。
炎が直接雨風にさらされないようにしっかりとガードされていながらも酸素は供給するようになっているので、安定した燃焼ができるのです。
日本国内で入手できるハリケーンランタン
現在ハリケーンランタンを販売しているメーカーで有名なのが、フュアーハンド(FEUERHAND)とデイツ(DIETZ)の2社。
そのほかにも国内メーカーであるキャプテンスタッグも低価格なハリケーンランタンを販売しています。
ハリケーンランタンは世界中で信頼されている
趣味としてのアウトドアなどに使われている他にも、電気を用いた明かりが無い地域では、いまだに必需品として使われています。それだけ世界中の多くの人に信頼されているということです。
ハリケーンランタンの魅力
現在では簡単に使用できて明るく、その上長時間点灯できるLEDのランタンに人気が集まっていますが、それでもハリケーンランタンをあえて使いたくなる魅力があります。具体的にどのような魅力があるのかをお伝えします。
ゆれる炎の温かな光で心が落ちつく
ハリケーンランタンは、小さめの炎がゆらゆらとゆれながら、ゆっくりと時間をかけて燃えていきます。LEDやガスのランタンほど明るくはなりませんが、その明るすぎない優しい明かりが癒されるポイントなのです。
キャンプサイトを広く照らすことはできませんし、テント設営や料理などの作業をする時には少々不便を感じるかもしれませんが、その不便さを楽しいと感じられる方は、メインの明かりとして使用するのも良いでしょう。
静かに燃えるので夜の静寂を楽しめる
ガスを使用するランタンは「シュゴー」という音が常に鳴っているものも多いです。
それに比べてハリケーンランタンはほぼ無音なので、音に雰囲気を邪魔されるということがありません。
キャンプでハリケーンランタンをひとつ灯して自然の中の静けさに耳を傾けるも良し、自宅で部屋を暗くして炎を眺めながらゆったりとお酒を楽しむも良しと、持っているとふと使いたくなるということが多くなります。
ハリケーンランタンの選び方
ハリケーンランタンは多くの商品がよく似た見た目をしています。
そのためそれぞれにどんな違いがあるのかがわからないという方も多いと思います。
そこで、実際にハリケーンランタンを選ぶ際にはどの点に注目すべきなのかをお伝えします。
自分の好みや、想定している使い方に合ったものを選ぶための参考にしてください。
明るさ=芯の太さ
ハリケーンランタンの明るさは芯の幅で決まります。
芯の幅が広いほど、炎が大きくなるからです。
それぞれのハリケーンランタンで使用する芯の幅が違うので、しっかりと確認するようにしましょう。
3分芯(幅9mm)よりも4分芯(幅12mm)の方が明るく、その分燃料を多く消費するといったように、芯の幅で明るさと燃料の消費量が変わります。
キャンプでメインの明かりとして使用したい方は、芯の幅が太めのものを選ぶと良いでしょう。
燃焼時間で選ぶ
ハリケーンランタンの燃料補給なしの連続での燃焼時間は、芯の幅と燃料タンクの容量で決まります。
燃焼時間は長いに越したことはありませんが、その分本体が大きくなることが多いことに注意しましょう。
「タンク容量:340ml 燃焼時間:20時間以上」などと、各商品に目安の燃焼時間が記載されていることが多いので、その部分も確認するようにしましょう。
デザインで選ぶ
ハリケーンランタンは雰囲気を演出してくれるアイテムなので、デザインも重要な選び方のポイントです。
ハリケーンランタンのデザインは伝統の形を採用しているものばかりなので、全体的な見た目としては似ているものが多いです。ですが各メーカーで微妙な形の違いや色使いで個性が出ていますので、それらの点にも注目して自分の好みのものを探してみましょう。
ハリケーンランタンのおすすめを明るさを比較してご紹介
ここからはハリケーンランタンのおすすめを、それぞれの明るさを比較しながらご紹介していきます。
明るさ5カンデラ!3分芯ハリケーンランタンのおすすめ
今回紹介するハリケーンランタンの中では最も芯の幅がせまいものになります。
メインの明かりとして使用するのは少々厳しいので、雰囲気を楽しむためのアクセントとして使用するのが良いでしょう。
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG)ランタン
燃料 | 灯油、パラフィン | 芯の幅 | 3分芯 | タンク容量 | 200ml | 燃焼時間 | 14時間 | サイズ | 14.5cm×24.5mm | 重量 | 400g |
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日本のメーカーであるキャプテンスタッグからも、このタイプのランタンが販売されています。3分芯を使用しているので、今回おすすめするランタンの中で比較すると明るさでは劣ります。
