プリムスのライテックトレックケトル&パンを使ってみた感想や使い方をレビューします。
登山を始めて誰もが最初に得る感動、それは料理をして食べる、ではないでしょうか。その味はどんな三ツ星レストランにも劣らず、景色は超高層ビルより高い雲の上。一度登山での調理を経験したら、それが山に登る理由になる人もいるほどの山ゴハン。今回は最初の調理器具に欠かせないクッカーをご紹介します。
プリムスのライテックトレックケトル&パンとは?
クッカーは各アウトドアメーカーから非常に多くのモデルが出ていますが、その中でもロングセラーなのがこのモデルです。メーカーはシングルバーナーなどの火器で世界的に有名なプリムスです。
数ある調理法の中で、煮炊きや鍋物など、水を使用した調理に向いた深型の鍋で、丸型でザックの中に収納しやすく、蓋が簡易的なフライパンやお皿にできるなど、汎用性もある事から初めての調理器具に選ばれることが多いです。
プリムスのライテックトレックケトル&パンをレビュー
ライテックトレックケトル&パンの使いやすい点
価格は他メーカーと比較して特段安くはないモデルですが、他メーカーと比較して以下の特徴が挙げられます。
・本体に注ぎ口があり、汁物を注ぐ際に便利
・底面の滑り止め加工で五徳からの落下防止
・内部加工で焦げ付き防止
また表面もブラックで高品質感があるのも良く、個人的には浅型の蓋はフライパンとして代用する際、一人分のおかずを最低限作るには丁度良いサイズです。中でも上記の注ぎ口は他のメーカーではあまり見られない利点です。
スタッキングに注意が必要
内部にもテフロン加工が施されてるので、ガス缶やバーナー類をスタッキングする際には、テフロン加工が剥げないように注意が必要です。気を付けて入れたら、p-153と250缶はすっぽり入ります。
ライテックトレックケトル&パンのデメリット
デメリットとしては、他メーカーのモデルと比べてやや重たく、またスタッキングも個人的にはやりづらいので、あくまで単独登山向きと言え、テフロン加工も連続使用すると傷もついて性能低下は不可避なので、初めてのクッカーとしては最適ですが、いずれチタン製、ノン加工のアルミ製やフライパンなど、特化型のクッカーが欲しくなりそうです。
ライテックトレックケトル&パンの使い方
登山用の調理器具は、主にシングルバーナーを始めとしたアウトドア用の火器での使用を想定しています。ライテックトレックケトル&パンも同様の想定をしています。
そのためサイズはシングルバーナーの五徳に対応でき、ハンドル部分にはゴムが付き、素手でも扱いやすく配慮がなされているといった特徴があります。
内部加工があるため、強火を続けなければ汁物の焦げ付きは少なく、洗浄も楽です。
登山で挑戦したい炊飯も、同加工と厚さもあるおかげで比較的安定した仕上がりになります。ある程度の炒め物にも対応しています。基本的にはどんな調理にも対応しますが単独登山の容量になるので、グループ山行では別のクッカーを用意すると良いでしょう。
ライテックトレックケトル&パンは焚き火はNG
これが焚き火などで使用すると、ゴム部分が溶けたり、コーティングがあるため非常に高火力な調理には向かないので、登山以外で使用する場合は素材や用途をよく確認しておきましょう。
ライテックトレックケトル&パンの簡単料理レシピ
梅醤油と鶏肉の炊き込みご飯
コッヘルの特性を活かした調理法で、焦げ付きや仕上がりが中途半端な焼き物は避け、炊飯のみで仕上げる効率的な調理です。香りのある梅醤油とさっぱりした鶏肉の相性は良く、夏でもご飯がすすみます。
用意したもの
・米
・梅醤油(自家製)もしくは別途梅を用意して炊き込むのもあり。
・鶏肉(胸やもも肉など)
・水
調理手順
米は水に浸し30分ほど待ちます。日帰りであれば事前に水に浸けておくのも良いでしょう。浸けている間に肉を食べやすい好みの大きさに切ります。
まな板があると非常に便利なので、家庭で使っている物を加工、もしくは100円均一の物でも良いので活用しましょう。
切ったら、梅醤油と鶏肉、米を混ぜ合わせます。
醤油の量は適量ですが、この時は米一合に対し大さじ2杯ほど入れています。炊き上がった後に味が薄い時は後乗せしても良いでしょう。コッヘルの上に重しを乗せ、炊飯を開始します。
今回は水を入れたケトルを重しにしています。コッヘルの熱でぬるま湯程度に加熱されるので、ガスを節約して効率よく沸かすことができます。
火力は中火以上で加熱し、コッヘルからの振動がなくなり、水分が飛ぶまでじっくり炊き上がるのを待ちます。
炊き上がり、10分ほど蒸らしたら蓋を開けます。
完成です。
このまま食べ始めると熱いので、蓋に盛っていくと丁度良い温度で食べられます。
彩で小葱など散らすと香りも良く、見栄えも良いので追加しても良いでしょう。
まとめ
山での調理はシンプルで効率の良い物が求められ、少ないエネルギーで目的地を目指すにはこれは非常に理にかなっています。とはいえ、追求するあまり美味しいといえない物もあり、我慢をすると食欲も減退してしまうので、余裕があれば少し重くなっても、美味しいものを食べられるよう準備をしても良いでしょう。
いかがだったでしょうか。山での調理を体験して、充実した登山を是非楽しまれてください。