キャンプの暖房器具におすすめの小型石油ストーブ。空間全体を効率的に暖め、電源要らずで使用できる石油ストーブは、厳しいキャンプの冷え込みからカラダを守ることができます。
そこで今回は、キャンプに最適な小型石油ストーブの種類や特徴、またコンパクトで持ち運びしやすいおすすめの石油ストーブを厳選してご紹介します。キャンプの暖房器具をお探しの方はぜひ参考にしてみてください。
コンパクトで待ち運びできる小型石油ストーブがキャンプにおすすめ
コンパクトな石油ストーブなら車に積んで持ち運びしやすいためキャンプの暖房器具におすすめです。電気毛布やヒーターのように電気を必要とせず、また焚き火のように火起こしや面倒な後片付けなども必要ありません。
小型石油ストーブがキャンプに最適な理由は以下のとおり。
- コンパクトなため持ち運びしやすい
- 電源を必要としない
- 電気に比べランニングコストに優れる
- 空間全体をじんわり暖めてくれるので暖房効果が高い
灯油を燃料とするので、火気や換気に細心の注意が必要ですが、正しく使用すれば厳しい寒さからカラダを守ってくれるのでキャンプの暖房器具としておすすめです。
小型石油ストーブの種類と特徴
小型石油ストーブには「対流式」と「反射式」の2種類があります。それぞれ暖房効果に特徴があり、使用用途に最適なモデル選びのポイントにもなりますので、まずは「対流式」と「反射式」の特徴をご紹介していきます。
対流式
対流式は、熱源を中心として周囲に熱を放出するのが特徴。暖まった空気を自然対流させ、空間全体をじんわり暖めることができます。そのためカラダ全体で暖かさを感じたいという方におすすめです。
また円筒形状をしているので家族や仲間と石油ストーブを囲みながら会話や食事を楽しむことが可能。天板でお湯を沸かしたり鍋を温めたりできるので効率的に使用できます。
反射式
反射式は、熱源から放出した熱を反射させて暖めるのが特徴。熱源の背面に設置された反射板により輻射熱が前方向に反射するためピンポイントに暖めることが可能です。手先や足先をすぐに温めることができるので即暖性に優れます。
また背面に熱を放出しないので、壁面にストーブを設置することが可能。ストーブ背面の熱の影響を気にすることなく設置できるのでスペースを有効に使うことができます。
持ち運びや運搬がしやすい小型ストーブはどっち?
小型石油ストーブをキャンプで使用するためには、当然ストーブを持ち運ぶ必要があります。安全快適に運搬するため、持ち運びに適したストーブの種類や運搬時の注意点を解説します。
持ち運びしやすいのは?
安全快適に持ち運びするには対流型の石油ストーブが有利です。円筒形状をした対流型はハンドルを搭載しているモデルが多いため片手で持ち運びしやすいでしょう。また専用ケースに収納して持ち運ぶことができるので便利です。
反射式は本体サイドにある取っ手をつかみ両手で持ち歩くことになるので、足元が見づらくなってしまいます。安全に持ち運びするためには片手で持ち運びでき足元もしっかり確認できる対流型が有利となります。
運搬時に灯油が漏れる?