ですが燃料の消費が少ない分、コンパクトながら14時間と十分な時間の燃焼時間を有しています。実用性においてはあまり優れていると言えませんが、ハリケーンランタン特有の雰囲気を長時間楽しむことはできます。
価格も非常にリーズナブルなので、まずはハリケーンランタンを試しに使ってみたいという方におすすめします。
明るさ7カンデラ!4分芯ハリケーンランタンのおすすめ
芯の幅としては、このあたりからメインの明かりとしてなんとか使用できるようになってきます。明るさと燃焼時間と本体の大きさなどのバランスが良く、比較的使いやすいです。
FEUERHAND(フュアーハンド)ランタン276ジンク
燃料 | 灯油、パラフィン | 芯の幅 | 4分芯 | タンク容量 | 340ml | 燃焼時間 | 20時間 | サイズ | 15cm×26cm | 重量 | 520g |
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100年以上前にドイツで誕生したハリケーンランタンの老舗メーカーである、フュアーハンドが製作したドイツ製のランタンです。
ハリケーンランタンの中でも大定番となっている人気のアイテムです。
4分芯なので明るい方ではありませんが、その分コンパクトながら20時間以上も燃焼し続けることができます。
キャンプではサブとしての明かりや、常夜灯として一晩中つけっ放しにするといった使い方をするのに向いています。
FEUERHAND(フュアーハンド)ベイビースペシャル276
燃料 | 灯油、パラフィン | 芯の幅 | 4分芯 | タンク容量 | 340ml | 燃焼時間 | 20時間 | サイズ | 15cm×26cm | 重量 | 520g |
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このハリケーンランタンは上で紹介したフュアーハンドランタンと同じ形状ですが、カラーラインナップが特徴的です。オリーブ、ブルー、イエロー、ブラック、ホワイト、グリーン、レッドの7種類の色から選ぶ事ができます。
クラシカルなデザインにポップなカラーを合わせた、他のハリケーンランタンと比較して、とてもオシャレで可愛らしいアイテムとなっています。
DIETZ(デイツ)ハリケーンランタン No.78
燃料 | 灯油、パラフィン | 芯の幅 | 4分芯 | タンク容量 | 340ml | 燃焼時間 | 20時間 | サイズ | 15cm×26.5cm | 重量 | 500g |
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こちらのハリケーンランタンを製作しているデイツ社も、フィアーハンド社と同様に非常に長い歴史を持つハリケーンランタンのメーカーです。
サイズも性能もフュアーハンドランタン 276と比較してよく似ていますが、フュアーハンドランタンがモノトーンなのに対して、こちらのハリケーンランタンは金と黒のツートンであることが特徴的です。
ドイツ生まれのフィアーハンド社と、アメリカ生まれのデイツ社のそれぞれの歴史や信念の違いで選んでみるというのも良いのではないでしょうか。
カメヤマランタン
燃料 | 灯油、パラフィン | 芯の幅 | 4分芯 | タンク容量 | 約200ml | 燃焼時間 | 14時間 | サイズ | 幅150×L115×H270mm(フック含む) | 重量 | 340g |
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カメヤマキャンドルハウスが販売するカメヤマランタンです。カメヤマキャンドルハウスは大阪に本社をおくローソクやキャンドルの製造販売をしている会社です。アウトドアメーカーではなくキャンドル専門メーカーのランタンという事になります。
製品はシンプルな作りとなっておりフュアハンドと比べると一回り小さなサイズとなります。
明るさ9カンデラ!5分芯ハリケーンランタンのおすすめ
4分芯では明るさが足らないと感じたら5分芯のハリケーンランタンもおすすめです。
DIETZ(デイツ)ハリケーンランタン No.20
燃料 | 灯油、パラフィン | 芯の幅 | 5分芯 | タンク容量 | 260ml | 燃焼時間 | 12時間 | サイズ | 18cm×31cm | 重量 | 620g |
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デイツの#20 Junior Oil Burning Lanternはデイツの中でも中型のランタンとなります。
