キャンプ

登山用バーナーの選び方|初心者におすすめをタイプ・燃料を比較してご紹介!

登山用バーナーの選ぶ時に大切なのは、軽くてコンパクトなものを選ぶこと、リユックに入れて背負って歩く登山では軽さこそが何よりも要求される機能なのです。では登山にはどのようなシングルバーナーがおすすめなのでしょうか?おさえておきたい注意点や燃料やタイプの違いを解説します。

バーナーは一体型か分離型か?

まずバーナーは大きく分けて、一体型と分離型に分けることができます。
ここではこのふたつのタイプの特徴やその用途について、詳しく解説してみたいと思います。

一体型の特徴

まず一体型ですが、これはガスカートリッジそのものを台座として使い、その上にバーナー本体をネジ込みで取り付けるタイプです。
特徴はコンパクトで軽いため持ち運びに便利で、しかも必要な時にすぐに使えるという利点があります。このようなことから、この一体型はソロの登山などにお勧めです。
また必要に応じて250や500などとカートリッジの容量を選べるようになっています。後述するように、使用する場所と目的に相応しいガスの種類がありますので、購入の際は気を付けてください。
なおバーナーのメーカーとしては、世界的に圧倒的な信頼を誇るスウェーデンのPRIMUS(プリムス)が初級者から上級者までの広い範囲で支持をされているようです。

分離型の特徴

これに対して分離型は、ガスカートリッジとバーナーがチューブで接続される方式です。つまり外見的にはカートリッジとバーナーが分離している訳です。このためカートリッジの容量はいくらでも大きくすることが可能になります。火力が十分で安定するため、用途としては冒頭に紹介したオートキャンプやツーリングでよく使われ、大人数の調理に適していると言えます。
しかしこれは一体型と比べて重くなるため、ソロの登山には向きませんが、複数人で行く場合は荷物を分担することで持参することは可能でしょう。
なおメーカーとしてはSOTO(ソト)という国内メーカーが、初心者から上級者までの支持を得ているようです。

初心者におすすめ燃料はガス?ガソリン?

それではここからは、これから登山を始めようと思っている方が、どの様なシングルバーナーを選べばいいのかという視点で、その機能の違いを見ていくことにしましょう。まずはガスとガソリンという燃料の違いからくる、それぞれの特徴を比べてみましょう。

【機能・視点】 【ガスバーナ】 【ガソリンバーナー】
(着火機能) 簡単 予熱とちょっとした技術が必要
(コスト) やや高い 安価
(入手性) メーカー毎、量販店のみ ガソリンスタンドで補充可
(重さ) 軽くコンパクト やや重い
(火力) 中火 強火
(火力調整) 可能 難しい
(極寒地) 不向き 問題なし
(メンテナンス) 簡単 やや難しい

こうして比較してみますと、初心者の方には着火機能や重さの点でガスバーナーの方が相応しいことは歴然です。
一方厳冬期の冬山を目指す、いわゆるエキスパートのような方は、既にガソリンバーナーを選択されていることだと思います。
山登りを始めて間もない方のなかには、まだ夏山程度しか経験がないのに、上級者が使うガソリンバーナーを見て、そのカッコよさに憧れて、ついそれを選んでしまうことも稀にありますが、初めはやはりガスバーナーがおすすめです。

SOTOのガソリンストーブ「MUKAストーブ」の使い方レビュー!MUKAストーブは日本ブランドのSOTOが販売している人気のガソリンストーブ。MUKAストーブの使い方や注意点などをレビューします。 ...

CB缶とOD缶の違いってなに?登山に向いてるのは?

さてこれまで見てきましたように、登山の初心者に推薦するのがシングルガスバーナーです。
そのガスバーナーには、燃料のカートリッジ缶の形状によってCB缶とOD缶があります。CB缶とは「Cassette Bombe」の略で、家庭用のカセットコンロと同じ規格のカセットガスボンベ缶のことです。そしてOD缶とは、「Out Door」の略でアウトドア缶のことです。缶の大きさは直径11cmで高さが8cmほどの専用ガスカートリッジで、この上にバーナーヘッドをネジ込んで取り付けることになります。
それではこのCB缶とOD缶の違いについて詳しく見ていきましょう。

長所 短所
CB缶 安価でどこでも買うことができ、そして家庭用として使えるので、有効利用が可能。 火力がOD缶に比べて弱く、接続可能なバーナーやランタンは限定され、また脚も必要なため重くなる。
OD缶 寒さに強く火力も安定、接続可能なバーナーやランタンの種類が豊富、そしてカートリッジ缶自体がバーナーの脚として利用できるので軽量化が可能となる。 CB缶に比べて価格が高いことと、どこでも売っていない(量販店などのみ)、カートリッジ缶自体を脚としているため、置く場所次第では不安定になる。

こうして長所・短所を見てくると、オートキャンプなどに向いているのがCB(カセットボンベ)缶で、登山に向いているのがOD(アウトドア―)缶ということになります。

OD缶のガスの種類と選び

さて次に、登山用に向いているというOD(アウトドア)缶には、用途に応じて3種類のガスがあります。使用する場所と目的に応じて、使い分けることが必要になります。
その種類とはプロパン、イソブタンそしてノルマルブタンの3種類です。これらを寒冷地に適した順に並べてみるとプロパン、イソブタンそしてノルマルブタンということになります。因みにイワタニプリプスのガスカートリッジには

  • 暖かい時期や低地での使用に適したノーマル(Gガス)
  • 冬も含めてすべての季節及び3000m級の高地でも可能なハイパワー(Tガス)
  • 冬季・高所専用のウルトラ(Uガス)

の3種類があります。

登山用バーナーのプリムス・SOTOおすすめ6選!タイプ別に徹底比較!登山の楽しみを広げてくれる登山用バーナー。登山をするなら一つは持っておきたいアイテムです。でもどんな登山用バーナーを選べばいいかわからな...

初心者におすすめの登山用バーナーは?

さて登山におけるシングルバーナーの選び方について、様々な角度から見てきましたが、これから登山を始められる方へのお勧めは、ガスバーナーのOD(アウトドア)缶で、充填されているガスは、行先にもよりますが、PRIMUS(プリムス) P-153 ウルトラバーナー辺りでいいのではないかと思います。

いずれレベルが上がって高い山にも挑戦するようになれば、カートリッジをハイパワー(Tガス)にすればいいだけです。いずれ厳冬期の山にも挑戦するという方でない限り、日頃からこのシングルガスバーナーの手入れをこまめにすることによって、機能を末永く維持できるものと思います。