車で運搬する際に最も注意したいポイントが燃料漏れ。石油ストーブは灯油を燃料とするため、運搬時に燃料が漏れると非常に危険です。そのため運搬する際は、どちらのタイプの石油ストーブも灯油を燃やし切るか?燃料タンクから灯油を抜き取る必要があります。燃料は専用のポリタンクで持ち運ぶことをおすすめします。
対流式のタンクは漏れにくい構造ですが、ポンプで抜き取り運搬することで燃料漏れを防止します。ケースに収納すればより安全に運搬することができます。
反射式は燃料タンクごと抜き取ることができるので利便性が良さそうに見えますが、本体に残る灯油を抜き取らないと運搬時に灯油漏れをしてしまいます。反射式石油ストーブの灯油の抜き方の手順は
- 本体からタンクを抜く
- 給油タンク受を外す
- スポイドで給油皿内の灯油を抜き取る
- 灯油を入れタンクを戻したら運搬準備完了
給油タンク受を取り外せば、灯油が本体に流れ込まないので、灯油漏れの心配はありません。給油タンク受とスポイドは袋に入れて持ち帰りましょう。
小型石油ストーブの暖かさの比較
- アルパカストーブ
- パセコストーブ
- タクード
- アラジンAKP-S248
石油ストーブはタイプや出力による暖かさの違いがどれだけあるのか?上記の4つの製品の暖かさを比較してみました。
50cm離れた場所で10分後に計測した温度です。
製品名 | 出力 | 温度 |
---|---|---|
アルパカストーブ TS-77JS-C |
3.0kW | 19.8℃ |
パセコストーブ WKH-3100G |
3.0kW | 19.9℃ |
タクード KH-002BK |
2.15kW | 15.8℃ |
アラジン AKP-S248 |
2.4kW | 23.5℃ |
前面への暖かさは、出力が低くても反射式のアラジン石油ストーブが暖かい結果となりました。20℃近くまで温度が上昇すれば冬キャンプでも安心です。
天板の上で200mlのお湯を沸かした時間です。
製品名 | 出力 | 温度 |
---|---|---|
アルパカストーブ TS-77JS-C |
3.0kW | 12分 |
パセコストーブ WKH-3100G |
3.0kW | 17分 |
タクード KH-002BK |
2.15kW | 12分30秒 |
アラジン AKP-S248 |
2.4kW | 82.6℃まで(計測不可) |
反射式ストーブは前面への暖かさはありますが、上への暖房能力が弱く対流式に軍配が上がります。
その他の小型石油ストーブの暖房出力の比較表です。
製品名 | 種類 | 暖房出力 |
---|---|---|
トヨトミ RB-2500 |
対流式 | 2.50~1.25kW |
コロナ RX-22WYA |
反射式 | 2.87~2.29kW |
アラジン CAP-U288 |
反射式 | 2.80kW |
トヨトミ RS-H2900 |
反射式 | 2.87~2.44kW |
冬キャンプで小型ストーブを使用する場合は、ファミリーサイズのテントなら3.0kWあれば暖かく過ごせて、最低でも2.4kWは欲しい所です。ストーブファンがあれば、上昇してしまう暖かい空気をテント内に循環させてくれるので、より暖房効率をよくすることも可能になります。
小型ストーブの容量や燃焼時間の比較表
製品名 | 種類 | 容量 | 燃焼時間 |
---|---|---|---|
アルパカストーブ TS-77JS-C |
対流式 | 3.7L | 約10時間 |
パセコ WKH-3100G |
対流式 | 5.3L | 約18時間 |
トヨトミ RB-2500 |
対流式 | 4.9L | 約20時間 |
タクード KH-002BK |
対流式 | 3.1L | 約15時間 |
コロナ RX-22WYA |
反射式 | 3.7L | 約17時間 |
アラジン CAP-U288 |
反射式 | 4.4L | 約16時間 |
アラジン AKP-S248 |
反射式 | 3.2L | 約13.7時間 |
トヨトミ RS-H2900 |
反射式 | 3.6L | 約12.9時間 |
石油ストーブは灯油を燃料とするので、燃料タンクの容量も重要なチェックポイント。容量が大きければその分燃焼時間も増え、長時間暖房効果を維持することができます。
タンク容量が大きければ面倒な給油回数も減らせるというメリットもありますが、小型ストーブは持ち運びや運搬しやすい反面、タンク容量や燃焼時間が少なくなります。一泊キャンプなら12時間程度の燃焼時間があれば、一度の給油で済む目安です。
