美しいシルエットと考えられた機能性、そして手に入れやすい価格帯で人気の「ZANE ARTS(ゼインアーツ)」。2019年に誕生したばかりのブランドですが、発売するテントやタープ、シェルターは瞬く間に完売するほどキャンパーから注目されています。
第一弾ラインナップとして発売された「ROGA-4(ロガ4)」は景観と調和する絶妙な色味と上品なシンメトリーのデザインで未だに入手困難なほど人気です。
今回はそんな人気のロガ4について特徴や気になる注意点、購入方法まで深掘りしていきます!同じく人気のテント、SABBATICAL(サバティカル)の「ギリア」との比較もしますので購入の参考にしてくださいね。
ゼインアーツROGA-4(DT-004)のスペック
参照元:ZANE ARTS
ロガ4のスペックはこちらになります。
商品名 | ROGA-4(DT-004) |
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使用サイズ | 幅505×奥行260 ×高さ140cm |
収納サイズ | 幅62×奥行23 ×高さ23cm |
総重量 | 約6.8kg |
耐水圧 | 1,500mm |
付属品 | フライシート×1、インナーテント×1、フットプリント×1、ダブルクロスフレーム(長・短)×各2、ブリッジフレーム×2、Vペグ×24、2.5mロープ×12、リペアパイプ×1、 キャリーバッグ/ポールケース/ペグ・ロープケース×各1 |
ツールームテントというと設営、撤収に時間がかかり、収納時も重量があるので持ち運びが大変というイメージがありますが、ロガ4は最大天井高140cmと低く、重量もたった6.8kgと非常にコンパクトで軽い作りになっています。
「寝るスペース」と「過ごすスペース」が分けられるインナーテントが初めから付属していて6万円以下と、コストパフォーマンスの高さも人気の理由です。
ZANE ARTSロガ4の特徴
具体的にロガ4の特徴を見ていきましょう。
リビングスペースはアレンジ自在
参照元:ZANE ARTS
ロガ4は一般的なファミリーサイズと同じくらいの広さがあり、インナーテントをつけてもテーブル+椅子を入れられるほどの空間が確保できます。リビングルームはロースタイルのギアを入れても良いですし、付属しているフットプリントを使って着座スタイルでくつろぐこともできますよ。
状況に応じて過ごし方を変えることができ、必要最低限の荷物しか携行できない登山キャンプでも使いやすい仕様になっています。
山岳地での使用が想定された高い耐風性
参照元:ZANE ARTS
ロガ4はゼインアーツの中で唯一、日本の山岳のベースキャンプ用を想定されたテントになります。そのため、2つのダブルクロスフレームでつないだ構造は、横風に強いフレーム設計となっていて耐風性が優れています。しっかりとペグダウンをすれば悪天候時でも安心して過ごすことができますよ。
吊り下げ式4人用インナーテントが付属
参照元:ZANE ARTS
初めから4人用のインナーテントが付いているので、初めて購入するテントとしてもおすすめです。吊り下げ式なので、フライシートに付けたまま設定・撤収すれば時短に役立ちます。雨が降った時には濡らさずにしまうことができてりととても便利ですよ。
インナーテントには軽いLEDライトが引っ掛けられるフックが付いていたり、左右2箇所にはポケットが付いていたりと使いやすさも考えられています。2方面にメッシュの出入り口が付いているので換気もしっかりできますよ。
シェルターとしても使用できる
参照元:ZANE ARTS
ロガ4はアウトフレーム構造なので、インナーテントを外せば大人8人が収容可能な大型シェルターとして使用できます。フライとフレームだけの最小重量は4.5kgととても軽量なので、夏の時期のパーティー山行での使用もおすすめです。
初心者でも簡単でスピーディーな設営が可能
参照元:ZANE ARTS
設営は前後室のダブルクロスフレームと呼ばれるポールを4本通して、中央のブリッジフレームで両サイドを固定し、最後にペグ打ちすれば完了です。インナーテントを吊り下げたままにしておけば、ツールームテントとは思えないほどスピーディーに設営できますよ。
ポールを通すところとポールはそれぞれ色分けされているので、初めてテントを立てる方でも迷わず設営できます。
上部には大型ベンチレーション
参照元:ZANE ARTS
前後室には室内から開閉が可能な大型のベンチレーションが備わっています。ベンチレーターのルーフ部分はドアパネルを巻き上げた際にできる束を覆ってくれ、雨水がかからない構造になっています。そのため、雨天時でも気兼ねなく喚起することができますよ。
備品も高スペック
参照元:ZANE ARTS
ロープには、耐衝撃性・耐引裂強度に優れ、強靭な素材として注目を集めているダイニーマが採用されています。防水性、さらには軽量さも兼ね備えた非常に優れた繊維です。リフレクター仕様なので暗闇でも安心して使用ができますよ。ペグにも強度と軽量さが特徴のジュラルミンのVペグが選択されています。備品にも妥協がありません。
軽量でコンパクト
参照元:ZANE ARTS
ロガ4は生地表面を一般的なフッ素加工ではなくシリコーン加工を施しているため、ツールームテントとしての大きさは確保しながら薄くて軽い生地となっています。そのため、オートキャンプ用としても使用できる居住空間がありながら、山岳地でのベースキャンプ用として、バックパック可能な軽量さとコンパクトさを実現していますよ。
ロガ4(DT-004)は狭い?
