焚き火台といえば、見た目からも頑丈で重厚感があり、持ってみるとずっしりと重い。これまではそれが焚き火台というものでしたが、これからの焚き火台の定番は「軽い、持ち運べる、コンパクト」なんです。
夢のような焚き火台を実現したのは、火床がメッシュのステンレス素材でできている「メッシュ焚き火台」です。メッシュ焚き火台はこれまでの焚き火台の概念を覆して、軽量でくるくると丸めるとコンパクトになり、ザックの隙間に入れて持ち運べる。積載が限られてしまう登山でもバイクでも徒歩キャンプでも焚き火が楽しめるとして、今注目を集めています。
今回はメッシュ焚き火台の気になるメリットやデメリットついて解説します!最後にはメッシュ焚き火台のおすすめ商品も紹介していますので、もう少し気軽に焚き火が楽しめたらと考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね!
メッシュ焚き火台とは?
メッシュ焚き火台とは、炭や薪を置く火床がステンレス製の細かい網目のメッシュ素材となっている焚き火台です。実際にキャンプ場で使っている人を見かけたことのある方もいると思います。
一見、火床がメッシュ素材だと灰や燃え途中の細かい薪が穴から地面に落ちてしまうのではないかと心配になってしまいますが、実際にはかなり網目が細かく作られていて、ほとんど灰などが落ちる心配はありません。
また、一般的な焚き火台は火床の重さで全体的に重い作りとなってしまっていますが、メッシュ焚き火台はその火床部分がメッシュ素材なのでとても軽量なものが多いです。そのため持ち運びがしやすく、登山やツーリングキャンプ、ソロキャンプで愛用する人が増えています。
メッシュ焚き火台のメリット
メッシュ焚き火台のメリットについて、もっと具体的に解説していきますね。
軽量でコンパクト
先ほど少し触れましたが、メッシュ焚き火台は一番焚き火台の重量を左右する火床がメッシュ素材なので、重量が1㎏を切るものがほとんどです。また、収納時にはメッシュ素材の火床を巻いて収納できるのでコンパクトになりますよ。
最近ではフレーム部分が折りたためるものも増えてきてさらにコンパクトに収納できるメッシュ焚き火台も増えてきました。また、ソロキャンプ用の超小型のメッシュ焚き火台ともなるとジャケットのポケットに収まってしまうほど小さくなってしまいます。
組み立てが簡単
軽量でコンパクトな上に、構造は単純なので簡単に組み立てもできます。フレームを広げるだけで組み立てが完成するものもありますし、キャプ場に到着してすぐに暖を取りたい時にも使いやすいですよね。
片付けや手入れも簡単
従来の焚き火台だと、灰を捨てる際に火床を引き抜くか焚き火台ごと運んで灰捨て場に持って行きますよね。これが結構大仕事。
それがメッシュ焚き火台だと火床が布のようにたわむので、灰を落とさないように両手で四隅を掴んで持ち上げると、包み込むように灰を簡単に持ち運ぶことが出来ます。メッシュ素材も細かい網目状なので下に灰がこぼれる心配も少ないです。
軽く叩くだけで細かな灰も落ちてくれますし、メッシュ部分の素材にはステンレスが使われているものも多く、錆に強く耐久性も高いので丸ごと水洗いすることもできますよ。
焚き火台がきれいな状態に保てると、持ち運びの際にもザックなどが汚れる心配もないので嬉しいですよね。
通気性が良く、燃焼効率がいい
火床がメッシュ素材だからこそ、通気性が良く、上に乗せた薪にたくさんの酸素を送ることが出来るので燃焼効率が高いのもメッシュ焚き火台のメリットでもあります。
従来の焚き火台ですと四方が囲われているものが多く、火がつくのに時間がかかることもありますが、メッシュ焚き火台だと全体からスムーズに風が取り込めるので少し大きめな薪でもとてもよく燃えてくれますよ。
また、通気性がいいことで、使用後にすぐに冷めてくれるという魅力もあります。焚き火台が冷める時間を考えると撤収前の朝に焚き火をするのは気が引けますが、メッシュ焚き火台なら、撤収ギリギリまで焚き火を楽しむこともできますね。
メッシュ焚き火台のデメリット
メッシュ焚き火台はメリットがたくさんありますが、いくつか気になる点もあります。
風に弱い
四方が囲われていない分通気性のいいメッシュ焚き火台ですが、風防としての役割を果たす部分がないため、強風時に使用すると炎が風に流され薪が燃焼しづらくなることや灰や火の粉が舞いやすいというデメリットがあります。
小さなお子さまがいる場所でしようすると怪我や火傷などのリスクがありますし、テントの近くで使用した場合には素材によっては火の粉で穴が開いてしまうこともあるので、風が強いときには使用しないことをおすすめします。
調理には五徳が必要
従来の焚き火台と違い、焼き網などが載せられない構造のものが多いです。そのため調理にも使用したい場合には、トライポッドなどの工夫が必要となります。五徳が別売りで購入できる場合は、五徳と一緒に使えばスキレットなどを置いてキャンプ飯も楽しめますよ。
メッシュは消耗品なので破れたり穴があく
メッシュ焚き火台の最大の特徴である火床のメッシュ部分は消耗品になり、ステンレス製使い続けるとメッシュ部分が破れたり穴が開いてしまいます。そのため交換用のメッシュを都度購入する必要があります。
またメッシュ部分の廃棄方法は住んでいる地域によって異なりますし、購入や交換、廃棄の手間がかかる点はメッシュ焚き火台のデメリットといえます。
メッシュ焚き火台の気になる耐久性は?
