キャンプの醍醐味といってもいい焚き火。焚き火をしたいがために、キャンプに行かれる方も多いのではないでしょうか。あの不規則な炎の揺らぎは幻想的で、癒しの効果もありますよね。そんな焚き火をするにあたって必需品となってくるのが焚き火台です。環境配慮の視点から直火NGのキャンプ場も増え、焚き火の際に焚火台を使用するのはキャンパーとしてのマナーになってきています。
中でも、コンパクトさ、軽量さ、シンプルな作りの美しさから人気となった「ピコグリル」という焚き火台を知っていますか?ソロキャンプ動画で有名な芸人のヒロシさんが、自身のYouTubeチャンネルで愛用品として紹介したことでさらに注目を浴び、今では手に入りづらい焚き火台の1つとなっています。
定価以上のお値段になったり、類似品が流通していたりと、ピコグリルを買いたくても「どこで買えばいいの?」「類似品とは何が違うの?」と疑問を抱いている方もいると思います。
今回はそんな疑問だらけのピコグリルに関して、定価やスペック、類似品との比較から、正規品のピコグリルはリスペクトしつつも、やっぱりお手頃価格で購入したい方におすすめの類似品についてご紹介します。ピコグリルを購入する際にできるだけ惑わされないよう、参考にしてみてくださいね。
人気の焚き火台、ピコグリルとは?
そもそもピコグリルとはどんな焚き火台なのか、まずは基本情報をご紹介します。
ピコグリルは1983年にスイスで誕生した、環境に配慮しつつ、高品質で軽量、そして長期使える頑丈さが特量的な焚き火台です。今回メインでご紹介する「ピコグリル(Picogrill) 398」の「398」は開発当初の重量です。改良を続けた結果、現在は本体の重さが448gになっています。
開発当初より少し重くはなっていますが、キャンプで使用する焚き火台としてはかなり軽量なことが分かりますよね。収納もコンパクトになるため、登山キャンプやソロキャンプ、ツーリングキャンプなどで愛用されている焚き火台となっています。
「ピコグリル398の他にも、約2倍の大きさの「ピコグリル760」や軽量なネイチャーストーブ「ピコグリル85」「ピコグリル239」といったラインナップがあるので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
ピコグリルを定価で買うなら正規代理店で買うのががおすすめ
ピコグリルは楽天やアマゾンといった通販サイトでもなど購入できますが、人気に比例して価格が定価以上に高騰していたり、販売店によって価格が非常に流動的で正規価格かどうかの見分けがつかないことが多くあります。また、「安い!」と思って購入したら実は偽物であったりと注意が必要です。
そのため、本物のピコグリルを適正価格で購入したい場合には、正規代理店で購入するのがおすすめですよ。
ピコグリル正規代理店【Pikari outdoor-shop】
Pikari outdoor-shopさんのサイトによると、2024年4月時点のピコグリル398の定価は【12,800円(税込)】となっています。
送料はゆうパケット(全国一律300円)か、ゆうパック(600-1,000円)のどちらかを選択できますよ。
大手通販サイトの価格を見てみても、定価以上のものが多く中古でも3万円を超える出品もあります。正規代理店以外で購入する場合には本物のピコグリルか、定価と見比べて価格はどうか、新品かなど細かくチェックすることを忘れないでくださいね。
ピコグリル398が人気な4つの理由
プレミアがついたり、偽物が流通するほどに人気のピコグリル。人気の理由はその使い勝手が良い4つの点を紹介します。
- 薄い!軽い!組み立て簡単
- 調理にも使える安定感
- 焚き火も楽しめる燃焼効率の良さ
- 湿った薪が乾かせれる
ピコグリル人気のポイント①:薄い!軽い!組み立て簡単
ピコグリルの本体重量は約448gと、一般的にキャンプで使用する焚き火台と比較してもその軽量さは一目瞭然です。
また軽さだけでなく、パールはすべて折りたたみが可能で、付属の収納ケースにしまうと大きさはA4サイズほどで厚みは約1cmととてもコンパクトになるのも人気の理由。
この大きさであれば、キャンプなどのアウトドアでザックに入れて気軽にどこでも持って行けますね。荷物を極限まで減らしたい登山やツーリング時のキャンプでも大活躍しますよ。
使用の際には組み立てが必要ですが、組み立ても簡単ですので心配はいりません。脚を組み立てたら、2枚のステンレス版をはめ込み、フレームと合体させるだけで使うことが出来ます。
コンパクトで軽量、組み立てが簡単とキャンプ初心者でも扱いやすい焚き火台となっています。
ピコグリル人気のポイント②:調理にも使える安定感
