布一枚に切れ目が入った斬新なデザインのDOD「ヌノイチ」は発想次第であらゆるアレンジが楽しめると話題のタープです。今回はそんな自分だけの基地がつくれるヌノイチの魅力に迫ります!商品の特徴やおすすめの使い方はもちろん、少し分かりづらい基本の張り方も丁寧に説明していきますよ。
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DOD「ヌノイチ」とは?
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ヌノイチは布一枚で設営することから名付けられました。正式名称は「NUNO-ICHI(ヌノイチ)」、とても分かりやすいネーミングですね。
一枚の布に切れ目が入っただけのシンプル設計ですが、ループやグロメットの数や位置が綿密に計算されていて付属のロープとポール、ペグを使うことでキャンプにおける様々なシチュエーションに応じた張り方を楽しむことができます。フルクローズするとテントのような見た目になり、タープとしてもテントとしても使える万能な「布」ですよ。
S、Mサイズの比較
商品名 | ヌノイチ S | ヌノイチ M |
---|---|---|
使用サイズ | 幅340 ×奥行210 ×高さ150cm | 幅510 ×奥行315 ×高さ225cm |
収納サイズ | 幅62 ×奥行16 ×高さ16cm | 幅80 ×奥行20 ×高さ20cm |
重量 | 5.9kg | 11.3kg |
材質 | ポリコットン(ポリエステル65%、綿35%)、アルミ合金 | ポリコットン(ポリエステル65%、綿35%)、アルミ合金 |
最低耐水圧 | 350mm | 350mm |
付属品 | ポール、ロープ、ペグ、キャリーバッグ | ポール、ロープ、ペグ、キャリーバッグ |
カラー
ヌノイチにはサイズがSとMの2種類あり、カラー展開は以前はタンとカーキの2色ありましたが現在はカーキの1色のみとなっています。
サイズ感
SサイズとMサイズの大きさについてですが、Sサイズはソロキャンプにおすすめのサイズです。メーカーは2人までのキャンプにおすすめしていますが、荷物や寝室をタープ内に収めることを考えるとソロキャンプでの使用が余裕をもてるのでおすすめですよ。ソロキャンプであれば、十分な居住スペースとなっています。
Mサイズは2~3人での使用でもゆとりをもって過ごせるサイズ感となります。ソロキャンプでの使用となると贅沢な大きさですよ。
せっかくなら生地幅が1.5倍大きいMサイズが欲しくなりますが、重さがSサイズの倍になってしまうので持ち運びには注意が必要です。材質、最低耐水圧、付属品の内容は同じになりますのでキャンプスタイルに合わせた無理のないサイズを購入してくださいね。
DODヌノイチの特徴
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ここからは具体的にヌノイチの特徴について紹介していきます。魅力的なポイントが多いので必見です!
丈夫なポリコットン生地
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ヌノイチは生地に厚みのあるポリコットン地を使用しています。ポリコットンはポリエステルとコットンの良いとこ取りをした素材になっていますので、多少の雨でも撥水性に優れていて、焚き火などの火の粉があたっても穴が開きにくい耐久性の高さがあります。
また、ポリウレタンコーティングは施されていないので加水分解で記事がボロボロになる心配もありませんよ。
ポリコットンは燃えにくい素材ではあるものの、燃えない素材ではありません。そのためヌノイチの下で焚き火をしたりBBQをするのは避けましょう。
プライバシーもしっかり守れる
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ヌノイチはキャンパーの発想次第で様々な形で設営することができます。付属のポールとロープを使ったベーシックスタイルで設営すると、ほどよく自然を感じられながら周囲の視線は気にならない程度にシャットアウトしてくれますよ。張り方一つでキャンプ時によくある気まぐれな天候にも対応できるのは使いやすいですね。
張り方のアレンジを楽しめるシンプル設計
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ヌノイチはSサイズで26ヶ所、Mサイズで30ヶ所にロープを結ぶためのループとポールを通すためのグロメットが配置されています。別途ロープやポール、ペグを用意すればこのループとグロメットを使って様々な張り方を楽しむことができますよ。
軽量で強度の高いアルミポールが付属
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付属のアルミポールは軽量で強度が高いので設営時も安心です。ベーシックスタイルを設営するために必要な4本が付属されていますよ。
夜でもペグ位置が確認できる蓄光ネイルペグが付属
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付属のペグも強度が高く、またフック部分には蓄光素材が採用されていますので夜間でも目立ちます。夜中に急な風でヌノイチを張り直したい時もすぐにペグが見つけられますね。