メッシュ焚き火台のメリットは軽量・コンパクト、通常の焚き火台と比べて比較的安価であることですが、その分耐久性に関しては劣ってしまいます。
この場合の耐久性とは、メッシュ焚き火台そのものの耐荷重と、火を使う事での劣化の2つがあります。製品によって使っている材質や構造が違い、それらによって耐久性は変わってきます。
メッシュシートの荷荷重
メッシュ焚き火台は耐荷重が表記されていない、表記されていても数キロの場合が多いです。大きいダッチオーブンなどは耐えられないこともありますので、耐荷重には気を付けましょう。
もし、耐荷重を気にはしつつ、それでも料理にも使いたい場合は、最近ではトライポットと組み合わせて料理をする人も増えてきていますので参考にしてみてくださいね。
メッシュシートの交換時期や購入方法
メッシュ焚き火台の火床は、使用を繰り返すことで熱により劣化していきます。材質によって違いますが、数回の使用で交換が必要になるものから80回使用してもまだ大丈夫というものまで多岐にわたりますが、火床が曲がり、形がいびつになったり、ほつれ始めたら交換時期と考えましょう。中には穴が空いてしまうものもありますが、そうなると火が下に落ちてしまうので、早急に交換が必要です。
メッシュシートの購入は公式サイト等で販売されており、長く使うことも可能です。
また、公式サイトで交換時期の指標となる使用回数を記載しているものもあるので、購入する前にそちらもチェックしてみると良いでしょう。交換時期に関してはメーカーによっても異なりますが、耐荷重などに気を付け、無理のない使用を続ければ長持ちしますので、大切に使ってくださいね。
メッシュシートの交換方法
メッシュシートの交換方法はボルトとナットで留められてる焚き火台が多く、工具さえあれば誰でも簡単に交換することができます。
メッシュ焚き火台とスノーピークの焚き火台を比較
焚き火台として定番のスノーピーク焚火台とバンドックのメッシュ焚き火台を比較してみました。
持ち運び易さ
- スノーピーク 焚火台:3.5kg
- バンドック メッシュ焚き火台:1kg
持ち運びのしやすさは当然ですが、メッシュ焚き火台の方が断然持ち運びしやすいです。荷物が多くなりやすいファミリーやグループキャンプでも嵩張らずに持ち運びできます。
焚き火のしやすさ
メッシュ焚き火台でもスノーピークの焚き火台と変わりなく十分焚き火を楽しむことができます。風通しがいいので薪が燃えるスピードが早く薪のランニングコストが気になりますが、微々たる差なのでそこまで気にすることはなさそうです。
メッシュ焚き火台の気になる点として地面への熱ダメージがあることです。スノーピークの焚き火台は熱を感じることはありませんが、高さがあるバンドックでも熱を感じます。メッシュ焚き火台を使用する際は、合わせて焚き火シートを使用しましょう。
片づけやすさ
スノーピークの焚き火台は、冷めるまで片付けができず灰の持ち運びも不便ですが、メッシュ焚き火台は冷めるのも早く、メッシュシートを丸めてそのまま灰を捨てることができ、素早い撤収ができます。
調理と焚き火両方を求めるならスノーピークの焚き火台が使いやすいですが、調理はガスを使い焚き火を楽しみたいという方にはメッシュ焚き火台が軽量、コンパクトで使いやすいです。
おすすめのメッシュ焚き火台7選
最近色々なメーカーから出ているメッシュ焚き火台ですが、その中からメッシュ焚き火台のメリットやデメリットを考慮しながらおすすめ商品を厳選しましたのでご紹介します!
