炊飯や調理、そしてお湯を沸かしたいときに利用することが多い『固形燃料』。たかが固形燃料ですが、メーカーによってその値段や特徴、燃焼時間は異なります。
そこで今回は固形燃料の基礎知識から燃焼時間の比較まで、徹底的に調査してみたいと思います。知識を深め、コスパの良い固形燃料を効率よく使っていきましょう。
固形燃料の基礎知識
固形燃料はキャンプなどの野外活動で、手軽に調理や炊飯をするためのアイテムです。簡単な調理なら固形燃料が断然おすすめです!握れてしまうほどのコンパクトサイズなので、キャンプに持っていくにもとても便利。
また、調理だけでなく火おこしの際に『着火剤』としての役割も果たしてくれます。バーナー類に比べるとその火力は劣りますが、便利さと手軽さでいえば十分使えるアイテムといえるでしょう。
固形燃料の種類
固形燃料と言ってもその種類は様々。メーカーによって、いろいろな形状の固形燃料が販売されています。
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【卓上用固形燃料】
使い切りのこの固形燃料は、太い蝋燭のような形で直接火をつけて燃焼させます。このタイプは旅館などで見かけることが多いのではないでしょうか。アルミ箔で覆われているものが多く、後片付けのしやすさも特徴的です。そしておすすめポイントは、なんといっても低価格であるということ。100均などでも手軽に手に入れることができる、一番身近な固形燃料です。
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【タブレット式固形燃料】
タブレット式は、安定した強い火力が特徴的です。燃焼時間が決まっているのも使いやすいポイントの一つ。燃えカスをほとんど残さないので、片付けが簡単なのも魅力的ですね。ですがその燃焼時間は10~20分と短めなので、いくつかまとめて使用することが多いです。もちろん着火剤としても使用できます。
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【ゼリータイプ】
これは着火燃料が袋の中に入っており、直接袋に火をつけることで燃焼を開始させることができます。この固形燃料の良いところは、保存のしやすさです。着火燃料が袋の中に入っていて密閉された状態なので、揮発しにくいのが嬉しいですね。扱いやすさが魅力的な燃料です。
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【缶タイプの固形燃料】
缶タイプの固形燃料は、容量が大きいので長時間の使用におすすめです。燃焼時間が2時間程度のものが多く、煮込み料理などの調理に役立つでしょう。また蓋を閉めれば消火でき、燃料が尽きるまでは再利用が可能です。これは他のタイプの固形燃料とは大きな違いですね。さらに缶タイプなので長期間の保存が可能です。つまり非常用としても使えるということですね。いざという時にも使えるので、持っておいて損はありませんよ。
燃焼時間
固形燃料の燃焼時間は約15~25分のものが多いです。ただし、使用には風や天候などの環境が大きく影響します。環境によって燃焼時間も変化するので、必ず15~25分燃焼するとは言えません。風防などを利用し、効率よく燃焼できるように工夫することも必要です。
固形燃料の使い方
固形燃料の使い方は、専用のコンロにおいて火を着けるだけ。火をつけると勢いよく炎があがるので、火傷防止のためにもライターではなくチャッカマンなどを利用すると良いでしょう。
基本的に一度火を着けたら燃え尽きるまで使用してください。くれぐれも息を吹きかけて火を消すことのないようにしてくださいね。事故や怪我の原因になります。
25gサイズの固形燃料のスペックを比較
今回は一番身近でコスパの良い『卓上用固形燃料』について詳しく見ていきたいと思います。この固形燃料はAmazonなどのネット通販だけでなく、100均などでも手軽に購入することができます。
それではAmazon・ダイソー・セリアで購入できる、一番使いやすい25gサイズの固形燃料のスペックや特徴を見ていきましょう。
AmazonカエンニューエースE25g
この固形燃料はAmazonでベストセラーになっている商品です。それだけ愛用者が多いということですね。今回はAmazonを代表してこの固形燃料を紹介します。
【スペック】
- 値段:608円
- ブランド名:ニイタカ
- 素材:メタノール
- 燃焼目安:18.5分~25分
- 20個入り
【特徴】
- アルミ箔でつつまれているので、使用後の後片付けが簡単
- 本体はラップのようなものに包まれている
- ダイソーやセリアの固形燃料に比べると小ぶり
ダイソー固形燃料25g
ダイソーではゼリータイプの固形燃料も販売されています。今回は右側の卓上用固形燃料をご紹介します。
【スペック】
- 値段:100円+税
- 主成分:メタノール
- 燃焼目安:20分~23分
- 生産国:MADE IN JAPAN
- 3個入り
【特徴】
- アルミ箔でつつまれているので、使用後の後片付けが簡単
- 透明なカップのような容器に入っている
- 透明な蓋がついているが、めくらずにそのまま着火する
セリア固形燃料25g
セリアからは20g~30gまで様々なサイズの固形燃料が販売されています。20gは5個入りとコスパも良さそうですね。今回は右側の25gの固形燃料をご紹介します。
【スペック】
- 値段:100円+税