5分芯で9カンデラの明るさとなります。
明るさ12カンデラ!7分芯ハリケーンランタンのおすすめ
この記事で紹介するハリケーンランタンの中で、最も幅が広い芯を使用しているものになります。
DIETZ(デイツ)ハリケーンランタン No.90
燃料 | 灯油、パラフィン | 芯の幅 | 7分芯 | タンク容量 | 930ml | 燃焼時間 | 25時間 | サイズ | 20.5cm×35cm | 重量 | 950g |
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デイツ社から販売されている7分芯のハリケーンランタンです。
おすすめしているランタンの中では一番明るいものになります。
芯の幅が広いぶん燃料の消費が多いので、タンクが大きく重量も1kg近くあります。
それにより、燃料の補充なしで25時間連続の燃焼が可能になっています。
明るさで比較するとやはりガスやLEDには敵わないものの、7分芯ともなるとメインの照明として使用するのにも良いでしょう。
DIETZ(デイツ)ハリケーンランタン No.2500
燃料 | 灯油、パラフィン | 芯の幅 | 7分芯 | タンク容量 | 2500ml | 燃焼時間 | 75時間 | サイズ | 20.5cm×38cm | 重量 | 1200g |
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こちらのハリケーンランタンも同じく7分芯ですが、2500mlもの燃料が入る大きなタンクが特徴です。
それにより、なんと75時間もの間燃焼し続ける事ができるようになっています。
一度燃料を入れたらおよそ3日間燃え続けるというのは、まさに驚異的です。
そして大きなタンクはその燃焼時間もさることながら、どっしりとした安定感も生み出しています。アウトドアで使用するだけでなく、災害時の備えとしても役に立ってくれることでしょう。
デイツ(DIETZ) デイツ 80
燃料 | 灯油、パラフィン | 芯の幅 | 7分芯 | タンク容量 | 930ml | 燃焼時間 | 26時間 | サイズ | 20.4cm×38cm | 重量 | 1000g |
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デイツのハリケーンランタンの中でもとくに大型のモデルです。洋梨のような形状のホヤが特徴的。定番の「フュアーハンド ベイビースペシャル 276」と「デイツ 78」の芯が4分芯(12mm)であるのに対して、こちらは7分芯(21mm)となっています。
そのため明るさは段違いで、メインの照明として使用しても不満を感じることがありません。
そのぶん燃料の消費は激しいですが、燃料タンクがかなり大きいので燃料切れの心配も不要です。大きくて重いハリケーンランタンですが、それが許せるのであれば強力なツールになってくれること間違いありません。
ハリケーンランタンの燃料の違い
ここまで紹介してきたハリケーンランタンは、灯油かパラフィンを燃料として使用します。どちらを使用しても良いのですが、それぞれ良いところと悪いところがあるので、覚えておくようにしましょう。
灯油のメリット・デメリット
灯油を使用するメリットは、何と言っても安いことです。1Lで100円程度なので、4分芯のランタンであれば100円で60時間も使用できるということになります。
デメリットは煤(すす)が出やすいのでホヤの清掃頻度が上がること、引火点が40度と低いので、安全に持ち運ぶためには専用の容器に入れる必要がある点です。とにかくランニングコストを抑えたい方は、灯油を使用するのが良いでしょう。
パラフィンのメリット・デメリット
パラフィンを使用するメリットは、灯油とは反対に煤が出にくいこと、引火点が95度と高いため買ったままのペットボトルの状態で持ち運びができるところです。
デメリットは、灯油と比較して圧倒的に値段が高いことです。商品にもよりますが、平均的なもので1Lが1500と、使用するのを躊躇してしまうような値段です。高くついても良いから、メリットの部分を得たいという方はパラフィンの使用を考えても良いでしょう。
ハリケーンランタンの明るさを比較のまとめ
ここまででハリケーンランタンの明るさを比較して、ハリケーンランタンの魅力を感じていただけたでしょうか。手軽に使えるLEDが主流になっている今だからこそ、このアイテムが新たな安らぎをもたらしてくれることでしょう。
今度のキャンプでは、普段使用しているLEDやガスのランタンのサブとして、もしくはハリケーンランタンひとつだけを持ち、温かな炎のゆらぎに癒されてみませんか?