シングルバーナーは「一体型」と「分離型」が存在し、od缶とcb缶、ガソリンの3種類の燃料を使用する専用のアイテムも存在するので、初心者が選ぶには最初は迷ってしまいがち。
そこで「一体型」と「分離型」のメリット・デメリットや、2種類の燃料を使用するシングルバーナーの特徴について詳細を解説していきましょう。
シングルバーナーは一体型と分離型の2種類ある
アウトドアでの調理道具として、焚火や炭火を用意せずにサッと加熱が可能な万能器具「シングルバーナー」。一見すると全て同じ使用用途のアイテムに見えますが、厳密に言うと「一体型」と「分離型」の2種類に分かれます。
一体型はガス缶をバーナー本体に直接接続するアイテム、分離型はホースなどで燃料とバーナー本体が分離しているアイテムの総称です。
分離型シングルバーナーのメリットと一体型との違い
分離型と一体型、一見すると性能の違いが分り辛いそれぞれのバーナーの特徴や分離型のメリットについて詳細を解説していきましょう。
抜群の安定感を誇る
分離型のシングルバーナーは、重心が高くなる製品が多い一体型のバーナーに比べるとコッヘルを安定して加熱できる製品が殆どである事が大きなメリット。
特にアウトドア専用のガス缶であるod缶の一体型バーナーは重心が高く安定性がありません。そのため多少の砂利だけでも安定感を失い、頻繁に料理をひっくり返してしまうトラブルが発生しやすいデメリットを抱えています。
分離型であれば五徳が低い位置で設定できるので、多少安定感の悪いフィールドでも一体型に比べると安定して調理が可能。特に安定感を得たい鍋やフライパンを利用した調理にはうってつけのアイテムでしょう。
缶に熱が伝わりにくいため長時間の調理が可能
分離型のシングルバーナーはホースなどで燃料から分離しているため、一体型に比べて燃料のガス缶に炎の熱が伝わらない構造になっています。
燃料であるガス缶は耐熱すると爆発の恐れがあり、長時間に及ぶ調理はどうしてもリスクが付き物。
写真のように風防を利用する特に温度が上がりやすい
そのため複数のアウトドア料理をバーナーを利用して作成する機会が多い方には、分離型のシングルバーナーの利用がおすすめです。
汚れを落としやすい
分離型は燃料であるガス缶が五徳の下から離れているため、調理中の吹きこぼれや油の飛び散りといった汚れトラブルでも最低限の汚れで済むといったメリットを誇っています。
特に鍋や炊飯といった汁が溢れやすい調理と相性はピッタリ。寒い時期で体が温まるような調理を行うシチュエーションが多い場合には、是非導入したい分離型シングルバーナーのメリットです。
分離型シングルバーナー燃料の違い
分離型シングルバーナーの燃料は大きく分けて3種類存在します。それぞれの特徴やメリット・デメリットについても解説していきましょう。
od缶の特徴
od缶とはアウトドアバーナー専用に開発された燃料。ホームセンターのアウトドアコーナーで取り扱っている事が多い反面、出先で緊急に入手しづらいデメリットを抱えています。ですがod缶最大のメリットは、寒い環境でも出力が安定している点。
またod缶対応のガスランタンなど、他のアウトドアアイテムと相性が良いのもグットポイントです。そのためcb缶のように着火しないトラブルに不安を抱えている方は、od缶対応のシングルバーナーの選択がおすすめでしょう。
cb缶の特徴
CB缶とは通称カセットボンベとも言われる燃料。カセット式のコンロにも使用され、緊急時にはコンビニなどでも入手が行えるのが特徴です。更に一本当たりの価格帯がod缶に比べると100円付近で済むためコストパフォーマンスが良好なのも魅力。ただし寒い季節には火力が安定し辛いといったデメリットも抱えています。
またod缶に比べると熱による爆発などの危険を伴いやすいので、バイクのツーリングで移動する際に積載する場合にはマフラーなど耐熱しやすい部品の近くで保管しないよう注意を払いましょう。
CB缶を使用する場合は、CB缶専用のガスランタンで合わせると便利なので、気になる方はこちらの記事。
ガソリンの特徴
ガソリンを燃料としたシングルバーナーはガス缶と違い、高火力で低温下でも安定した火力を維持することができる一方、持ち運ぶ為には専用の燃料タンクや、使用時にはポンピングという燃料の圧縮をさせることが必要になってきますので、初心者の方には向きません。ガソリンバーナーが気になる方はこちらの記事。
od缶分離型シングルバーナーのおすすめ
od缶分離型の中でも使いやすく人気のシングルバーナーを紹介します。
PRIMUS(プリムス) エクスプレス・スパイダーストーブⅡ
- 出力:2400kcal/h
- 収納サイズ:8.7×4.0×8.3cm
- 本体重量:195g
