OD缶とCB缶のコスパは、どっちが良いか気になる方も多いのではないでしょうか。当記事ではアウトドアバーナーの気になる燃料による特徴や違い、変換アダプターなどの詳細について解説していきます。
そもそもOD缶/CB缶とは?
アウトドアストーブには「OD缶」専用と「CB缶」専用器具の2種類が存在します。
「OD缶」は主にアウトドア専用の燃料として開発された、アウトドアストーブ専用の燃料。
「CB缶」はカセットボンベの略で、冬場の鍋にカセットコンロの燃料として使用した経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
アウトドアストーブには、それぞれ適した燃料タイプが存在するので確認不足では使用できないことも。
そのため購入後に後悔しないためにも、購入の前に使用燃料の事前確認を済ませ注意する必要があるでしょう。
またOD缶/CB缶にそれぞれ対応したシングルバーナーに関する詳細については、以下の記事で解説していますので興味がある方はご参考下さい。
OD缶/CB缶の違いや互換性は?
2種類の燃料タイプを理解したものの実際に利用する上で気になるのが、それぞれの違いや特徴ではないでしょうか。
そこで2種類の燃料タイプの特徴や、互換性の詳細についても解説していきます。
OD缶の特徴
OD缶最大の特徴は出力が安定していることで、肌寒い低気温の環境下でも安定した使用を行える点が挙げられます。
特に装備を整えた冬でのキャンプや登山といった過酷な環境を想定しているユーザーであれば、ガスストーブの安定した使用感は死活問題。
更に燃料缶自体も頑丈な作りを採用しているものが多いため、荷物が多くなりがちでアイテム同士がぶつかり合うアウトドアでも安心して使用することができます。
そのためガスストーブをキャンプ場で確実に使用したい方には、最適な選択肢となる燃料でしょう。
デメリットとしてはホームセンターやアウトドアショップなどの特殊な店舗でしか購入できないため、若干出先で入手し難い点が挙げられます。
CB缶の特徴
CB缶の特徴として、コンビニやスーパーなどでも取り扱っているカセットボンベを利用することができる点でしょう。
特に暖かい季節だけキャンプ泊にお湯を温める目的で使用するような、ライトユーザーに支持されるガスストーブです。
デメリットとしては、カセットボンベはアウトドア用に最適化された燃料ではないので出力が安定しない点が挙げられます。
更にカセットボンベ自体も耐久度があまり高くはないため、穴空きなどの燃料漏れのトラブルが発生しやすい点もデメリット。
そのためハードユーザーではなく、アウトドア初心者にオススメできる燃料となっています。
OD缶/CB缶の互換性について
それぞれメーカーに指定された燃料のみ使用が可能とされており、基本的には互換性がない製品が大半。(互換性はありますが、メーカーの保証対象からは外れます。)
特にOD缶はメーカーごとに燃料の接続部分が微妙に異なるため、仮に使用できたとしても燃料漏れなどのトラブルは自己責任となります。
そこで活用したいのが、各ガスストーブに専用品として販売されている「変換アダプター」。
変換アダプターとは燃焼器具に接続することで、本来では使用できないタイプの燃料を使用可能にする製品です。
変換アダプタを使用する注意点として、必ず燃料の前に燃焼器具との接続を先に行いましょう。
理由としては、先に燃料側へ取り付けると常にガスが漏れ出し燃料漏れを起こしてしまうため。そのため燃料器具の取り付けを行った後に、変換したい燃料を回し込むように接続を行う必要があるため注意しましょう。
また変換アダプタはガスの詰め替えも可能と記載していますが、非常に危険を伴う行為なので変換用としての利用を強くオススメ致します。
OD缶/CB缶の詰め替えは違法?
ガスの詰め替え行為は違法行為、及び無資格者の取り扱いによる罰則の対象になります。理由としては素人によるガス容器の燃料詰め替えは「容器保安規則第8条」に該当するため。
ネット上には詰め替え専用の製品紹介や、詰め替え方法が紹介されていますが爆発のリスクを伴う非常に危険な行為です。
そのため安全にガスストーブを利用するのであれば、詰め替えではなく変換アダプターを用いた互換性アイテムを使用する方法を推奨します。
コストパフォーマンスはOD缶/CB缶のどちらが良い?