- 主成分:メタノールを主成分とする混合物
- 燃焼目安:約15分
- 生産国:MADE IN JAPAN
- 3個入り
【特徴】
- Amazonやダイソーのものと違い、アルミ箔がついていない
- 透明なカップのような容器に入っている
- 透明な蓋がついているが、めくらずにそのまま着火する
3種類の固形燃料の燃焼時間を比較してみた
燃焼時間の目安はそれぞれ記載されていますが、実際のところどうなのでしょうか。気になりますよね。
そこで室内の無風の環境で、燃焼時間の比較をしてみたいと思います。一番燃焼時間が長い固形燃料はどれなのかを調べてみましょう。
Amazonの固形燃料
まずはAmazonの固形燃料です。ポケットストーブに固形燃料をセットしてスタートします。
着火と同時に勢いよく炎があがります。炎の大きさは写真の通りです。
完全に鎮火しました。気になる燃焼時間は、記載されていた目安よりも長い【28分02秒】でした。
ダイソーの固形燃料
続いてダイソーの固形燃料の燃焼時間を確かめてみましょう。
ダイソーの固形燃料も火力が強いですね。
ダイソーも、記載されていた燃焼時間の目安よりも長い【25分34秒】でした。
セリアの固形燃料
最後にセリアの固形燃料を調べてみましょう。アルミ箔がついていないのでアルミホイルを巻いた方が良いのですが、あえて何も巻かずに燃焼させてみます。
炎の大きさはAmazonやダイソーの物に比べ小さい気がします。
ですがアルミ箔がついていない分、途中からは固形燃料全体が燃え始めました。これはAmazonやダイソーの燃焼の仕方と大きく異なります。
固形燃料全体で激しく燃えたからか、燃焼時間は他の2つと比べて短めの【15分09秒】でした。
検証結果
固形燃料が燃え尽きるまでの時間を一覧にしてみます。
Amazon | ダイソー | セリア |
28分02秒 | 25分34秒 | 15分09秒 |
それぞれ記載されていた燃焼時間の目安とほとんど変わりありませんでした。ですが断トツでAmazonの燃料時間が長いことが分かります。
3種類の固形燃料の火力を比較してみた
実際の燃焼時間は分かりましたが、大事なのは実用性ですよね。それぞれの火力の強さを調べるために、シェラカップに100mlのお湯を入れて沸かしてみることにしました。沸騰までにかかった時間を調べてみたいと思います。
検証結果
Amazon | ダイソー | セリア |
3分05秒 | 3分10秒 | 3分16秒 |
それぞれ大きな差はありませんが、Amazonが沸騰までの時間が一番短いことが分かりました。それだけ火力が強いということですね。
3種類の固形燃料の燃えカスの比較
後片付けのし易さにも関わる燃焼後の燃えカスも気になるところです。それぞれの燃えカスを見てみましょう。
Amazonの固形燃料
アルミ箔の中に溶けた蝋が溜まって固まっていました。ポケットストーブが汚れることもなく、燃えカスがアルミ箔の中に収まっているので片付けは簡単です。
ダイソーの固形燃料
Amazonのものと違い、燃えカスが真っ黒になっているのが分かります。こちらも固まっているので、アルミ箔ごと処分してしまえばOKです。周りが汚れることなく、片付けも楽ちんです。
セリアの固形燃料
アルミ箔がないので、ポケットストーブに蝋が固まってしまいました。やはりアルミホイルを巻いておいた方が良かったですね。蝋は固まっているので削れば綺麗に取れますが、片付けは面倒です。セリアの固形燃料を使う際は、アルミホイルを巻くことをおすすめします。
燃えカスについては、後片付けが簡単なAmazonやダイソーの固形燃料がおすすめですね。
コスパ最強のおすすめ固形燃料どれ?
一通り実験してみて感じた、それぞれの固形燃料の良い点と残念な点を挙げてみたいと思います。購入の参考にしてみてください。
Amazonの固形燃料
◎燃焼時間が長く、火力が安定している
◎アルミ箔がついているので片付けが簡単
◎20個入りで低価格なのでコスパも良い
△着火時勢いよく炎が上がるので少し危険
ダイソーの固形燃料
◎アルミ箔がついているので片付けが簡単
△着火時勢いよく炎が上がるので少し危険
セリアの固形燃料
◎燃焼時間が15分と短時間なので、ちょっとした時に使用できる
△アルミ箔がついていないので、アルミホイルを巻く必要がある
コスパ最強の固形燃料は?
それぞれの良い点・残念な点を挙げてみました。実際に使ってみて一番コスパが良く感じたのは、Amazonの固形燃料でした。火力の強さや燃焼時間の長さ、そして20個で約600円という安さが魅力的です。固形燃料はキャンプで使う機会も多いと思うので、Amazonでまとめて購入するのもいいと思います。
覚えておこう固形燃料の保管方法
固形燃料は気化・揮発しやすいのが一番の欠点です。ラップに包み密封された袋に入れて保存するようにしてください。品質維持の為に、風通しのいい涼しい場所で保管することをおすすめします。
自然発火や引火を防ぐ為、直射日光や高温多湿の場所は絶対に避けるようにしてください。
保管の仕方が悪いと劣化して写真のようにしぼんでしまいます。
こうなってしまうと火力が弱くなるだけでなく、燃焼時間も極端に短くなってしまいます。注意してくださいね。
固形燃料の比較のまとめ
今回は固形燃料についての基礎知識や、Amazon・ダイソー・セリアの固形燃料のスペックや特徴についてご紹介しました。参考になったでしょうか。
キャンプで意外と使い道の多い固形燃料。コスパの良いものを購入し、効率よく使ってみてくださいね。