UNIFLAME(ユニフレーム) ファイアスタンド2
使用サイズ | 幅40×奥行40×高さ30cm |
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収納サイズ | φ6×縦57 |
重量 | 490g |
耐荷重 | 薪5kg以下で使用 |
素材 | <メッシュシート>特殊耐熱鋼FCHW2 <スタンド>18-8ステンレス |
ユニフレームのファイアスタンド2はメッシュ焚き火台の中で特に高い人気を誇っています。その理由としては6,000円ちょっとと低価格でありながら金属系のモノづくりが盛んな燕三条の技術を活かした、とてもしっかりとした作りとなっていることが挙げられます。
メッシュ焚き火台の火床の多くはステンレス製で基本的には耐久性に優れていますが、ユニフレームのメッシュ部分は特殊耐熱網FCHW2が採用されていて、より一層の耐久性、耐熱性を期待することができますよ。見た目はシンプルながらも細かい点で職人の技が光っています。
これだけの作りで重量が490gですから驚きです。長く大切にキャンプで使っていきたい方に非常におすすめしたいメッシュ焚き火台です。
LOGOS(ロゴス) ROSY メッシュファイヤーピット
使用サイズ | 幅43×奥行43×高さ25.5cm |
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収納サイズ | φ10×縦63cm |
重量 | 700g |
耐荷重 | – |
素材 | スチール、ステンレス、アルミニウム |
ロゴスのキャンプ用品は比較的お安い価格で買えるのが嬉しいですよね。メッシュ焚き火台も例外ではなく、3,000円程度で購入することが出来ます。
形は少し珍しい四角い形をしていて、脚を開くと自然と脚部がX字になるような構造になっています。説明書などを読まなくても直感的に組み立てができるのは嬉しいですね。
火床は他のメッシュ焚き火台と違い少したわみが少なく平ら気味なので、使い勝手の好みが分かれるかもしれませんが、火床が平らな分五徳などを置いての調理はしやすくなっていますよ。
BUNDOK(バンドック) 焚火スタンド ハンディ
使用サイズ | 幅41×奥行41×高さ34.5cm |
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収納サイズ | 幅7×縦44×厚さ7cm |
重量 | 1.0kg |
耐荷重 | – |
素材 | ステンレス |
あまり聞き慣れないアウトドアブランドですが、ユニフレームと同じ燕三条に会社を構えていますので実用性の高さと品質の良さは高く評価されています。脚部分が2つに分かれるので収納すると非常にコンパクトになり、ツーリングキャンプや登山キャンプなど荷物を減らしたい方におすすめのメッシュ焚き火台です。
お値段が2,500円以下と今回ご紹介した商品の中では断トツでお安いので、メッシュ焚き火台をまずはお試し感覚で使ってみたい方にはおすすめの商品となります。
PaaGoWORKS(パーゴワークス) ニンジャ ファイアスタンド
使用サイズ | 幅36×奥行36×高さ28cm |
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収納サイズ | φ 6×縦39cm |
重量 | 280g |
耐荷重 | – |
素材 | ステンレス |
ブランド名にある“PAAGO”は”Let’s pack and go!(さぁ、荷物を詰めて出かけよう!)“を略した造語になっています。そのブランド名通り、こちらのメッシュ焚き火台は280gと超軽量で、世界最軽量の焚き火台ではないかと数々のキャンプメディアにも取り上げられています。
メッシュ焚き火台の中では高めの価格設定にはなりますが、軽量でありながら商品名の「ニンジャ」にちなんだ火吹き棒が付属していたり、フレームの上部分が五徳になっているので調理にも使えたりと、楽しみながらキャンプで使える工夫もされていますので魅力の詰まった商品となっていますよ。
DOD(ディーオーディー) 秘密のグリルさん
使用サイズ | 幅47×奥行47×高さ25cm |
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収納サイズ | 幅42×縦13×厚さ7.5cm |
重量 | 2.2kg |
耐荷重 | <メッシュシート>5kg <五徳>3kg/枚 |
素材 | ステンレス |