結論から言うとランニングコストは圧倒的にCB缶が優れており、コストパフォーマンスが良好です。
OD缶は内蔵容量に対して高額なため、使用し続けた場合にかかる費用はカセットボンベの4倍に相当する値段になることも。
そのためOD缶専用のアウトドアバーナーでは、変換アダプタを用いて真夏の平地でお湯を沸かしたり調理を行ったりする使用コストが割安なCB缶を使用。
登山や冬場などのハードな環境下で使用する場合にはOD缶を用いるなどの使い分けが、最も賢い利用方法でしょう。
CB缶・OD缶燃料の代表的ギア
2種類の燃料ごとによる特徴や変換アダプタ、コストパフォーマンスの詳細を解説したところで、それぞれの代表的なキャンプギアについて紹介していきます。
それぞれの燃料ごとによる代表的なギアの購入を検討している方は、是非参考にしてみて下さい。
ソトレギュレーターストーブ ST-310
大人気アウトドアメーカー「SOTO」が販売する、CB缶対応の代表格とも呼べるガスストーブです。
本体は折りたたみ式でコンパクトに折り畳みが可能な上、CB缶を横に配置する事により小型にも関わらず安定した加熱を実現。
更にCB缶の弱点である出力の弱さも、SOTOが独自に開発した「マイクロレギュレーター」を搭載し低温時にも安定した利用を行うことができます。
更にウィンドスクリーンや点火アシストレバーなど、カスタムパーツも豊富に販売されているので買い揃えるたびに利便性が向上していくのもSOTO製品の魅力。
CB缶対応の製品で安定した使用感を期待しているユーザーには、特にオススメしたい製品となっています。
イワタニカセットフーマーベラスII
大手カセットコンロメーカー「イワタニ」から販売される、アウトドアや家庭用と両刀で使用可能なカセットコンロが「イワタニカセットフーマーベラスII」です。
見た目は通常のカセットコンロと大差はありませんが、最大の特徴として野外での使用を想定し施された風対策の数々。
折りたたみ式のトップカバーは、持ち上げるだけでウィンドスクリーンとして機能します。
更に状況に応じて、最も強い風向きへ向ける事により大幅に火力を妨げることも可能。
更にトップカバーで防ぎきれなかった風は、内部に施された防風リングによりシャットアウトされる2段構造を採用しています。
更にCB缶の悩みである出力の弱さも、野外で使用するアウトドア用として開発されているため安定した出力を実現。
特にグループキャンプやファミリーキャンプなど、大人数でアウトドアを楽しむシチュエーションに是非導入したいギアの一つです。
スノーピーク HOME&CAMP バーナー
アウトドアブランドの最高峰「SnowPeek(スノーピーク)」から販売される、CB缶が燃料のアウトドア用と家庭用の両方で使用可能なギアが「HOME&CAMP バーナー」です。
「HOME&CAMP バーナー」は、カセットコンロ最大のデメリットである持ち運びの不便さを折りたたみ式のゴトクを採用する事により克服。
結果として筒状で収納できる利便性の高い形状を実現し、積載量の限られるアウトドアでも持ち運びしやすい形状が魅力の製品となっています。
またシングルバーナーでは苦手な弱火のコントロールも「HOME&CAMP バーナー」は実現可能なので、繊細な火力調整を行えるのも大きなメリットでしょう。
コールマン(Coleman) バーナーパワーハウスLPツーバーナーストーブ2
通常のシングルバーナーで一品ずつしか料理を作成できない問題を解決したのが、家庭用コンロのような使用感を実現可能なツーバーナーシリーズ。
そしてアメリカの大手アウトドアブランド「Coleman(コールマン)」から販売されるツーバナーが「パワーハウスLPツーバーナーストーブ2」です。
火口が2カ所存在するだけで、炊飯を行いながら料理の作成の同時進行が行えるなど料理時間の効率をグッと上昇することができます。
また幅広いスペースを生かして、幅の広い鉄板料理やたこ焼きなどグループキャンプに最適な料理を楽しむことも可能です。
ランニングコストの高いOD対応の製品なので、変換アダプタを使用することでコストの安いCB缶の利用を検討したいアイテムの一つでしょう。
PRIMUS(プリムス) シングルバーナーウルトラ・スパイダーストーブII
風に吹き消され難い最大出力の高さにより、安定した使用を実現することが可能なシングルバーナーが「プリムス 2234バーナー」。
強風時にでも吹き消され難い特殊な設計を施しており、CD缶ならではの出力の強さを最大限に活かした利用感が最大の魅力です。
また燃料自体を台座として利用する変換アダプタが使用できないシングルバーナーが多い中、ホース式なのでCB缶への変換も可能。
最大出力の高さを求めているものの、時々CB缶を利用した経済的な利用も行いたい方には最適なキャンプギアでしょう。
スノーピーク(snow peak) フラットバーナー GS-450
シンプルな構造ながらも、SnowPeek製品らしい高級感溢れる重量感が魅力のバーナーが「フラットバーナー GS-450」。
また余計な機能を搭載していないシンプル構造なので、汚れがちなバーナーのゴトク清掃も楽々行えるのも魅力の一つ。
更にスノーピークから販売されるIGTと併用する事により、合体して利用することもできます。
そのためIGTのカスタムアイテムの一つとして採用し、徐々に自分のIGTをパワーアップすることができるのも魅力。
更に出力の高いOD缶対応で、低温時にも安定した火力を供給可能なキャンプギアとなっています。
OD缶/CB缶の違いまとめ
最後にOD缶/CB缶の違いについて、詳細をまとめていきましょう。
- 「OD缶」は、アウトドア用の燃料として最適化されたガス燃料缶
- 「CB缶」は、カセットボンベの略で幅広い用途で使用される
- 変換アダプターを用いる事により、対応していないガス燃料を使用することが可能
- ガスの詰め替えは「容器保安規則第8条」により違法行為
- コストパフォーマンスは4倍近くCB缶が優れている
OD缶/CB缶対応のバーナーの購入を検討している方は、参考としてお役立ていただけたでしょうか。
アウトドアで使用するガス缶は種類を事前に把握して置かなければ、購入後に後悔することも珍しくありません。
目的に応じたバーナーや燃料選びで、失敗しない最適化されたアイテムでアウトドアライフを実現しましょう。