創業125年の歴史を誇る燃焼器具専門メーカー「PRIMUS(プリムス)」から販売される分離型のシングルバーナー。強風時にも吹き消されないゴトクの形状と強力なガスの出力を採用しているため、強風など天候が読めないアウトドアで確実に使用できる安心感を得る事が可能。
更に収納時にはホースも含めて手のひらサイズに収まるので、分離型のかさばり易いデメリットを克服しています。老舗メーカーならではの安心感と、火力のパワフルさを求めている方にうってつけの商品です。
SOTO(ソト) FUSION Trek(フュージョントレック) SOD-330
- 出力:2,800kcal/h
- 収納サイズ:11×6×10cm
- 本体重量:182g
五徳のしっかりとしたボリューム感で調理器具をバッチリ安定させてくれるシングルバーナー。SOTOのバーナーに採用されている、低い気温でも安定した火力で出力が可能な「マイクロレギュレーター」を搭載していているので寒い季節のアウトドアでも安心して使用可能です。
スノーピーク(snow peak) ヤエン ナギ GS-360
- 出力:2800kcal/h
- 収納サイズ:バーナー/129×51×62m
風防ユニット/83×100×27mm
ボトムシート/100×90×30mm - 本体重量:408g
分離型シングルバーナーのデメリットである、嵩張る問題を解決した製品がスノーピーク(snow peak)の「ヤエン」です。収納時には手のひらに収まる程度の大きさへ縮小が可能。
更に特殊な形状のゴトクを採用しているので、砂利や岩場といった不整地でもガタつかずに利用することができます。ゴトクは簡易の風除けになっているので耐風精度も抜群です。
スノーピーク(snow peak) フラットバーナー GS-450
- 出力:3,000kcal/h
- 収納サイズ:360×250×80mm
- 重量:2.2kg
野外でもお洒落なカセットコンロのような使用感覚で利用可能な分離型シングルバーナーがスノーピーク(snow peak)のフラットバーナー。1番の魅力は抜群の安定さで、徹底的に調理中の安定さを求めている方にはぴったりのアイテムです。
スノーピークの折りたたみ式アウトドアテーブル「IGT」を持っているユーザーであれば、合体することも可能。snow peakファンなら、今後のカスタムを考慮して入手しておきたいキャンプギアでしょう。
cb缶分離型シングルバーナーのおすすめ
CB缶分離型の中でも使いやすく人気のシングルバーナーを紹介します。
ユニフレーム(UNIFLAME) セパレートバーナーUS-S
- 出力:2,400kcal/h
- 収納時サイズ:125×130×75mm
- 重量:450g
4本足のゴトクにより抜群の安定感を得た製品が「ユニフレーム(UNIFLAME) セパレートバーナーUS-S」。すり鉢状のバーナーを採用していることにより、cb缶を使用する分離型バーナーの弱点であった風への弱さを克服。コストが安いcb缶の離型シングルバーナーで、風耐久の不安をお持ちの方にはうってつけの製品でしょう。
SOTO(ソト) FUSION(フュージョン) ST-330
- 出力:2,500kcal/h
- 収納時サイズ:幅11×奥行7.5×高さ9cm
- 重量:245g
微妙な火加減調整が可能で、炊飯などの繊細な火力コントロールが必要な調理が多い場面で活躍する離型シングルバーナー。
FUSION Trek(フュージョントレック)同様に、古い型番に比べて重心が低く設定されているので、離型シングルバーナーならではの安定感も抜群です。耐風性も特有の、すり鉢状の火口のため簡単には吹き消されないのも魅力的。
まとめ
最後に分離型シングルバーナーのメリットやad缶、od缶の特徴についてまとめていきましょう。
- シングルバーナーは下に燃料が固定される「一体型」と、ホースで分離している「分離型」の2種類
- 分離型シングルバーナーは重心が低いので、汁物や炊飯などの調理と相性抜群
- 熱がダイレクトに伝わる一体型に比べて、分離型は長時間の料理でも安心して使用可能
- 分離しているので、汚れを落としやすい
- od缶はアウトドア専用の燃料で、出力が高い
- cb缶はカセッココンロなどに使用される燃料で、価格が安く手軽に入手可能
分離型シングルバーナーの特徴や、燃料の種類についてご理解頂けたでしょうか。特にこだわりのアウトドアクッキングを楽しむ場合には、長時間のバーナーの使用になりがち。ストレスなく調理を行うには、ゴトクの安定したバーナーの使用がオススメですよ。
汁物などひっくり返りやすく、一体型では危険性が伴う調理を行う機会が多い場合には、安全に長時間の調理を楽しめる分離型シングルバーナーの購入を検討してみては如何でしょうか。