ピコグリルのフレームはとても細いので強度が心配に思う方もいるかもしれませんが、別売りのスピット(串)を使用するとケトルはもちろん、鍋などの重いものを載せても倒れたりぐらつくことがほとんどありません。
華奢な見た目のわりに屈強な作りであるのは、アウトドアで使用することを考えると大切な要素ですよね。スピットそのものを食材に刺して串焼きを楽しんだり、市販の網を本体の上にのせて食材を焼いたりと、用途に合わせて別売りの調理アイテムを上手に使うと、キャンプ飯の幅も広がりますよ。
ピコグリル人気のポイント③:焚き火も楽しめる燃焼効率の良さ
もちろん、ピコグリルは焚き火台ですので、焚き火を存分に楽しめる作りになっているのも人気の理由です。
最近では小型の焚き火台も増えてきましたが、小型の焚き火台を使っていて不便に感じることといえば、薪を小さく割らなくてはいけないことです。ところがピコグリルは大きな薪もそのまま横置きで燃やすことが出来ます。
華奢な見た目でしっかり燃やせるかと思ってしまいますが、ステンレスでできた頑丈な火床が“くの字型”にくぼんでいて、さらにスリットも入っているため空気の循環がしっかりされるため、効率よく大きな薪でも燃やしきることが可能です。
焚き火が大好きなキャンパーも大満足の焚き火台ですよ。
ピコグリル人気のポイント④:湿った薪が乾かせれる
現地で薪を調達する時に気になるのが薪の湿気。ピコグリルの下に薪を置くと焚き火の熱で水分を若干ですが、乾かすことができるので、薪を燃やしやすくなります。
ピコグリルの気になる4つのポイント
メリットがたくさんあるピコグリルですが、愛用者の芸人ヒロシさんをはじめピコグリルについてキャンパーが気になる点が4つあるので挙げておきます。
- 地面への影響が心配
- 火床がズレやすい
- 火床から五徳までの距離がある
- 風に弱い
ピコグリルの気になるポイント①:地面への影響が心配
効率のいい燃焼を促すために入っている火床のスリットですが、この穴が意外と大きく、地面に灰が落ちてしまうことがよくあります。熱いままの灰や燃焼中の小さな木の破片が地面に落ちてしまうと、地面に大きなダメージを与える可能性があるため、ピコグリルを使用する際には灰受けや防火シートといった地面を守るためのアイテムを一緒に使ってくださいね。
ピコグリルの気になるポイント②:火床がズレやすい
簡単な組み立てがメリットでもあるピコグリルですが、火床はスタンド部分に引っかけてあるだけですので、雑に大きな薪を入れたり移動させようと持ち上げた衝撃で火床がずれてしまうことが多々あります。そのままでも使えなくはないですが、何度も直す手間を考えると少しストレスに感じるかもしれません。
20回程度使用しましたが、薪を置かなくても変形してしまいズレが生じています。ピコグリル398よりサイズの大きいピコグリル760は火床の穴にスタンドを差し込む作りとなっているので、火床がズレるといったストレスがないようなので、どうしても気になる方は大きいサイズも検討してみるのも良いですね。
ピコグリルの気になるポイント③:火床から五徳までの距離がある
ピコグリルは火床から五徳までの距離があるので、風がある日などは特に熱が伝わりにくいです。直に薪の上にクッカーを置くか、別に五徳を用意するほうが調理がしやすいです。
ピコグリルの気になる点④:風に弱い
ピコグリルには大きな薪もしっかり燃やせる燃焼効率の良さがある一方、風よけがないため風に弱いという弱点があります。
料理をする際に安定的な火力を求めたい時や、座っている場所重点的に暖かい風がくるようにしたい時は四方を囲ってくれる風防を合わせて使うのがおすすめです。
ピコグリルには類似品や偽物が多い
一切の無駄をそぎ落とし、軽量でコンパクト、そして燃焼効率の高さを実現したピコグリルのシンプルなデザインは、コピーしやすい焚き火台となってしまいました。ピコグリルを通販サイトやフリマアプリで検索すると、本物のピコグリルよりも類似品が多くヒットすることもあります。悪質な場合には本物と偽って、偽物のピコグリルを出品している場合もあるので注意が必要です。
類似品やピコグリルの偽物はamazonなどで低価格で販売されている
「類似品=悪」ということではなく、本物のピコグリルに近づけようと試行錯誤しているメーカーも多いです。本物のピコグリルの使い勝手の素晴らしさを完璧に再現できてはいないとは承知の上、同じようなデザイン、機能、コンパクトで軽量な焚き火台をピコグリルよりも低価格で手に入れたい人が多くいるからこそ、類似品が出回ってしまうのかもしれません。それだけ本家が素晴らしいということですね。
偽物ではなく類似品の適正価格で購入するのがおすすめ
「ピコグリルの偽物」というよりも、「他メーカーのピコグリルの類似品」として、適正な価格と適切な商品説明を確認した上で購入する方も実際にはたくさんいます。納得の上購入したものですから、満足のいく使い心地であることも多いようです。
