モンベルのミニタープHXを使って、登山におけるタープの張り方と活用法をご紹介します。
宿泊を伴う登山の醍醐味は、長い時間山を旅し、体を自然の中に溶け込ませることです。
テントを張って仲間と談笑し、夜に眺める星空は、いくらお金を積んでも得られない生涯忘れえぬ思い出となる事と思います。
今回は、そんな宿泊を伴う登山において、テントと並んで登山において必要な、タープの張り方についてご紹介します。
ミニタープとは
ナイロンを始めとした一枚の素材を使用した物で、キャンプでは主にテントと併用し、雨除けや日差し除けで効果を発揮し、居住性の向上に使われます。
登山においてはテントを張れないような場所において使われ、シンプルな構造と汎用性の高さから、主に沢登りや流行りのウルトラライト系の登山で使われます。
ミニタープのメリット、デメリット
ミニタープのメリット
上述の通り、タープは軽量性に優れ、今回紹介する設営方法の他、多彩な方法で居住性を高め、テントに匹敵する性能を発揮することも可能です。
アイテムも少なく、代用できるものが自然の中に存在するため、パーツを一部紛失、破損しても設営ができるというのは、とても大きなメリットと言えます。
またテントでは玄人向けの手段ともいえる、室内での火器使用に関しても、タープであれば問題なく使用できます。
ミニタープのデメリット
デメリットでは、設営の条件が意外と限定されているという事です。
こちらも設営方法で幾分挽回は可能ですが、森林限界を超えた岩場やテント場では、本体が風に煽られ設営が難しく、アンカー設置も一苦労です。
支柱となる木々、安全な場所にエスケープできる状況下で使用するには、テント以上の配慮が必要と言え、冬場や非常に厳しい悪天が予想される場合は、安全性の高いテントを選んだほうが良いでしょう。
以上の事から、テントを使い慣れた後にタープを使ってみると、新しいスタイルと自分に合った登山を見つけることができるので、是非試してみてください。
モンベルのミニタープHXとは
今回使用したモンベルのミニタープHXは、ソロキャンプやキャンプツーリングに向いたヘキサ型のタープです。
ミニタープHXの特徴とメリット、デメリット
ミニタープHXは280cm×338cmと、キャンプツーリング、ソロキャンプでは十分な広さを確保できるタープです。
メリット
生地には難燃加工が施されており、生地に火が燃え移ったとしても生地自体で消火し、燃え広がらないようになっています。
テントやタープの生地は一度火が燃え移ると全焼する場合もあり、居住空間を失う=死、というリスクを回避できる性能は非常に重要です。
上述の様に安全面に配慮すれば焚き火や火器の使用も問題なく使えるところが、ミニタープHXの利点といえます。
また価格も10,000円以下の税抜7,700円と設定されており、耐久性も高く長く使用できることを考えれば、同価格帯のタープと比較しても十分に使い倒せるのも魅力です。
デメリット
価格に見合う十分な性能を持っているミニタープHXですが、性能を保ちつつ軽くコンパクトに出来れば、より登山での有用性が増すと考えられます。
沢登り用では、ツェルト並みにコンパクトで軽量、さらに強度も兼ね備えた製品もあり、値段は2万円前後と高価ですが、よりシビアな山行では、大金をはたいても高性能な物が欲しくなります。
モンベルではミニタープHXより上のモデルでは、ビッグタープというキャンプ向きのモデルになるため、ミニタープHXの性能向上で、より実用性の高いモデルにマイナーチェンジしてほしいと、イチファンとして待ち望んでいます。
小川張りとは
タープは単体でも力を発揮しますがテントと組み合わせることで、その性能を最大限に生かすことができます。
テント侵入口前方に、侵入口を被せる様にタープを設置する事で、殆どのテントに備わっていない、土足で雨天でも安心して活動できるフロアを作ることができます。
小川張りと呼ばれるこの設置方法は、設置後の時間が長く、快適性をより求められるキャンプで非常に重宝します。
小川張りの詳しい設置方法の動画
焚き火の使用
タープは沢登りを始めとした、焚き火を登山行程の中で、必要とするスタイルでは必携の道具といえます。
晴天の場合はタープのそばで焚き火をしますが、雨天の場合はタープの下で行います。火器が扱えるモンベルのタープHXならではの利点です。
タープと焚き火は非常に相性が良い組み合わせですが、火が強すぎるとタープが延焼してしまう恐れがあるので注意が必要です。
また火力が問題なくても、火の粉で生地に小さな穴が空く可能性も高まるため、タープの真下で行う場合は、タープの寿命を縮める可能性を考慮して行いましょう。
モンベル ミニタープHXの張り方
用意したもの
・モンベル ミニタープHX
・モンベル アルパインカーボンポール(ポールの代用)
・ロープ×6
ミニタープHXの張り方①
まずは本体を広げます。
ミニタープHXの張り方②
広げたら各所にロープを取り付けていきます。
ミニタープHXの張り方③
取り付けたらロープをアンカー用の石に付け、支柱であるポールを立てます。
アンカーはペグを使うと便利ですが、自然物を利用すると道具を減らして軽量化できます。
ポールは今回ストックを使っており、登山でよく使うものを上手く利用することもできます。
ミニタープHXの張り方④
自立したら各部の梁を調整します。
ミニタープHXの張り方⑤
完成
手順は意外と難しくなく、コツさえつかめばストレスなく設営できるので、テントより広々とした空間で、快適な登山を楽しまれてくださいね。