参照元:ZANE ARTS
ロガ4のフライシートは四方面すべて開けることができ開放的に使用できる他、4人用のインナーテントが付属しているなど、大人4人が過ごせるツールームテントになっています。
ロガ4は、たしかに4人用ではありますが、実際インナーテントに4人で横になるとそれでいっぱいいっぱいになってしまい、着替えなどの荷物を置くスペースがなくなってしまうのが正直なところです。2人での使用であれば、寝る+荷物を置く場所が確保できますよ。
また、最大天井高が140cmと低いので、ロースタイルで椅子に座っている分には圧迫感は感じにくいですが、荷物の出し入れをする時には常に中腰になるので、身長の高い方や腰の悪い方は特に窮屈に感じるかもしれません。
広さの感覚は使用する方の体型など個人差もありますし「思ったよりも」という期待度から狭く感じることもあるので難しいところではありますが、「快適に」「広々と」使いたいのであれば2人程度の使用がおすすめです。
ロガ4とギリアの比較
ゼインアーツのロガ4とよく比較されるのが、SABBATICAL(サバティカル)の「ギリア」です。ロガ4同様、ギリアもブランドを代表する人気のテントです。どちらのテントもブリッジフレームを採用して耐風性を高めている点など非常によく似ているので、購入する際に悩んでしまいますね。
ロガ4とギリアを比較すると以下のようになります。
スペックの比較
商品名 | ROGA-4(ロガ4) | GILIA(ギリア) |
---|---|---|
使用サイズ | 幅505×奥行260 ×高さ140cm | 幅520×奥行300 ×高さ170cm |
収納サイズ | 幅62×奥行23 ×高さ23cm | 幅67×奥行35 ×高さ30cm |
総重量 | 約6.8kg | 約13.8kg |
耐水圧 | 1,500mm | 1,800mm |
価格 | 64,790円(税込・公式) | 43,780円(税込・公式) |
インナーテントの違い
ロガ4は4人用のインナーテントが1つ付属していますが、ギリアでは2人用と5人用、2つのインナーテントが付属しています。人数によって使い分けたい方はギリアの方が便利ですが、ロガ4同様、定員通り使用すると荷物を置くスペースがなくなってしまうので2人でゆったり使用したい場合は5人用インナーテントをメインに使うことになります。2人用はソロキャンプで使う時には便利ですよ。
ギリアは圧倒的に安い
ギリアは2人用と5人用のインナーテント付属で、税込43,780円と価格がかなり安いです。ロガ4もコスパの高いツールームテントではありますが価格だけ見ると2万円以上安いギリアは魅力的に感じますね。
軽量・コンパクトさはロガ4が圧勝
ギリアの重量はロガ4のおよそ倍の13.8kgと、山岳用としては使うには現実的ではありません。収納後も高さと奥行きのサイズには10センチ前後の差があり、ロガ4がいかにコンパクトで軽量なのかが分かります。
登山で使わないとしても、この重量と収納時の差は積載や持ち運びのしやすさを大きく左右することになります。
生地の違い
ロガ4はフライシートが50D、グランドシートは70Dと薄く、この薄さによりツールームとしては驚きのコンパクトさと軽量さを実現しています。一方ギリアはフライシートが75D、グランドシートは 210Dと頑丈な作りです。
気になる天井の圧迫感はあまり変わらない?