本家ピコグリルと類似品を比較
本家ピコグリルと類似品を比較してみました。比較した項目は以下の4つのポイント。
- 火床の比較
- スピットの比較
- 熱効率の比較
- 地面への影響の比較
火床の比較
本家ピコグリルは真ん中が湾曲になっているのに対し、類似品の多くは平らなステンレス板といった感じです。
※ピコグリルの湾曲は使用に伴う変形の可能性が若干あります。
広げた状態でも類似品は平らな状態。
スピットの比較
本家ピコグリルはスピットが2本ついてるのに対し、類似品は2本もしくは3本といった感じです。
熱効率の比較
類似品の多くは改良され、火床から五徳までの距離が本家より近く、料理がしやすい感じです。
地面への影響の比較
本家ピコグリルは、別途スパッタシートを購入して地面への対処が必要ですが、類似品にはトレーがついてるものもあり、地面への対処も万全です。
比較してみて
本家ピコグリルとピコグリルもどきを比較してみて、ピコグリルもどきは火床が少し斜めにはまったり、ステンレスのバリがあったりと全体的に雑な作りもありますが、本家ピコグリルより重みがありしっかりとした作りなので、低価格と割り切って使うなら十分使える軽量焚き火台だと思います。
類似品ピコグリルのおすすめ6選
ピコグリルの類似品はとにかく種類が豊富。ここからはおすすめのピコグリルの類似品5品を紹介します。「ここは妥協できるかな?」と思えるポイントがあれば、ピコグリルのようなコンパクトで軽量な焚き火台が低価格で手に入りますよ。
TokyoCampの焚火台
組立サイズ | 幅40 × 奥行22 × 高さ26cm |
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収納サイズ | 幅34 × 縦22cm |
重量 | 965g |
耐荷重 | 10kg |
素材 | ステンレス |
ピコグリルの類似品の多くは中国製が多く、品質や保証などに心配を抱く方も多いです。製品説明の文章内で日本語や漢字表記に不審な点があると、購入もためらってしまいますよね。そんな方には日本ブランドのTokyoCampの焚き火台がおすすめです。
ピコグリルと比較すると、火床の角度が少し平ら気味ですが、耐荷重も約10㎏と安定性の心配はいりませんよ。120時間の燃焼実験もされていて、丈夫な作りとなっています。何より、やはり安心の日本製なので発送時には本体すべてに傷予防の保護シートが貼られていたり、90日間のメーカー保証も付いていたりと商品に対する愛を感じますね。不安なく購入したい方はおすすめですよ。
GONGGONG 焚き火台
組立サイズ | 幅38.5 × 奥行23 × 高さ28cm |
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収納サイズ | 幅33 × 縦23× 厚さ2cm |
重量 | 830g |
耐荷重 | 6.5kg |
素材 | ステンレス |
耐荷重が6.5㎏と十分なサイズで、一回でたくさんの薪を燃やすことが出来ます。
また、何度か改良されているGONGGONGの焚き火台は火床の角度などが細部まで計算されていて、大きな薪を入れても安定するよう考えられています。低価格でも安全に焚き火が楽しめるようになっていますよ。
大きな薪も入れられるほど容量は十分なのに収納サイズはピコグリル同様A4サイズほどなので、ザックに入れてキャンプや登山などで気軽に焚火を楽しめますね。購入から1年間の保証期間があるのも嬉しいポイントです。
UPGO 焚火台
組立サイズ | 幅38.5 × 奥行24.5 × 高さ26cm |
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収納サイズ | 幅33.5 × 縦23.5× 厚さ1cm |
重量 | 648g |
耐荷重 | 6.5kg |
素材 | ステンレス |
安定感重視のUPGOの焚き火台は、シンプルなフレームが特徴的なピコグリルとは違いフレームが少し複雑に組まれていて、デザインの違いが分かります。安定性は高いのですが、その分組み立てはピコグリルよりも少し手間に感じるかもしれませんね。
また、バリ取りがしっかりされていない箇所も多く、その上パーツはそれぞれかなり薄い作りなので素手で触ると危険なこともしばしば…。使い始める前に気になる部分をやすりがけをしてくださいね。
少し手間のかかる部分もありますが、コスパや安定感重視の方にはおすすめの焚き火台ですよ。
Bluego 焚火台
組立サイズ | 幅39 × 奥行22 × 高さ25cm |
