SOTOを代表するバーナーといえばウインドマスター。初心者から上級者まで多くの登山者に愛用されています。なぜ多くの登山者に愛され続けているのか?アミカスと比較しながらウインドマスターの評価をまとめてみました。
SOTOウインドマスターってどんなバーナー?
2013年度グッドデザイン賞を受賞したウインドマスターはSOTOを代表するシングルバーナーです。
「耐風性を上げるために凸型の燃焼部を凹型に変え、五徳をクッカーに合わせて取り替え可能にするなど、細やかな配慮と造形が美しい。」と評価され、MUKAストーブ SOD-371に続くグッドデザイン賞受賞となりました。
では、実際の使用感は?ほかのバーナーと何が違うの?気になるSOTOウインドマスターを徹底的レビューします。
SOTOウインドマスターSOD-310のスペック
- 収納時サイズ:4.7×9.0x8.8(h)cm
- 使用時サイズ:9×11.7×10(h)cm
- 重量:67g
- 五徳の外径:100mm
- 最大出力:2800kcal/h
SOTOウインドマスターの特徴
寒さに強く氷点下でも使える
ウインドマスターの最大の特徴は、マイクロレギュレーター構造です。外気温が低い時には火力が落ちにくく、気温が高い時には炎のリフティングを抑えて危険を回避し、常に安定した火力を保つことができます。
季節を問わず山に登る登山者たちにとって、「寒さに強い」というのはバーナーを選ぶ欠かせない条件でしょう。アミカスにはマイクロレギュレーターが搭載されていないため、氷点下でもバーナーを使用する可能性がある場合は、やはりウインドマスターがおすすめです。
料理の時に火力調整がしやすい
マイクロレギュレーター式バルブは従来のニードル式に比べて火力調整の幅が大きくアップしており、料理に必要なとろ火から強火まで火力調整が細かくできるようになっています。
また、シングルバーナー用の鍋は小さく、料理の際に焦げ付きやすいため、細かな火力調整ができるのは嬉しいポイントです。
風に強く風防いらず
ウインドマスター風に強く風防がいらない理由は、バーナーヘッドの構造です。市販されているバーナーのヘッドは凸型になっていることが多いのですが、ウインドマスターはすり鉢状になっており、風に強い構造になっています。
そのため、風の強い山頂においても風防を使用することなく、お湯を沸かすことができるのです。荷物を少しでも軽くしたい登山やソロキャンプにおいて、風防を持っていかなくても良いというのは大きな利点といえるでしょう。
4本ゴトク使用で安定性UP
ウインドマスターに標準ゴトクである3本ゴトクはゴトク径が100㎜と小さいため少々不安定です。しかし、先に述べたように4本ゴトクを使用することで問題は解決できます。
また、高さがアミカスに比べて高いため不安定であるという声もありますが、そこまで気になるものではありません。もし、それでも気になるようであれば別売りのスタビライザーST-411を使用することで安定性をアップすることができます。
110gタイプのOD缶が使用できない
消耗品であるガス缶ですが、SOTOのガス缶は他メーカーのものに比べ少しお高め。しかし、基本スペックの高さを考えると納得の値段といえるでしょう。
ネット上には様々な評価が載っていますが、その多くが高評価。安心して使用することができるでしょう。
ウインドマスターは、500gタイプのOD缶には使用することができますが、110gタイプのOD缶には使用することができないので注意が必要です。
ウインドマスターとアミカスを比較
ウインドマスターとアミカスのスペックの違い
ウインドマスターは軽量かつコンパクトでありながら、発熱量2,800kcal/hとハイパワー。標準セットは3本ゴトク(トライフレックス)ですが、工具なしでゴトクが着脱可能です。
別売りの4本ゴトク(フォーフレックス)を使用するとゴトク径が144㎜になり、安定性が増します。アミカスは4本ゴトクですが、ゴトク径が106㎜のため少々不安定。料理を楽しみたい方や安定性を求める方はウインドマスターの4本ゴトクがおすすめです。
ウインドマスターも気になるけどアミカスも気になる。じゃあどちらを買えばいいのだろう?そんなあなたは以下を参考にして選んでみてください。
ウインドマスター派
性能を重視したい人
寒い環境下でも使用したい人や、風に強いバーナーを求めている方はウインドマスター一択でしょう。火力もアミカスよりハイパワーで安心です。
大きめのクッカーを使用したい人
先ほども述べたようにアミカスの4本ゴトクはゴトク径が小さいため。大きめのクッカーを使用したい人はウインドマスターと別売り4本ゴトクのセットをおすすめします。
アミカス派
コスパを重視したい人
ウインドマスターはほかのバーナーに比べて少しお高め。初めてバーナーを買うからとりあえず安いので十分と考えている方など、コスパを重視したい人はアミカスがおすすめです。
コンパクトなバーナーを求めている方
ウインドマスターも十分コンパクトですが、アミカスはさらにコンパクト。アミカスクッカーコンボを合わせて使用すると、クッカーの中にOD缶とアミカスを収納することができ、持ち運びもラクラク!