スペック表を見ると「ギリアの方が30cmも天井が高い!」と思ってしまいますが、この高さはメインポールで立ち上げた部分の最高天井高であり、ブリッジフレームで立ち上げた両サイドの高さはロガ4と同じ140cmになります。
一部分はギリアの方が30cmほど高いですが、実際に過ごす全体的な空間の高さはどちらもほとんど変わりません。
ロガ4とギリアを比較してみて
このように比較してみると、価格と重量、生地の頑丈さの違いが大きなポイントとなります。
オートキャンプでしか使わず、タフなテントをお探しの場合はギリアがおすすめですが、「登山にも使いたい」「ファミリーキャンプで荷物が多く、積載問題を解消したい」などの希望があればロガ4がおすすめです。
似ているといっても細かな点は違ってきますので、使う環境や人数、抱えている悩みなどによって選び方は変わってきますね。
ロガ4の予約販売や購入方法は?
参照元:ZANE ARTS
ロガ4をはじめ、ゼインアーツの商品は予約して購入することはできず、多くの店舗が「予約抽選」という販売方法をとっています。確実に購入できるわけではありませんが、あらかじめ取り扱い店舗のオンラインショップで会員登録をして抽選に応募すれば、販売開始時間を1分1秒と気にする必要がありませんよ。
手軽な通販で購入を考えている方も多いかと思いますが、ゼインアーツのテントやシェルター、タープのオンラインショップでの購入はハードルが高く、有名な通販サイトをチェックすると商品の在庫があっても、その価格は定価以上ということも珍しくはありません。ロガ4もamazonでは定価以上で販売されています(2021年8月現在)。通販サイトで購入する際は、その価格が適正か否か公式HPで定価をチェックするようにしましょう。
ロガ4はブランド発足時に発表されたツールームテントですが、その人気は未だ高く、定価で入手するのが困難な状況が続いています。販売店の情報やSNSをチェックして、購入のチャンスを逃さないようにしてくださいね。
ZANE ARTSロガ4の使用上の注意点
参照元:ZANE ARTS
最後にロガ4を使用するにあたっての注意点をご紹介します。せっかく手に入れた人気のテントですので、注意点に気を付け、大切に、安全に使いましょう。
ギアの高さに注意
前述しましたが、ロガ4は天井高140cmと低めの設計になっていて使い始めは多少の圧迫感を感じるかもしれません。シリコーン加工によって引裂強度は高くなっているものの、テント自体の生地は薄いので中に入れるギアの高さには十分に注意して、干渉して穴が開いてしまったり裂けることがないようにくださいね。特に熱を帯びるものに関しては気を付けましょう。
冬キャンプには不向き
ロガ4は3シーズン仕様ということもあり、スカートが付いていないため冬に使うとなると冷たい風が気になります。
また、「薪ストーブは絶対に禁止」とマニュアルに明記されている通り、軽量でコンパクトな仕様にするため生地が薄めとなっているので薪ストーブをインしてしまうとテントが溶けるのはもちろん、溶けた繊維が垂れて肌に触れると大やけどを負ってしまいます。薪ストーブ以外にも焚き火やストーブなど熱源となるものの使用は大変危険です。暖を取る方法が限られてしまうので、冬キャンプでの使用は注意してくださいね。
雨キャンプ後はメンテナンスをしっかりと
ロガ4の耐水圧は低く抑えられているものの、多少の雨キャンプであれば問題なく使用できます。ですが、雨キャンプで使用した後に濡れたまま保管すると生地裏面に加工したポリウレタンが水に反応して分解・剥離してしまい、シームテープの劣化や防水性能の低下につながります。使用後はしっかりと乾燥させて、高温多湿を避けて保管するようにしましょう。
雨が降っていなくても、朝露や霜にも気を付けてくださいね。
まとめ
ロガ4は登山キャンプでも使える耐風性、携行性がありながら、オートキャンプでは家族で過ごせる居住性も併せ持つ、ゼインアーツの中でもマルチに活躍するテントです。手に入れるのは少々大変ですが、お値段以上のスペックの高さと張り姿の美しさに、きっと大満足しますよ。