初心者も安心!収納しやすい付属バッグ
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付属の収納袋は大きめに作られているので、初めてヌノイチを使用した人でも簡単に収納することができます。また、コンプレッション機能があるので収納後はサイズを小さく収めることができますよ。
設営後の大きさや重さ、生地に厚みがある割にはコンパクトに収納することができるので積載も困りませんね。
DODヌノイチの設営(ベーシックスタイル)
ヌノイチには様々なアレンジした張り方がありますが、ここではベーシックスタイルと呼ばれる基本の張り方を紹介します。
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①短い方のポールをグロメットに差し込む
まず、短い方のポールを2本組み立てて、ヌノイチ本体の切れ目部分にあるそれぞれのグロメットにポールの先端を差し込みます。
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②差し込んだポールにロープ(長)を結んで調整
差し込んだポールの先に長いロープを2本結び付け、ペグで固定します。ペグで固定したらポールを垂直に立たせ、安定して立つようにロープの長さを調整します。
この時に固定するペグは後ほど他のロープも引っかけますので最後まで打ち込まないようにしましょう。
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③寝室側の2か所をペグ打ちする
寝室側となる生地側を引っ張って、2ヶ所ペグ打ちをします。
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④側面の2か所をペグ打ちする
寝室側の次は、側面の2ヶ所を引っ張ってペグ打ちをします。
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⑤長い方のポールを前室側のグロメットに差し込む
続いて、長いポールを2本組み立てて前室部分のグロメットにそれぞれ差し込みます。
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⑥差し込んだポールにロープ(長)を結んで長さを調整する
差し込んだポールの先に長いロープを2本結び付け、ペグで固定します。ペグで固定したらポールを垂直に立たせ、安定して立つようにロープの長さを調整します。
②同様、この時に固定するペグは後ほど他のロープも引っかけますので最後まで打ち込まないようにしましょう。
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⑦両側面にロープ(長)を結んで⑥のペグに引っかける
左右の側面2ヶ所のループに長いロープを結び付け、⑥で打ったペグに引っかけて生地の張り具合を確認しながらロープの長さを調整します。
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⑧前室部分の両角にもロープ(短)を結んで⑥のペグに引っかける
前室部分の両側面角にある2ヶ所のループに短いロープを結び付け、同じく⑥で打ったペグに引っかけて生地の張り具合を確認しながらロープの長さを調整します。
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⑨さらに側面にロープ(短)を結んで②のペグに引っかける
側面でまだロープを結び付けていない角2ヶ所のループに短いロープ結びを付けて、②で打った寝室側のペグ(寝室側)に引っかけて生地の張り具合を確認しながらロープの長さを調整します。
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⑩必要であればポール先端にカバーを被せる
天候に応じてポールの先端にポールキャップを被せてください。こうすることで防水性が高まります。
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⑪Mサイズ設営時:最後に背面の張りを調整する
ヌノイチMサイズを設営するときには、最後にロープとペグを使って寝室側背面部分の生地張り具合を調整してください。
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⑫完成
これでベーシックスタイルの完成です。
メイン生地を固定するのにロープ を合計12本使うのですが、そのうちの左右3本ずつが前室側のペグに固定される設計となっています。前室側のペグはその分負荷がかかってしまうので、抜けにくく頑丈なペグを使う方が安心ですよ。
フルクローズ使用は要注意!DODヌノイチの気になる点
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アレンジ自在で使い勝手の良いヌノイチですが、少し気になる点もあります。
フルクローズ時の居住空間はかなり狭い
ヌノイチは様々な張り方を楽しみつつ、自然の中での解放感を味わえるタープですが、フルクローズしてしまうとその居住空間はかなり狭くなってしまいます。また、フルクローズするには6本のロープを外して別位置で打ち直す必要もあり、結構な手間がかかってしまいます。