みなさんはどちらに当てはまりますでしょうか?それでも迷ってしまう…という方は、やはり性能の高いウインドマスターを選んでおけば間違いないでしょう。次に、ウインドマスターの使い方を簡単にご紹介します。
SOTOウインドマスターの使い方
- ゴトクをバーナーに取り付けます。
- 器具栓つまみを右方向に回らなくなるまで回し、完全に閉じていることを確認します。
- ボンベのキャップを外し、バーナー本体を回しながら取り付けます。この時、自然に止まるよりもややきつめに締めます。
- 器具栓つまみを左方向に回し、ガスを出します。約1~1.5回転回すとガスが出始めます。
- 点火スイッチを「カチッ」というまで押して点火します。
- 器具栓を回して火力を調節します。
- 使用後は器具栓つまみを右方向に回らなくなるまで回し、火を消します。
- バーナー全体が十分冷めたことを確認してからボンベを外し、セット時と逆の手順でゴトクを外します。
ウインドマスター使用上の注意点
気温や風、湿度等の自然条件により点火がうまくいかない場合があります。その時は、マッチやライター等で点火します。特に3,000m以上の高地では気圧の影響で点火しにくくなるので、マッチやライターを忘れずに持っていきましょう。
ガス缶はSOTO製品を使用しましょう
ウインドマスターやアミカスで、使用するガス缶はSOTO製品を使用しましょう。SOTO製品以外のガス缶やボンベを使用している方も稀にいらっしゃいますが、思わぬトラブルの原因になります。どうしても他メーカーを使用する場合は自己責任で使用しましょう。
ウインドマスターと合わせて使いたい製品をご紹介
ウインドマスターと合わせて使用することで利便性アップを図ることができたり、楽しみが広がるアイテムを3つご紹介します。
フィールドホッパー
A4ハーフサイズに小さくたためるソロテーブルです。SOTO独自構造によりワンアクションで4本のスタンドが飛び出し、簡単に組み立てることができるのが特徴です。
テーブルを使用することでバーナーが安定し、安心して料理をすることができます。約395gと軽量なので、持ち運びも苦になりません。ウインドマスターに並ぶSOTOの定番商品なので、一つ持っておくと便利でしょう。
サーモスタッククッカーコンボ
サーモスタックに、調理もできる750mℓの大型マグ、マグリッド、コジー(保温ケース)をセットにしたモデルです。マグ350にマグ400を重ねてダブルウォールマグにしたり、マグ350にドリッパーをセットしてコーヒーを入れたり、シーンに合わせて様々な組み合わせで使用することができます。
英国のアウトドア展示会OTS(Outdoor Trading Show)で、キャンプ・ギア部門に対するAwards Finalist賞を受賞し、海外からも評価されています。
ユニフレーム ミニロースター
SOTO製品ではありませんが、おすすめしたいのがユニフレームのミニロースター。普通の料理に飽きたらぜひ使ってみていただきたいです。
バケットをトーストしたり、焼きおにぎりを作ってみたり、お餅を焼いたりと料理の幅が広がります。山頂でお餅を焼いたら周囲から注目されること間違いなし。お値段がお手頃なのも嬉しいポイントです。
SOTOウインドマスターを持って山へ出かけよう!
初心者から上級者まで多くの登山者に愛されているウインドマスター。なぜ愛され続けているのか、お分かりいただけたでしょうか。どのシングルバーナーを買おうか迷ったら、ぜひ手にとってみてください。そして、ウインドマスターを活用し、山での食事をもっと楽しみましょう!