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収納サイズ | 幅35.5 × 縦23.5× 厚さ5cm |
重量 | 380g |
耐荷重 | 6.5kg |
素材 | ステンレス |
こちらの焚き火台もピコグリルとは違ったデザインで、フレームの組み方が焚き火台で大切な安定性の高さを生み出しています。本体重量はたったの380gと超軽量な焚き火台ですが、その軽量な本体は100時間薪などを燃焼しても変形しないほど頑丈な作りだとうたっています。口コミ評価も高いので、試しにピコグリルのような軽量な焚き火台を使ってみたい方には十分なスペックとなっていますし、おすすめですよ。
SxoSyo 焚き火台
組立サイズ | 幅21 × 奥行21 × 高さ26.5cm |
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収納サイズ | 約A4サイズ |
重量 | 930g |
耐荷重 | 5kg |
素材 | ステンレス |
ピコグリルの火床には大きめなスリットが入っていて、灰が落ちて地面を傷つけないよう工夫をする必要があります。
ですがSxoSyoの焚き火台の焚き火台は灰受けがしっかりついているので、地面へのダメージを大幅に軽減できる他、後片付けも楽にできますよ。
調理に便利なスピット串もセットになっている他、焚き火に便利な火吹き棒とノコギリもセットで3,000円以下とコスパを求める方にぴったりの焚き火台です。
Jetika 焚き火台
組立サイズ | 幅21.5 × 奥行21.5 × 高さ26cm |
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収納サイズ | 縦21.5 × 高さ26cm |
重量 | 1,000g |
耐荷重 | 6.5kg |
素材 | ステンレス |
焚き火台より一回り大きい焚き火シートが付いているので、大きめの薪を燃やしても灰が地面に舞ってしまうのを軽減してくれます。焼き網も付属しているのでBBQも楽しめますよ。
従来品から安定性がUPしていて天板をセットする際も滑りにくくなったので、華奢な見た目の焚き火台を使うのに少し不安な方はぜひ使ってみてくださいね。
ピコグリルの種類3選を紹介
「ピコグリルが気になる!」と思っても、検索すると色々な種類が出てきて少し困惑しますよね。そこでここでは
- ピコグリル398
- ピコグリル498
- ピコグリル760
この3つの種類について簡単に紹介します。
それぞれに特徴や使うのにおすすめのキャンプスタイルが変わってくるので、比較して自分に合うピコグリルを見つけましょう。
ピコグリル398
軽量な焚き火台の人気の火付け役ともいえるのが「ピコグリル398」です。
これまでの「焚き火台=重い・かさばる」という概念を払拭し、収納サイズはA4サイズほどで重量は500g以下とソロキャンパーや登山キャンプで焚き火を楽しみたい方にぴったりです。
華奢な見た目ですがその燃焼効率は非常に高く、大きくて太い薪もしっかり灰になるまで燃やし尽くせますよ。
ピコグリル498
収納サイズはA4サイズのままに、広げた大木だが少し大きくなったのが「ピコグリル498」です。火床のズレにくさも軽減されていて、ピコグリル398のアップグレード版となります。
大きな違いとしては逆三角形の形をしたフレームが追加されたことにより、フレームが2階建て構造になったことです。このおかげで上段にも下段にも五徳がかけられるようになったので、遠火と近火が使い分けて料理をしたい方も使いやすくなっていますよ。
ピコグリル760
コンパクトで重量1kgをきる軽量さがありながら2~8人のグループキャンプでも使いやすいのが「ピコグリル760」です。ピコグリル389の2倍ほどの大きさがあるので大人数でのBBQも楽しめますよ。
サイズの大きさを活かして半分に五徳を使ってクッカーを乗せ、半分でBBQをするといった使い方もできます。人数や使い方に縛られず多様な使い方をしたい方におすすめです。
ピコグリルの類似品と本家の違いを比較とおすすめのまとめ
機能性はもちろん、組み立てやすいシンプルな作りと、ザックに気軽に入れて持ち運べるコンパクトなピコグリル。数多くの焚き火台を使っているキャンパーが絶賛するほど魅力的な商品なので、定価で手に入らないこともあります。そんな時は類似品を探してみるのもおすすめですよ。
本家には及ばずとも、焚き火台の使い方は人それぞれなので、値段なども考慮すると類似品ピコグリルでも十分満足が得られることもあります。ただ、本物と称して偽物を売っている場合もあるので、ピコグリルを購入するときは十分注意してくださいね。焚き火台は重いという従来の概念を覆す使い勝手抜群のピコグリルを使って、気軽に焚き火を楽しんでくださいね。