小型石油ストーブの燃費コスパ比較表
製品名 | 種類 | 5時間 | 10時間 |
---|---|---|---|
アルパカストーブ TS-77JS-C |
対流式 | 約185円 | 約370円 |
パセコ WKH-3100G |
対流式 | 約147円 | 約294円 |
トヨトミ RB-2500 |
対流式 | 約123円 | 約245円 |
タクード KH-002BK |
対流式 | 約104円 | 約207円 |
コロナ RX-22WYA |
反射式 | 約109円 | 約218円 |
アラジン CAP-U288 |
反射式 | 約138円 | 約275円 |
アラジン AKP-S248 |
反射式 | 約117円 | 約234円 |
トヨトミ RS-H2900 |
反射式 | 約140円 | 約279円 |
※灯油の価格は1Lあたり100円として計算
暖房出力が高いと燃費が悪くなってしまう傾向がありますが、高くても10時間で370円と灯油はランニングコストが安価なので、コストパフォーマンスが非常に良いです。
対流型おすすめの小型石油ストーブ
ここからは、キャンプや防災用におすすめの小型石油ストーブをピックアップしてご紹介します。まずは空間全体を効果的に暖めることができる「対流式のおすすめモデル」をご紹介していきますので参考にしてみてください。
アルパカストーブTS-77JS-C
キャンプ用暖房器具として定番の人気小型石油ストーブ。小柄なシルエットながら高火力が人気の秘密です。厳しい検査をクリアしたJHIA認証モデルの日本正規品。専用ケースが付属しているので持ち運びしやすく車載にも便利です。
パセコストーブ WKH-3100G
韓国の老舗メーカー「PASECO(パセコ)」の対流型石油ストーブ。低価格ながら約18時間の燃焼効率を誇るコスパのよさが特徴です。昔ながらのレトロなデザインが人気であり、無駄のないシンプル設計が直感的な操作を可能にします。
タクード KH-002BK
高品質なオートキャンプ製品で人気のアウトドアメーカー「スノーピーク」が販売する石油こんろ。ストーブとしての暖房効果はもちろん、火鉢感覚で煮炊き調理にも使えるとしておすすめです。背の低いコンパクト設計なので車載しやすく持ち運びに優れます。
トヨトミ RB-2500
7色に浮かび上がる炎が特徴的なトヨトミ製レインボーストーブ。特殊コーティングされたガラス円筒により、虹のような7色の優しい炎が楽しめます。点火すると40W相当の明るさがあり非常時の灯りとしても使用することが可能です。
反射式おすすめの小型石油ストーブ
ここからは、速暖性に優れた「反射式タイプの小型石油ストーブ」を4つピックアップしてご紹介します。手先や足先をピンポイントに温めたい方や設置スペースを有効活用したい方におすすめです。
コロナ RX-22YA
暖房効果に評価が高くお値打ちな値段で人気のAmazonベストセラーモデル。電源要らずのため非常用としても心強い、昔ながらの国民暖房器具です。手を汚すことなく給油できる「よごれま栓」を採用。細かな火力調整も可能です。
アラジン CAP-U288
レトロでおしゃれなデザインが人気のイギリスブランド「アラジン」製小型石油ストーブ。レバーを下げるだけで着火できる簡単設計がポイントです。自動消化タイマー機能や耐震自動消化装置を搭載しているので屋外でも安心して使用できます。
アラジン AKP-S248
テントでレイアウトしやすいコンパクトなアラジン製反射式ストーブ。手軽に持ち運びできる軽さなので移動が楽であり、壁面に設置できるのでスペースを有効に活用できます。1万円前後の低価格で購入可能なアラジン製ストーブとしておすすめです。
トヨトミ RS-H2900
コンパクトながら高火力が特徴の反射式ストーブ。便利なキャリングハンドル付きなので持ち運びに優れます。ゆっくり消してニオイを抑える「ニオイセーブ消化」や給油タンクから灯油がこぼれにくい「こぼれま栓」など、快適に使用できる機能が満載です。
まとめ
今回はキャンプにおすすめの小型石油ストーブについてご紹介してみました。石油ストーブがあればキャンプの快適度が劇的に向上し、冷え込みの厳しい季節もキャンプを楽しむことが可能。そのためには持ち運びに優れた小型石油ストーブが最適です。
今回ご紹介したコンパクトで持ち運びに便利な石油ストーブの種類や特徴、またおすすめのコンパクトモデルを参考に冬キャンプを楽しんでみてくださいね。