また、フルクローズするとパット見た目では出入り口が分かりにくく、隙間から出入りする必要があるのもかなりストレスに感じるかもしれませんね。
ソロキャンプでMサイズの使用であれば多少の広さは感じられますが、Sサイズでフルクローズすると荷物を置く場所もないほどなのでフルクローズでの使用をメインに購入するのはあまりおすすめできません。
ソロ用としては重くてかさばる
Sサイズはソロキャンプにぴったりのサイズ感ではありますが、ソロキャンプ用としては収納してもサイズが大きく重さもあります。焚き火に強い厚手のポリコットン地を使用していますのでしょうがないことではありますが、登山キャンプやツーリングキャンプでの使用で軽量でコンパクトさを追求したい方にはこのサイズ感と重さは非常に不便と感じてしまいます。
ですが生地に重さがある分風には強い設計となるので、ソロキャン中、夜中の風に心細くなってしまうことは少なくなりますよ。
張り方の工程が多い
先ほどベーシックスタイルの張り方を紹介しましたが、正直張り方の工程が多く慣れるまでには時間がかかってしまいます。ロープの長さも2種類ありますがパット見た目で分かるような違いがないので、ロープの長さを確認しながら張る必要があります。グロメットとループの多さが自由自在なアレンジ方法を楽しめる秘密ではありますが、初心者の方にとっては分かりづらいと感じてしまうかもしれません。最初は難しく感じますが、慣れると10分程度で設営することができますよ。
焚き火やBBQをする位置に注意が必要
ヌノイチは低めの天井とサイドの生地によって居住空間が確保され、生地に程よく囲まれているので人目も気にならないような作りになっていますが、こじんまり生地に囲まれている分、タープの下や風上で焚き火やBBQをしてしまうとテント内に煙が充満してしまいます。
生地を傷めてしまう原因にもなりますので、火器の取り扱い時には風向きや位置に注意しましょう。
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DODヌノイチの張り方はアレンジ自在
ベーシックスタイルの張り方以外にもヌノイチの使い方はアレンジ自在です。
ワラビーテントとヌノイチでカンガルースタイル
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ヌノイチは冬キャンプなど寒い時期にはフルクローズして使用することも可能ですが、先ほど気になる点で挙げたように居住空間としてはいまいち…居住空間やプライベート空間も大事にしつつ、冬キャンプの寒さも凌ぎたいという場合には同じくDODから発売されている「ワラビーテント」をインするのがおすすめです。
設営はとても簡単で、ヌノイチのメインポールにワラビーテントを引っかけるだけ。あっという間にカンガルースタイルに変身します。カンガルースタイルにすることで暖房効率も上がりますし、寝室とリビングがしっかりと分かれているだけで使い勝手やサイトレイアウトもグッとあがりますね。
また、ワラビーテントの生地はコットン100%でできていますので冬キャンプの寒暖差による結露を最大限に抑え、テント内の空間も快適にすることができるのも嬉しいポイントです。
ヌノイチのMサイズ にワラビーテントをインする場合は別途1m程度のロープ(100cm程度)が必要になりますので注意してくださいね。
夏キャンプでは蚊帳をセット
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夏は虫なども気になるのでフルクローズしたくなりますが、ヌノイチにはベンチレーションがないのでフルクローズしてしまうと暑くて寝られなくなってしまいます。そんな時には吊り下げ式の蚊帳を別途購入してヌノイチにセットしましょう。
蚊帳をセットすることで風を通しつつ、虫も防ぐことができますよ。
サブ生地を使って風をシャットアウト
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ヌノイチには本体の他にサブ生地が付属しています。ベーシックスタイルの開口部分に対してサブ生地を張ることで風の入り具合を調整したり、タープとして居住空間そのものを延長することができます。
サブ生地にもSサイズには6ヶ所、Mサイズには12ヶ所のループとグロメットが付いていますのでサブ生地単体でもタープとして様々な使い方ができますよ。
他の幕と連結してタープとしても使える
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もちろんヌノイチ単体でタープとして使っても良いですが、他の幕と連結させてもおすすめです。ヌノイチはポリコットン性で遮光性も高いため、すでに持っている他の幕にヌノイチをタープとして使うだけで快適なリビングスペースが出来上がりますよ。
DODヌノイチのまとめ
ヌノイチはアレンジ方法が幅広い分、初めは設営方法に戸惑ってしまうかもしれませんが、張り方をマスターすれば汎用性の高い使い勝手の良いタープになります。機能性を追い求めたテントやタープも良いですが、自分の発想次第であらゆるキャンプスタイルを楽しめるヌノイチのようなタープもまた、遊び心溢れていてキャンパーの心をくすぐりますね。