「こんなものが欲しかった!」とかゆいところに手の届くようなキャンプ道具を多く発売しているDODでは、メッシュ焚き火台のデメリットでもあった調理のしにくさを払拭したメッシュ焚き火台があります。
鍋料理やBBQも楽しめる五徳兼グリル用の網が最初から付属していますので、メッシュ焚き火台としてはとても汎用性が高く、サイズが少し大きめになっているので家族や友人と焚き火台を囲みながらキャンプ飯が楽しめますよ。その分、少し重くなってしまうので注意が必要です。
もし、ソロキャンプでの使用を考えている場合は同じくDODで小さめのソロ向けメッシュ焚き火台「秘密のグリルちゃん」もあります。
こちらは重量が590gと軽量な作りとなっていますので、併せて確認してみてくださいね。
muraco(ムラコ) サテライトファイヤーベース
使用サイズ | 幅46×奥行43×高さ24cm |
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収納サイズ | φ 10×縦38cm |
重量 | 1.8kg |
耐荷重 | – |
素材 | <メッシュシート>耐熱ステンレス <本体>アルミニウム合金 |
比較的新しいアウトドアブランドmuraco(ムラコ)には斬新なデザインのメッシュ焚き火台があります。他社とはフレームなどの構造が異なりますが、デザインがスタイリッシュだと人気を集めていますよ。オプションに五徳があったり、交換用のメッシュや地面へのダメージを防止するシートの取り扱いがあるので、使っていて必要なものを買い足せますよ。
また、メッシュをかけるフレームと軸となるフレームが一体型となっていますので、設営や撤収の際に一部パーツを紛失する心配がありません。コンパクトで軽量なキャンプ道具はパーツをなくしやすいデメリットもありますので、一体型であるのは嬉しいですね。
DOD(ディーオーディー) ライダーズファイアクレードル
使用サイズ | 幅68×奥行55×高さ108cm |
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収納サイズ | φ 6 × 縦29cm |
重量 | 715g |
耐荷重 | <メッシュシート>3kg <フック部分>8kg |
素材 | <メッシュシート>3kg <フック部分>8kg |
こちらは焚き火台というより、メッシュシートが取り付け可能なトライポットとなります。メッシュ焚き火台は耐荷重が書いていなかったり、書いてあっても5kg以下しか耐えられないことが多い為、たとえ五徳を載せたとしてもダッチオーブンなどの重いものを上に載せられないのが難点でした。そのため、メッシュ焚き火台とは別にトライポットを使用しながら上からケトルなどを吊るして使っている人も多くいます。それを一緒にしてしまったのがDODのライダーズファイアクレードルです。
三脚なのでメッシュシートも三角の形となり、他の四角いメッシュ焚き火台よりは多少安定性に欠けるものの、薪の量やバランスなどに少し気をつかえば問題なく使用ができます。焚き火もできてトライポットもついて重量は715gという軽さは別で揃えようとするとなかなか難しいですよ。
ベルモント(Belmont)焚き火台TOKOBI
使用サイズ | 幅41×奥行46×高さ32cm |
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収納サイズ | 幅26×奥行46×高さ6cm |
重量 | 2.2kg |
耐荷重 | – |
素材 | 18-8ステンレス |
他と比べてやや重量はあるものの、安定性と大きさ、そしてなんと言ってもゴトクなどオプションの使い勝手が良い焚き火台です。
上下2段のワイヤーシェルフはそれぞれ耐荷重が8kgずつで、幅も上が32.5cm、下が27.5cmと広いため、大きめの鍋を2つ乗せても大丈夫です。大人数でのジャンプにピッタリのサイズでしょう。そして、ゴトクを使っても薪の投入口はしっかりと確保できるので、薪の調整や火加減の調整もしやすい設計になっています。
メッシュ焚き火台のまとめ
直火NGな場所が増えつつある中、焚き火台はキャンパーにとっては必需品です。メッシュ焚き火台だと重量や積載を気にすることなく、いつでもどこでも焚き火台を持って行くことができ、手軽に癒しの炎を堪能することができます。
メリットが多い分、多少のデメリットももちろんありますが、比較的値段がお安いものも多く収納場所にも困らないアイテムなので、お試しで買ってみるのもおすすめです。
ぜひメッシュ焚き火台で、もっと身軽にアウトドアライフを楽しんでくださいね。